保育中にイライラしてしまうことありませんか
いつもお友だちのおもちゃをとってしまう、暴言ばかり吐く、すぐにイライラしてしまう・・・等々、日々の保育の中で、発達のアンバランスさをもつ子どもの行動に先生も一緒にイライラすることはありませんか?行事が近くてやることがいっぱい、クラス担任のペアの先生の考え方が合わなくて日々ストレスを抱えている・・・など、自分の気持ちを左右する理由はさまざまな原因があります。
しかし、これは子どもたちには関係のないこと。先生のいつも安定した精神状態が子どもたちの安心できる保育につながります。
先生の不安定な精神状態の中で保育をするとそのイライラの矛先は弱い立場である子どもに向いてしまいます。集団生活に適応出来ない場面が多い発達の気になる子どもたちがイライラのきっかけとなることもあるのではないでしょうか?
安定した精神状態で保育するには
では、安定した精神状態で保育するにはどうしたら良いのでしょうか?常にもう一人の自分が今の自分をモニタリングする
子どもに関わる日々の忙しさの中でも、自分が言ったことは正しかったかな? 関わり方はこれで良いかな? と今までの経験や学んでいる知識を思い出しながら、もう一人の自分が今の自分をジャッジし、行動を俯瞰してみることで冷静な自分を保つことが出来ます。発達の気になる子どもたちの「行動と人格」を分けて考える
子どもが困った行動を起こした際に、その行動の理由を発達の特性から考えその子が悪いのではなく、その特性が引き起こしていると考えます。そうすることで、その子自身と行動を分けて考えることが出来ます。例えば、お友だちのおもちゃを勝手にとってしまった場合、行動の理由は誰かが使っているおもちゃだという関連性に気付くことが出来なかったと仮定します。
「○○くんが大好きなおもちゃが見えたから取りに来たんだよね。気持ちはよく分かる。でもね、よく見てみるとここに○○くんがいて、使ってたんだって。貸してと言えば良かったね」など、言語化して子どもの気持ちを理解し、行動だけを調整出来るような声かけをします。
つまり、その子自身が悪いのではなく、その子の行動に目を向けることで、特性から起きている行動であると理解することで、子どもの気持ちを理解することができます。子どもにとっても「先生は僕の気持ちを理解してくれているんだ」と全否定された気持ちにはなりません。
「先生に怒られる」のが当たり前になっていませんか
発達にアンバランスさがあることで、集団のなかで注意されることも多くある子どもたち。先生に声をかけられた時点ですでにまた怒られるのではないかと感じている子どもたちは多くいます。その子自身の気持ちを理解し、起こった行動と分ける。そうすることで、子どもと先生との関係性も良好なまま日々の保育を行うことができ、先生自身の精神状態も安定したものとなるでしょう。
「行動から見る」目を養う
人格と行動を分け、行動に注目し、その行動の理由は特性にあるというポイントで見るためには、日々の発達特性の学びが必要です。新たに、学びの時間を作り出すことは難しくても、日々の生活の中でも学べる環境は多くあるのが現代です。積極的に情報を自ら取りにいくことで、多様な発達の子どもたちの特性理解がすすみ、保育士自身の人間力もあがることでしょう。井上さんからアドバイス
保育士という仕事は、子どもたちを育てているようでありながら、同時に子どもたちに育てられているという仕事だと思います。また、将来を担う大切な子どもたちに関われる仕事は誇り高き仕事です。プライドと謙虚な気持ちをいつまでももちながら、かわいらしい子どもたちと関わっていっていただきたいと思います。井上さんに直接聞いてみたい発達支援のお悩み募集中
普段の保育で感じている発達支援のお悩み、井上さんに質問してみませんか? ほいくisでは、保育者のみなさんが抱える発達支援のお悩みを募集し、児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんに回答いただく新企画を始めます。
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