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子どもへの声かけ、わかりやすいですか?|発達支援の現場から

子どもへの声かけ、わかりやすいですか?|発達支援の現場から
児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんが、現場の保育士さんから多く寄せられるお悩みに回答します。>>連載一覧はこちら

子どもへの声かけ、どうしてますか?

部屋の中で走っている子、物を投げてしまう子、先生方が「してほくない」と感じる行動を見た時、どのような声かけをしていますか ?

走らないでねではなく歩いてねと声かけをする

「走らないでね」「投げたら危ないよ」

このように「〇〇しないでね」という声かけを聞いた時、子どもの頭に思い浮かぶイラスト(イメージ)は、
①走っている様子が思い浮かび、その後に②バツがつくイメージです。

つまり、走ってはいけない、投げてはいけないということはわかっても、では一体どうするべきなのかは、イメージ出来ていないことになります。

ではどのようにすれば良いのかというと、
 

しゃべらないではなく口を閉じる

走らないでね→歩いてね
投げないでね→置いてね
押さないでね→手は体につけておいてね(列で並んでいる時など)
おしゃべりしない→口を閉じてね
登らないでね→おりてね

など、子どもたちが聞いた言葉がすぐにイメージとして、イラストのように頭に浮かび、正しい行動が伝わるようにすると良いでしょう。



肯定的な声かけが正しい行動につながる

また、発達にアンバランスさをもっている子どもたちは、日常で注意されることが多く、否定的な言葉で傷つく経験を積み重ねていることもあります。

「〇〇しないでね」という否定語は使わずに「〇〇してね」と肯定的に伝え、正しい行動に気づけるよう促しましょう。

日常で否定的な声かけが無意識に出てしまっている場合、すぐに変えることは難しいかもしれません。

それでも、まずはやってみようと意識して行動することが大切です。

「走っちゃだめ〜」と言ってしまったら、そのあとすぐに「歩いてね」と付け加えてみましょう。

そうやって、自分を意識的にモニタリングしながら、行動を変容していくことで、無意識的に肯定的な言葉がけが出来るようになります。また、繰り返し行動を積み重ねることで無意識に出来るようになってきます。

変えるのは子どもの行動だけでなく…

子どもの行動を変えたいと思うなら、まずは大人側や環境の方を変える事。そこから子どもたちが読み取り、能動的に変化していく。これが、主体的な保育にもつながってきます。

子どもたちが否定的に大人から指摘されるのではなく、自ら気が付いて行動に移していく、そのためには、大人側が工夫し子どもたちに読み取りやすい環境を整えることが大切です。



井上さんからアドバイス

新たな学びが良いなと思ったら、すぐに行動に移すこと。また、学び続けることで小さな行動の変化に繋がります。これが、良い保育への道しるべです。

日々の保育は大変なことも多いでしょうが、喜びもたくさんあるはずです。

学ぼうと思えたその時から、先生方の成長は始まっています。この情報が皆さんの保育の支えになるよう応援しています。



井上さんに直接聞いてみたい発達支援のお悩み募集中

普段の保育で感じている発達支援のお悩み、井上さんに質問してみませんか? ほいくisでは、保育者のみなさんが抱える発達支援のお悩みを募集し、児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんに回答いただく新企画を始めます。

あたたかい目線でいつも保育者に寄り添う井上さんのコラムは、現場の保育者の方からも非常に好評です。ぜひみなさんが感じていること、相談したいことがありましたら以下のバナーをクリックして相談を教えてください。
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井上綾乃(いのうえ あやの)

この記事を書いた人

井上綾乃(いのうえ あやの)

発達支援センターでの実践や短大非常勤講師の経験を積み、自ら法人を立ち上げ、児童発達支援管理責任者(保育士と)して療育の現場で活動中。子どもをプログラムに合わせるのではなく、子どもに合わせた療育プログラムを行いながら、「楽しい」と感じる事で発達する支援を実践。現在では自治体の保育園巡回相談、保育ゼミ講師、依頼を受けての保育園、幼稚園研修講師等人材育成も行っている。
<シャインキッズホームページ>
https://shine-kids.com/

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