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子どもの発達「グレー」って何? |発達支援の現場から

子どもの発達「グレー」って何
児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんが、現場の保育士さんから多く寄せられるお悩みに回答します。>>連載一覧はこちら

グレーゾーンとは 

「あの子はグレーだから...  」 

保育士さんたちの間でそのような言葉を聞いたことはありますか?  発達がグレー? 一体どういう意味なのでしょうか? 
 
発達でいうグレーゾーンとは、知能指数が70から84の中に入る知的レベルの状態です。知的障害と診断はされないものの、少しゆっくりな発達がゆえに生活する上での困難さを感じていることも多くあるでしょう。 
 
また、知能指数はグレーゾーンではなく、85以上100程度あっても、社会性や感覚面のアンバランスなど集団生活の場面で相性が悪い子どもたちのことをグレーと呼ばれることもあります。 

あなたの目の前にいるのは大切な一人の子ども 

しかし、私が皆さんにお伝えしたいことは、子どもたちを白、黒、グレーという色分けで見ないでほしいということです。 
 
目の前にいる一人一人の子は他の誰でもない、たった一人のかわいい子どもです。 

自閉症の〇〇ちゃん、ADHDの〇〇ちゃんではなく、たった一人の〇〇ちゃんなのです。 

診断名は診断名として必要なこともありますが、自閉スペクトラム症という名前があるように、その様子は虹のようにさまざまで、誰一人全く同じ人間はいないのです。 
 
グレー、診断名というものに囚われず、その子自身をよく見て観察し、行動の理由を考え、学んできた知識と経験を活かして支援に繋げてください。 
 
自閉症、発達障害、グレーゾーンであることが悪いことではありません。それが彼らのアイデンティティなのです。 

知的に遅れがあっても、コミュニケーションをとることが苦手でも、それが全てではありません。「苦手のかくれみの」の奥にある、その子の輝く良い部分を探し、支えていきましょう。 

社会の中では、少数派であることから理解されにくいこともありますが、彼らと繋がりたい、理解をしたいと思い、私たちから歩みよりその世界を共有させてもらいましょう。 

 井上さんからアドバイス 

 大人の固定概念を、外していかないと子どもに寄り添った支援は出来ません。 大人の考えは「答え」ではなく、一つの選択肢でしかないのです。 

女の子だから、男の子だからという考えがなくなったように、自閉症だから、発達障がいだから、という周囲がつくりだしている壁がなくなることを願っています 。 

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普段の保育で感じている発達支援のお悩み、井上さんに質問してみませんか? ほいくisでは、保育者のみなさんが抱える発達支援のお悩みを募集し、児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんに回答いただく新企画を始めます。


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井上綾乃(いのうえ あやの)

この記事を書いた人

井上綾乃(いのうえ あやの)

発達支援センターでの実践や短大非常勤講師の経験を積み、自ら法人を立ち上げ、児童発達支援管理責任者(保育士と)して療育の現場で活動中。子どもをプログラムに合わせるのではなく、子どもに合わせた療育プログラムを行いながら、「楽しい」と感じる事で発達する支援を実践。現在では自治体の保育園巡回相談、保育ゼミ講師、依頼を受けての保育園、幼稚園研修講師等人材育成も行っている。
<シャインキッズホームページ>
https://shine-kids.com/

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