続・保育士の働き方について
前回は保育士の休暇の取り方をお伝えしました。 今回は時短勤務や土日保育、夜間保育、福利厚生について紹介します。スウェーデンには基本的に土日保育や夜間保育はありません。そのため、職員は平日6時半から18時の間のシフト勤務で働いています。8時間労働が一般的ですが、時短勤務をしている人も少なくありません。時短勤務をする主な理由は、子どもがいるためですが、1〜2歳児に限った話ではありません。小学生の子どもがいるという理由でも時短勤務をすることは可能です。また、同僚の1人はもともと平日7.5時間勤務/日でしたが、この1月から月曜日を休みにして週4日勤務になりました。彼女は50代で、健康面が理由のようです。
自由度の高い時短勤務制度
このように自由度が高い時短勤務制度がありますが、その時々のスタッフの状況により、取得できないということもあります。私も時短勤務を希望したのですが、6人しかいない職場では、それはかないませんでした。しかし、従業員一人ひとりが希望の働き方を手に入れるために発言する権利があるため、引き続き申請することができます。どうしても時短勤務でなければならない場合は、時短勤務できる別のプレスクールに転職する、それがスウェーデンの労働環境です。夜間保育・土日保育について
次に夜間や、土日の保育について。夜間保育は市区町村レベルで1〜2園が担っています。土日保育はないため、土日に出勤する仕事であれば、片方の親か祖父母が子どもの面倒をみることが一般的です。福利厚生として一般的な制度に、「健康増進費」があります。スウェーデンでは、医療費を抑える目的なのか、スポーツジムの年会費やマッサージの費用を年間1万円前後負担してもらえます。ただし、毎月の交通費は自己負担ですし、住宅手当のような生活を支えるような支給はありません。勤務時間の話と同じで、自己負担ができないのであれば、近所で職探しをする、という考え方は日本と異なる点です。
給料水準は?
お給料の水準では、教師(Förskolälare)と保育士(Barnskötare)で差があります。前者は平均30,000SEK、後者は平均22,000SEKと言われています(1SEK=11円、2020年2月現在)。また、同じ教師でもプレスクールと高校教師では平均給与に差があり、プレスクールの方が低いという調査結果があります。かなり賃金の改善はされたようですが、それでもこのような結果になるのは残念です。ちなみにボーナスはありません。一般企業では、業績によって支給されることもあるようですが、日本のようにボーナスも含めて収入を考えるということはありません。2回に渡ってスウェーデンの保育士の働き方を紹介しました。時間はお金と同じくらい重要とされているので、保育士も「ライフワークバランス」をしっかり保てる文化がこちらには根付いています。
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