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スウェーデンでチーム保育が重視される理由とは?

段ボールの箱に入ったおもちゃや木の実、木の葉
スウェーデン在住で2児の母であり、プレスクールで保育士として働くよしざわたかこです。この連載ではスウェーデンの幼児教育を中心として、保護者の目線と働く目線とを織り交ぜながら、現地のリアルな情報をお伝えしていきます。
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プレスクールのクラス運営

今回はプレスクールのクラス運営がどのようにされているのかをお話します。

スウェーデンでは、チーム保育制をとっています。明確に保育士1人に対して子ども何人とはうたっていませんが、クラスのサイズを学校庁から推奨という形で以下の基準を明示しています(実態としてはもう少しサイズが大きくなっています)。
  • 1~3歳児 6~12人
  • 4~5歳児 9~15人
基本的にこの人数に2~3人の保育士が配置されていて、毎日のルーティンはクラス全体で行います。そして多くの園では、子どもをさらにグループに分けて教育的な活動を行っています。例えば長女が4〜5歳の頃のクラスでは、4歳児、5歳児をそれぞれ5人ずつ4グループに分けて、一年間同じメンバー、同じ先生でテーマ活動をしていました。

活動は各グループ週1回、午前中の1〜2時間を使って行われます。この活動時間は担当の先生の裁量で内容、記録、次の計画などが決められます。それ以外の時間は、子どもたちはまとまって活動するので、その間はチームとして何をやるのかを決めていく必要があります。




保育士同士が話し合いで連携

スウェーデンはとても民主主義を大切にする国なので、1人のベテランが取り仕切って他が追従するということにはなりません。必ず同僚と話しをして、合意を得ることが重要になってきます。子どもたちを前にした状況ではなかなかゆっくり話し合うことができないので、毎週1〜1時間半のチームミーティングの時間があります。そこで次週の計画を立てたり、ルーティンの見直しやイベント事の確認をします。
スウェーデンの田舎の風景
保護者として気になるのが、子どもの担任は誰なのか、という点。園によっては、子どもの担当保育士を決めるところもありますが、私の職場では全員が全ての子どもと関わる体制をとっています。日々の連絡も対面した保育士がします。また保護者面談も対面するのは1人の保育士ですが、全ての保育士がそれぞれの視点から子どもの発達について意見を述べて、チームとして何を保護者に伝えていくのかを準備します。

チームワークを重視する保育現場

このようにチームワークが非常に重要なスウェーデンのプレスクールでは、日本のように毎年どのクラスを担当するかといった保育士の配置転換の検討はほとんどありません。チームとしてうまく機能していれば、何年も同じチームで同じ年齢の子を担当していくことになります。チームワークを保つためにも、働き方について気になることがあれば、お互い直接伝え合うことを職場では心がけています。そこにベテランも新人もスウェーデン人も移民も関係ありません。保育の仕事は、子どもが安全に過ごせて彼らの発達を支えること。それを目指すためにチームワークの重要性を保育士全てが理解しているのがスウェーデンの現場だといえます。


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よしざわたかこ

この記事を書いた人

よしざわたかこ

スウェーデンの保育士。東京でOL(10年)→出産→退職→幼児教育を学ぶために再度大学生→2016年に家族でスウェーデン移住→スウェーデン語をゼロから学び、2019年5月からプレスクールに勤務中! 移住後は、スウェーデンの幼児教育事情をブログにて配信中。
<Twitter>
@swedenhoiku
<Instagram>
@sweden_hoiku
〈ニュースレター スウェーデン保育通信〉
https://sweden-hoiku.medy.jp/

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