1月から新しい職場での勤務がスタート

さて、今回はスウェーデンのプレスクールにおける新人あるいは中途採用者のトレーニングについてお伝えしたいと思います。
スウェーデン保育園の研修は?

これだけ聞くと、大丈夫?と首を傾げたくなりますね。しかし、スウェーデンでは学生の間の実習が充実しており、その間にその職業に関する理解や準備をするのです。そのため、新卒であってもその学業を修めたプロとして迎えられます。新卒だからといって、半人前扱いされることはありません。厳しくもありますが、それほど学校での学びを尊重されているともいえます。
スウェーデンの保育実習
実習先では、経験を積んだ先生がトレーナーとなり、その先生とともに1日を一緒に過ごします。私のような社会人が保育士コースを履修する場合は、1年半のプログラムの中で、4週間の実習を2回行います。1日8時間みっちり園に通い、保育チームの中に入って現場がどういうものなのかを学んでいきます。2回の実習の中で自分の保育活動も行います。保育計画を立て、実践し、その後の記録と振り返りをトレーナーの先生と行います。そして、その実習の評価もその先生が行います。
こちらで働いて感じるのが、先輩社員からダメ出しされることが一切ありません。それは嬉しくもありますが、実はなかなか成長の機会が得られないなと思います。
自分の基準だけで仕事をすることになり、実は別の角度の視点が抜け漏れてしまう可能性も十分にあります。そのため、この実習の間はそういったフィードバックをもらえる唯一の機会とも言えます。
中途採用者の転職後の研修は?
転職の場合は、経験者として雇われるので即戦力としての業務が回ってきます。最初に園内のインフラについて説明を受けるだけです。あとは園内の必要書類に目を通して、その園の文化を学んでいくというものです。あとは、多くの園で外部講師を招いた研修が年1~2回予定されています。私は昨年、「保育室の環境構成」についての研修を受けました。これは新人、ベテランに関わらず、新しい知識や新しい視点を取り入れる貴重な学習機会となっています。
このように、捉え方によっては新人に厳しいスウェーデンの園。しかし、年齢や経験に関わらず、学業が尊重され、プロとして自信を持って働けることで柔軟な園の文化ができるとも言えます。