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日本と違う!?海外保育園の実習と研修【スウェーデンの保育】

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スウェーデン在住で2児の母であり、プレスクールで保育士として働くよしざわたかこさん。スウェーデンの幼児教育を中心に保護者の目線と働く目線とを織り交ぜながら、現地のリアルな情報を紹介してもらいます。>>連載の記事一覧はこちら

1月から新しい職場での勤務がスタート 

スウェーデンの保育園の外観
1月から新しい職場での勤務が始まりました。オープン1年の新設園で、新しく建てられたビルの1階部分がプレスクールで、2階以上は老人ホームという施設。住宅街の中に立地していますが、少し高台になっていて、完全に孤立しているのでとても静かです。前の職場は中心地に立地しており、園庭もなかったので、大きな違いです。 
 
さて、今回はスウェーデンのプレスクールにおける新人あるいは中途採用者のトレーニングについてお伝えしたいと思います。  

スウェーデン保育園の研修は? 

スウェーデンの保育実習
実はスウェーデンでは、新人研修や新人保育者に対する先輩社員からの手厚いフォローはありません。勤務初日から現場に入ってOJTで仕事を覚えていきます。分からないことは、チームの先輩保育者に聞いて、あとは自分で考えて行動する、というもの。しかも、トレーナーのようにつきっきりで教えてくれる先輩がいるわけではありません。 
 
これだけ聞くと、大丈夫?と首を傾げたくなりますね。しかし、スウェーデンでは学生の間の実習が充実しており、その間にその職業に関する理解や準備をするのです。そのため、新卒であってもその学業を修めたプロとして迎えられます。新卒だからといって、半人前扱いされることはありません。厳しくもありますが、それほど学校での学びを尊重されているともいえます。  

スウェーデンの保育実習 

実習先では、経験を積んだ先生がトレーナーとなり、その先生とともに1日を一緒に過ごします。私のような社会人が保育士コースを履修する場合は、1年半のプログラムの中で、4週間の実習を2回行います。

1日8時間みっちり園に通い、保育チームの中に入って現場がどういうものなのかを学んでいきます。2回の実習の中で自分の保育活動も行います。保育計画を立て、実践し、その後の記録と振り返りをトレーナーの先生と行います。そして、その実習の評価もその先生が行います。 
 
こちらで働いて感じるのが、先輩社員からダメ出しされることが一切ありません。それは嬉しくもありますが、実はなかなか成長の機会が得られないなと思います。

自分の基準だけで仕事をすることになり、実は別の角度の視点が抜け漏れてしまう可能性も十分にあります。そのため、この実習の間はそういったフィードバックをもらえる唯一の機会とも言えます。  

中途採用者の転職後の研修は? 

転職の場合は、経験者として雇われるので即戦力としての業務が回ってきます。最初に園内のインフラについて説明を受けるだけです。あとは園内の必要書類に目を通して、その園の文化を学んでいくというものです。 
 
あとは、多くの園で外部講師を招いた研修が年1~2回予定されています。私は昨年、「保育室の環境構成」についての研修を受けました。これは新人、ベテランに関わらず、新しい知識や新しい視点を取り入れる貴重な学習機会となっています。 
 
このように、捉え方によっては新人に厳しいスウェーデンの園。しかし、年齢や経験に関わらず、学業が尊重され、プロとして自信を持って働けることで柔軟な園の文化ができるとも言えます。 
 
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よしざわ たかこ

この記事を書いた人

よしざわ たかこ

スウェーデンの保育士。東京でOL(10年)→出産→退職→幼児教育を学ぶために再度大学生→2016年に家族でスウェーデン移住→スウェーデン語をゼロから学び、2019年5月からプレスクールに勤務中! 移住後は、スウェーデンの幼児教育事情をブログにて配信中。

<Twitter>
@swedenhoiku
<Instagram>
@sweden_hoiku
<ニュースレター スウェーデン保育通信>
https://sweden-hoiku.medy.jp/

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