2019/10/13
スウェーデン版「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」とは?

スウェーデン在住で2児の母であり、プレスクールで保育士として働くよしざわたかこです。この連載ではスウェーデンの幼児教育を中心として、保護者の目線と働く目線とを織り交ぜながら、現地のリアルな情報をお伝えしていきます。
前回のおさらいです。
スウェーデンも日本も幼児期の教育を人生の土台作りと位置づけて、この時期の子どもの発達に合わせた活動を行うことが「ナショナルカリキュラム(以下カリキュラム)」で定められています。特に、この時期の子どもは発達に個人差があるので、スウェーデンの場合は「全ての子どものニーズに合わせて」活動するということが強調されています。今回は、カリキュラムがどんな風に現場で使われているのか、私の職場の例を紹介します。

- 社会と関わる力
- 言葉とコミュニケーション
- 文化と表現
- 持続可能な社会の実現
- デジタルスキル
- 数学
- 自然科学
- 技術
- 外活動
- 遊び
とはいえ、これだけに特化するわけではありません。年度始め(8月)にクラス単位で、それぞれの領域についてどのように活動を展開していくか、プレスクールを終日閉めて会議をします。
私は1〜3歳児クラスで働いているので、「数学」の領域では、階段を登る時など日々の生活の中で自然に数をかぞえることをする、大きさの比較を示してみせる、という行動指針と具体的な活動の方向性をこの場で決めました。
日々の活動は、3人チームで働く同僚と週に1回1時間程度のミーティングで週間計画を立てます。保育計画のように詳しく決めることはなく、その日にどこに行くのかを決める程度です。ねらいを立てて活動するというよりは、その日の活動の中でのできごとを振り返って、どういう経験をしたのかを拾って記録するというやり方になります。この記録は、毎日保護者との連絡用アプリに投稿したり、正式な活動記録文書として残しています。
次回は今年の7月に改訂になったカリキュラムの中のホットな話題をお伝えします。
