保育士にとって音楽って?
新年度が始まり、新人保育士の皆さんはどのように音楽に触れているでしょうか?年間カリキュラムや月案の作成は、子どもと保育者自身が“ともに目標を持って取り組めるよう準備すること”が目的ですよね。特に新人保育士さんは、音楽においても大切なことを意識して、日々過ごすことがとても大事!
そこで、今回は「音楽の振り返り」チェックシートを作ってみました。子どもへのアプローチ方法を広げるヒントにしてみてくださいね。
チェック1/MYSELF(自分自身を振り返りましょう)
1.季節や行事との関連に配慮して音楽を選んだ季節や行事を意識して、音楽を選んだか見直してみましょう。行事だけでなく、季節の食べ物も取り入れてみるのがおすすめ。今の時期なら、「子どもの節句・母の日・いちご」などがいいですね。
2.歌詞の意味や音楽の特徴などを感じられるように意識した
例えば「母の日」の歌であれば、お母さんと子どもが応答しあうように歌ってみる言葉がけができたか、振り返ってみましょう。
3.楽器で遊んだり合奏したりする機会を設けた
音楽に合わせて楽器を鳴らしたり、手作り楽器を作ったりしましたか? 楽器遊びに悩んだら、私のYouTubeで紹介している簡単な楽器を使った遊び歌を参考にしてみてくださいね。
4.友達の歌や楽器演奏を聞いて、感じたことを伝え合う機会を用意した
このような「機会」まで意識をして、指導案に組み込めているでしょうか? まずは、友だちの演奏や、隣のクラスの演奏を聞いて拍手をする機会を作ってみましょう。「かっこよかったと思う人?」「はーい!」と、まずは挙手制の場を設けて、将来的には自分の言葉で気持ちを伝えられる場を用意したいものですね。
5.音楽活動の成果を発表し、表現する喜びや自信を得られるように配慮した
音楽祭の他、父母参観や夏祭り(盆踊り)など、いろんな場面に音楽活動を取り入れてみましょう。さまざまな音楽活動を通し、子どもの感受性が豊かになる環境を用意したいものですね。
チェック2/TO KIDS(子どもたちに対して)
1.保育者や友だちと歌うことを楽しんでいる
歌が好きな子は、自由保育時間や散歩の途中に、自然と口ずさむ姿が見られます。先生も「季節の曲を歌わないと…教えなければ…」と気を張るのではなく、リラックスして鼻歌を歌うように音楽を楽しみましょう。
2.「好きな歌」「歌いたい歌」などの問いかけに対し、複数の曲をあげる
年齢が上がってきたら、朝の集いなどで「なに歌おう?」と聞いてみるのも良いですね。簡易伴奏の楽譜も増えており、YouTubeで試聴できる時代なので、いろいろな種類の歌を歌う機会を設けたいものですね。
3.おおむね正しい音程やリズムで歌っている
子どもたちは楽譜を見て歌うのではなく、繰り返し遊び口伝承の形で覚えていきます。みんなの音程やリズムがバッチリそろうと、気分も良いものです。気になる部分があれば取り出して、リトミックのように全身を使いながらタイミングや音程をそろえてみましょう。
4.楽器を大切に扱っている
楽器はよい音が鳴るように考慮して作られています。扱いが悪く壊れてしまうと、同じような音は再現できません。なぜ丁寧に扱うべきか、次に使う人への思いやりの心がもてるように、子どもたちの心に届くようなお話をしたいものですね。
5.曲の特徴(リズムや曲想など)を考えた歌い方や弾き方をしようとしている
音楽には「元気な曲、優しい曲」など、さまざまな特徴があります。子守歌を2パターン演奏して(元気に・優しく)どちらが良いか考える機会を設けても良いですね。自分の心で考えて言葉にして、相手に伝える機会を作りたいものです。
「音楽の振り返り」チェックシートはいつ使う?
実際にチェックしてみて、いかがでしたか? このチェックシートは、ひと月ごとに活動を振り返ることがおすすめです。今後の保育をより充実させるため、また指導案作成の参考として、ぜひ活用してみて下さい。今回は、2つのチェックリストをまとめたPDFデータも用意しました。ぜひダウンロードして印刷したものを手帳などに貼り、毎月フィードバックしてみてください。すべてコンプリートできた際は、ぜひ自分にご褒美を!
1年後の子どもたちの姿が楽しみですね♪
チェックシートのダウンロードはこちらから
<参考文献> もっと詳しくチェックシートを知りたい方は、下記参考文献をご覧ください。徳島文理大学・短期大学が発表している研究論文「保育の改善につながるチェックリストの作成 ―音楽表現に関する保育の評価を用いての検討―」(著者:古本奈奈代/児嶋輝美)。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsei/30/2/30_KJ00009702381/_article/-char/ja/ |
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