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映画『みんなの学校』木村泰子さんが考える、保幼小や地域との連携の重要性【Vol.4】

「みんなの学校」の木村泰子先生
ドキュメンタリー映画『みんなの学校』の舞台となった「大空小学校(大阪市住吉区)」の初代校長として知られる木村泰子さんへのインタビューシリーズもいよいよ最終回となりました。最後に伺ったのは、保育園や幼稚園と小学校との連携、また施設がある地域との連携の重要性について。小学校の校長を務めたからこそ伝えたい想いを、熱く語っていただきました。

「小学校のため」の保育は必要ない

※映画『みんなの学校』の一場面

保育園や幼稚園では、小学校へ上がる前になると「小学校に向けて」というような活動や声掛けが多く見られますね

保幼小連携の目的をもう一度考えてほしいですね。今、どこでもその重要性が言われていますが、目的は何ですか? 

多くは、「小学校に上がるための保育、幼児教育」と考えられています。でも違うんです。保育園、幼稚園はそこで完結していいんです。小学校のことは考えなくていいと、私は思います。

本来であれば、私たち小学校側が、自分たちの小学校に来る子どもたちはどんな生活をしてどんな関わりをしているんやろうって、学ばせてもらいに行けばいいんです。なので、大空小学校の職員は、丸一日園に行って子どもたちの行動や周りとの関係性を学んできます。

書面だけでなく、実際に目で見て学びに行くのですね

小学校に来て、来づらくなる子どもは絶対いるんですよ、空気が違うから。でもこれは、園のせいではありませんよね。だって保育園と小学校の空気が違って来づらさを感じるんやから。

そうなったときに、保幼小の連携が必要。ちょっと園に帰ってクールダウンして、小学校は「どうやった?」ってその情報を学ばせてもらう。

子どもたちが学校に行けなくなったときに連携が必要なんです。小学校にあがるための連携は、何一ついりません。

園では年長クラスになると、「あと少しで小学校のお兄さんお姉さんなんだから、自分でやりましょう」なんて声も聞こえたりしますよね

「だからどうなの?」と思いますね(笑)。言うなら、「あと少しで小学校だね、残りの保育園いっぱい楽しもうね!」と言えばいいんです。「小学生になるんだから」と言われても、子どもからしたら小学校はしんどいところ、というだけですよ。

2020年から、小学校教育が変わります。プログラミングが必修にはいったりとかありますが、あれはすべて手段! 大切な目的は、主体的・対話的・深い学び。まさにアクティブラーニング。これは、保育の現場で十分吸収できることなんですよ。

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