あやとり
あやとりは、毛糸などの柔らかいひもで作った輪っかを使っていろいろな形を表現して楽しむ遊びです。日本では昔から伝わる、定番の伝承遊びのひとつですよね。「ほうき」や「はしご」など、有名なものは作ったことがある人が多いのではないでしょうか。今回は、保育現場でも簡単に取り入れやすいあやとりの技を全部で23種類紹介します。
保育園や幼稚園で取り入れる際には、首や腕に巻き付けて絡まってしまったり、誤飲が起こったりしないように注意しながら遊びましょう。
あやとり遊びのねらい
保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。- 日本ならではの伝統的な遊びに触れる
- あやとりを通して友だちとコミニュケーションをとる
期待される姿
- くり返し挑戦することによって、やりとげる気持ちが育つ
- ひも1本でいろいろな形を作ることで、思考力や想像力が育つ
- 手先や指先(手指)を上手に使う力がつく
用意するもの・道具
- 紐(ひも)や毛糸…1本 ※子どもたちに合わせた長さでカットします。両手を広げた長さが目安。
①川
対象年齢
3歳/4歳/5歳まずは定番の「川」です。手順が少なくとても簡単なので、初めてあやとりをするときにやって見せたい技ですね。使う指も親指・人差し指だけなので、小さな子どもでもやりやすいですよ。
②ほうき
対象年齢
4歳/5歳こちらも定番の「ほうき」。「川」ができるようになったら挑戦したい技です。あやとりをやったことのある方は、一度はやったことがあるのではないでしょうか。途中の指を入れる輪っかを作る手順が少し難しいので、特にゆっくりと見せてあげるといいですよ。
③マジックほうき(パンパンほうき、びっくりほうき)
対象年齢
3歳/4歳/5歳こちらは、手を叩くとびっくり! 一瞬で「ほうき」が出来上がるマジック技です。ふとした時に子どもたちの前で披露すると、わっと驚いて盛り上がりますよ。難しそうに見えますが、手順は意外と簡単。動画ではゆっくりと丁寧に解説がされていて分かりやすいので、是非教え方の参考にもしてみてくださいね。
④2本のほうき
対象年齢
5歳こちらは応用バージョンの「2本のほうき」です。右手と左手、両側にほうきが完成します。少し工程が多く難易度が高いので、根気よく何度も練習できるといいですね。
⑤星
対象年齢
3歳/4歳/5歳空にキラキラと輝くきれいなお星さまも、あやとりで作ることができます。手順例では、
あやとりを三重にして片手に収まるサイズの「星」をご紹介しています。七夕の季節など、星が綺麗に見える時期にやってみると子どもたちも喜びそうですね。
⑥流れ星
対象年齢
5歳「星」をマスターしたら覚えたいのが、「流れ星」。クリスマスや七夕に作りたい技ですね。紐をねじったり手首から外したりと難易度はやや高め。5歳児さんや、あやとりが得意な子向けに教えるのがおすすめです。
⑦はしご(四段はしご)
対象年齢
4歳/5歳難易度がちょっと高めの定番技と言えば、この「はしご」ではないでしょうか。二段、三弾といったより簡単なものがあったり、より段数を増やすこともできますが、一番人気なのはこの「四段はしご」なので、まずはこちらに取り組むのがおすすめです。
⑧東京タワー
対象年齢
4歳/5歳先にご紹介した、「四段はしご」からの連続技として作れるのがこの「東京タワー」。「四段はしご」が完成したら、子どもたちがそれを崩してしまう前に「どっちかの手の指をくっつけてみて!」と伝えると簡単にできますよ。東京タワーをまだ知らない子どもには、この機会に実物の写真などを見せてあげてもいいですね。動画の様に赤いあやとりで作ると、より雰囲気が出ますよ。
⑨ちょうちょ
対象年齢
4歳/5歳出来上がりが羽根を広げた「ちょうちょ」に見える技です。親指から小指まで満遍なく使ったり、かかっている糸を外したり、指先や手首を返したりと、あやとりに必要な細かな動作が詰まっているので、慣れてきたころに挑戦すると良いでしょう。
⑩ゴム
対象年齢
4歳/5歳あやとりの紐は長さが変わらないはずなのに、伸びたり縮んだり…!? 不思議な動きをする「ゴム」も、子どもたちに人気の技です。ただ形を完成させるだけではなく、作った後に動かして遊べるのが楽しいので、子どもたちにとっても喜ばれますよ。
⑪富士山
対象年齢
3歳/4歳/5歳日本で一番大きな山、「富士山」もあやとりで作ってみましょう。手順は複雑ではないので、最後に手の向きを変えながらピンと紐を張ってきれいに形を整えるのがポイントです。「ここが富士山の形に見えるよ!」と声をかけて向きを変えることを促してあげられると良いですね。
⑫うでぬき(あやとりマジック)
対象年齢
3歳/4歳/5歳「結んでいたはずなのに…あれ!?」と、あやとりが腕をするっとすり抜けてしまうマジック技です。動画でも説明されているように、始めに手首に紐をかけたときに、取れないことを大げさにアピールしておくと、より不思議に見えると思います。種明かしをしないまま子どもたちが真似をすると絡まって危険な場合があるので、注意しましょう。最後にはやり方を説明してあげるといいですね。
⑬ゆびぬき(あやとりマジック)
対象年齢
4歳/5歳先に紹介した「うでぬき」の、指を使ったバージョンです。こちらの方が、より複雑に見えますが、基本的には同じ動作の繰り返しなので、覚えてしまえばそんなに難しく感じないと思います。 ちょっとした手品を披露したい時に小ネタとして持っておくと盛り上がるので、是非覚えてみましょう。
⑭かえる(バッタ、ハンバーガー)
対象年齢
3歳/4歳/5歳出来上がりを見ると、真ん中の形が「かえる」の口に見える技です。難しそうに見えて意外と簡単ですよ。途中で指から外す紐だけ間違えないように注意が必要です。何度か繰り返し練習してみると、綺麗な形に作れるようになりますよ。
⑮ダイヤモンド
対象年齢
4歳/5歳「ダイヤモンド」は 、完成形を真上から見ると9つのダイヤの形が綺麗に見える技です。親指と小指にそれぞれ紐を巻き付けて、それを人差し指、薬指ですくうだけで出来上がり。難しそうに見えて覚えてしまえば簡単なので、お友だちにも教えてあげたくなりますね。
⑯せんす
対象年齢
3歳/4歳/5歳パタパタと折りたためる模様が入っているのが特徴の「せんす」も、あやとりで表現してみましょう。 作り方は「ほうき」と少し似ているので、比較的覚えやすいと思います。「先生暑いからせんすで仰いでほしいな~」などと声かけをして、ごっこ遊びに繋げるのもおすすめです。
⑰おみくじ
対象年齢
3歳/4歳/5歳当たりは一つだけ! 楽しく運試しができる「おみくじ」をあやとりで作って遊びましょう。3本ある輪っかのうち、当たりを選ぶと紐が綺麗にほどけます。「あやとりに興味があるけどまだ上手く作れない…」という子も、先生がおみくじを作れば一緒に選んで楽しむことができますね。
⑱ひとりあやとり
対象年齢
5歳~定番の技を一通りマスターしたら、連続でいろいろな形に変化させて遊ぶことができる、「ひとりあやとり」に挑戦してみましょう。「つり橋」→「田んぼ」→「川」→「田んぼ」→「ダイヤ」→「星」→「つり橋」と、技をループして繰り返し楽しむことができます。覚えるまでは大変ですが、できるようになると達成感を感じられるので、ぜひやってみてください。
⑲ふたりあやとり
対象年齢
5歳 ~お友だちと二人で交互に相手からあやとりを取って遊ぶ「ふたりあやとり」もおすすめです。次々と形が変わっていくのは、見ているだけでも面白いですね。いきなりやりながら覚えるのは難しいので、先生2人で交互に行ってやって見せたり、先生と子どもで順番にやってみたりして説明するといいでしょう。
コツを掴んだらスピードを上げて速さに挑戦したり、3人以上のグループで順番にあやとりを取って遊んだりと工夫をして楽しむこともできますよ。
⑳トンボ
対象年齢
3歳/4歳/5歳手だけでなく口も使うところが面白い技、「トンボ」です。糸を取ったりかけたりの手順は難しくないので、気軽にチャレンジできるでしょう。赤い糸を取り入れるとよりトンボらしさが表現できますね。「トンボ」は3歳から取り組める難易度なので、あやとり遊びの導入の1つにも使えますよ。
㉑東京スカイツリー
対象年齢
4歳/5歳「東京スカイツリー」を、あやとりで作ってみましょう。糸をかけたり外したりと、コツがいる手順があるのでじっくり時間をかけて取り組むとよいでしょう。本物の東京スカイツリーの写真と見比べてみるのもいいですね。
㉒あみ
対象年齢
4歳/5歳「あみ」のあやとりは、あやとりに慣れてきた子どもたちにぴったりな題材です。糸を取るだけでなく、一度指を抜いて糸を半回転させるなど、慎重さと手順への理解が必要です。保育者がお手本を示しながら、焦らず取り組むとよいでしょう。できるようになるとうれしい技ですよ。
㉓一段はしご
対象年齢
4歳/5歳「一段はしご」は、しっかり糸を取り、形を保ちながら次の手順へ進むのがポイントです。ゆっくり時間をかけて取り組むこと、お手本をよく見ながらコツをつかむことが上達への近道です。できるようになったらみんなに自慢したくなる技ですね。
導入にぴったりな絵本の紹介
『あやとりいととり』さいとうたま 採取・文/つじむらますろう 絵
今回ご紹介したあやとりを含む25種のあやとりの手順がイラスト付きで収録されています。
園であやとりをおこなう際に、保育者もやり方が分からない場合があるでしょう。本を見ながら子どもたちと一緒に取り組むと、難しい技にもチャレンジしやすいですよ。子どもたちが「できた!」の経験を積めるように、こちらの絵本を取り入れてはいかがでしょうか。
あやとりを保育に取り入れて楽しもう
あやとりは、すぐに覚えられる簡単な技から何度も練習して覚えたくなる難しい技まで、沢山のバリエーションがあります。子どもたちが夢中になること間違いなしなので、是非保育に取り入れて遊んでみてくださいね。
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