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保護者のクレーム対応を解説|よくあるケース・原因・対処法

「CLAIM」と書かれた積み木とスケッチブック
保育士が頭を悩ませるものとして、保護者のクレーム対応が挙げられるのではないでしょうか。クレームにはさまざまな要因が挙げられますが、まずは信頼関係を崩さないような、丁寧な対応を心掛けたいですね。今回は、どういったケースがあるのかを確認しながらNGワードや対応のポイントをご紹介します。

適切な保護者対応が必要な理由

保護者と会話をしている保育士
保育施設において、適切な保護者対応はとても重要です。日々のやりとりによって信頼関係が構築されていれば、保護者は安心して子どもを保育園に預けることができます。また子どもの育ちを共有していくことで、保護者の子育てに対する不安や悩みに寄り添うことも可能になります。

さらに、良好な関係を築いておくことで円滑なコミュニケーションが可能となり、問題が発生した際にもクレームになる前に早期解決が期待できます。保護者の協力が得られることで、クラスや園の運営がスムーズになり、結果として子どもたちにとってより良い環境を整えることができると言えるでしょう。

よくあるケース

保育園では、さまざまな内容のクレームが寄せられます。よくあるケースを事例と共に紹介します。

ケガやケンカへの対応

泣いている子ども
特に多いのがこのケースです。友だちとの関わりの中でケンカをしたり、遊んでいる最中にケガをしたりすることがあります。

【事例】
  • ケガをしないようずっとついていてほしい
  • ケンカした相手に謝ってほしい
未然に防ぐような配慮はもちろん必要ですが、ケガをしてしまったときには、状況をしっかり把握した上で、丁寧な説明をすることが重要になってきます。

他の保護者に伝えてほしい

園を利用する他の保護者に対して、「先生から伝えてほしい」と求められることもあります。

【事例】
  • 園のルールについて再確認してほしい
  • トラブルがあった相手の親に謝ってほしい
「自分がどう思っているのか園にも分かってほしい」「保育園としての対応をきちんとしてほしい」という思いが込められている場合があるので、保護者の気持ちを受け止めた上で対応を一緒に考えていく姿勢が大切です。

保育内容を変えてほしい

話し合いをしている人
日常的に行っている保育内容に対し、変更を求める声もあります。

【事例】
  • 行事が多いのでなくしてほしい
  • 日焼けするので外遊びはしないでほしい
保育内容は、簡単に変えられるものではありませんよね。保育現場の対応だけでは解決が難しい場合も多くあります。ケースによっては園全体で検討したうえで、保護者に丁寧な説明をしていくことが必要です。

個別対応をしてほしい

中には、自分の子どもだけ対応を変えてほしいという強い要望がクレームになることも。

【事例】
  • 子どもをずっと抱っこしていてほしい
  • お遊戯会で主役にしてほしい
保育園や幼稚園は集団生活の場なので、個別対応はなかなか難しいものです。できること・できないことは、予め園の方針に沿って対応を決めておく必要があります。この場合でも、保護者への丁寧な説明を心がけましょう。

保育士の態度や言動

部屋の片隅で悩んでいる保育士
保育士の対応に満足がいかず、クレームにつながることもあります。

【事例】
  • 送迎時にもっと声をかけてほしい
  • 職員間の情報伝達が不十分である
担当保育士へのクレームは、別の保育者や管理職へ伝えてくる場合も多くあります。当事者からも聞き取りを行った上で、思いのすれ違いがあれば説明しつつ、信頼関係が修復できるような対応を行なっていきましょう。

クレームの原因

保育や子育てに関する不安が募っていくと、クレームとなって出てくる傾向にあります。

続いて、クレームに至る保護者の心理的な背景について見ていきましょう。

余裕がない

チャイルドシート付の自転車で送り迎えをしている保護者
保護者が仕事や家事で毎日忙しく、体力的にも精神的にも疲弊している時には、「自分はこんなに頑張っているのに」という思いからクレームに発展しやすくなります。また、子育てについて相談したり、子どもを預けられる人が身近にいないことも、ストレスの要因となります。

大切にしたいことのすれ違い

例えば、園が主体性や考える力を大切にしている一方で、子どもにもっと手厚く関わってほしいと感じている保護者もいます。保育の意図が保護者へ十分伝わっていないことによる価値観のずれが、クレームの原因となることがあります。

情報化に伴う視点の拡大

ノートパソコンとタブレットとスマートフォン
SNSなどの普及により、保護者はさまざまな情報に触れるようになりました。しかし、ネガティブな視点に触れることで、それまで気にならなかったことも気になるようになり、園への要求が高まることがあります。こうした情報過多の状況も、クレームにつながる要因の一つと言えるでしょう。

避けたいNG言動

NGの文字を象ったオブジェとバツマーク
納得がいかないクレームでも、否定的な対応をすれば問題はこじれてしまいます。

ここからは、保護者との信頼関係を再構築するためにも、避けたい保育士の言動を紹介します。

否定する

理不尽な要望や言動には、言い返したくなることもあります。しかし、保護者は全部を否定されたように感じて、さらに状況が悪化してしまうことも。相手が話している最中に、「違います」などと話を遮らないことも、今後の信頼関係を築いていく上で大切です。

威圧的に話す

話をしている最中に段々と早口になったり、声が大きくなったりしてしまうこともあります。伝えたいことが次々と出てきて、保育士ばかり話してしまうと、保護者側は威圧的に感じたり、責められているように感じてしまいます。声のトーンや話し方にも気を付けたいですね。

「絶対」「普通」

家庭によって、大事にしていることや子どもとの関わり方は異なります。「絶対」や「普通」などの言葉を用いて、当たり前を決めつけたり、一つの方法を押し付けたりすることは避けた方が良いでしょう。「うちの子どもが異常なの!?」と不安に感じさせたり、「どうしてそんなことを言われなくてはいけないの」と怒らせてしまったりする可能性があります。

対応で心がけるべき3つのポイント

保護者と会話をしている保育士
クレームには保護者の「分かってほしい」という気持ちが含まれています。丁寧に対応を行い、保護者との信頼関係を深めるチャンスへと変えていきましょう。

最後に、クレーム対応で心がけたい3つのポイントを紹介します。

話を最後まで聞く

まずは、保護者の話を最後までしっかり聞きましょう。話を途中で区切ってしまうと、保護者が本当に訴えたい内容を受け取れない場合があります。

適度に相槌を入れながら話を聞き、「そんなことがあって不安な気持ちになってしまったんですね」と保護者の気持ちを受け止めましょう。「分かってもらえた」と感じて初めて園側の話を聞く心の準備が整います。

事実は認めて謝罪する

保護者のクレームの中には、言い訳したくなるような内容もあるかもしれません。しかし、保育士や園側にも非がある場合は、まずは事実に対してしっかりと謝罪をしましょう。自分が当事者でない場合は、本人に事実確認を十分に行うことも大切です。

一人で答えを出さない

保育園の方針や内容などに対してのクレームには、自分一人で答えを出さず「確認しますね。後日お話させてください。」などと伝えましょう。主任保育士や園長に報告・相談した上で対応を行うようにします。

クレームには落ち着いて対応しよう

クレーム対応は保育士にとって難しい課題の一つです。まずは落ち着いて保護者の話に耳を傾け、思いや不安を受け止めることで、解決策を探っていきたいですね。

クレームの対応方法について考えている方は、参考にしてみてください。

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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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