ペープサートとは?
ペープサートは「ペーパーパペットシアター」を短くした言葉で、画用紙や割り箸で作る人形劇の紙バージョンです。保育の現場では頻繁に使われるアイテムで、劇はもちろんゲーム遊びや保育の隙間時間など、さまざまな場面で活躍します。裏表に絵がついているので、裏返しや回転でお話に合った展開ができるのも魅力です。
ペープサートの対象年齢
0歳児/1歳児/2歳児/3歳児/4歳児/5歳児ペープサートは、乳児クラスから幼児クラスまで全年齢の子が楽しめます。 0~2歳児は、手遊びの歌をペープサートにすると短い時間に集中して見られます。 3~5歳児は、年齢に合った物語やクイズもペープサートで楽しめるようになるでしょう。
ペープサートを保育に活用するメリット
ペープサートのメリットは、絵本や紙芝居と違い絵に動きが出ることです。保育士が動かすペープサートと声が連動するので、子どもたちが興味を示し集中しやすい特徴があります。また、保育士が動かしながら声を出すため、臨機応変な対応をしやすいのもメリットのひとつでしょう。アレンジができるので、子どもが咄嗟に発した言葉を拾って物語に取り入れることもあります。子どもの反応を見ながら展開していけるため、保育士もやりやすいのがペープサートの魅力です。
ペープサートを行う際のねらい・声かけ・導入例
ペープサートを行う際のねらい
保育でペープサートを行うときのねらいは、主に以下のようなものがあります。- 子どもの想像力や発想力を育む
- 発達に応じた物語やゲームを楽しむ
- 集中力の成長を促す
ペープサートを行う際の声かけ
まずは、集中してペープサートを見られる環境を整えましょう。「これからお楽しみがはじまるよ。手はおひざにして見られるかな?」といった、楽しいことをするために落ち着けるよう声がけをします。また、ペープサートは最初の登場で子どもの興味を惹きつけます。ペープサートを出す前に、子どもが期待できるような声がけをすると盛り上がるでしょう。
ペープサートを行う際の導入例
ペープサートは、子どもの集中を惹きつけて行うことが大切です。そのため、ペープサートの内容に関連がある手遊びや歌を導入として取り入れるとよいでしょう。ペープサートはお話を鑑賞することが多いため、その前に手や体を座ったまま動かしたり、大きな声で歌ったりすると、子どもも事前に発散できて集中力が増す期待ができます。ペープサートの作り方
ここでは、ペープサートの作り方を紹介します。 簡単に作れるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。用意するもの
割り箸またはストロー画用紙(厚紙も可) /ダウンロードしたペープサート素材
のり
テープ
ハサミ
マジックやペン
ペープサートの作り方
- 画用紙を重ねて同じ形に2枚切る
- 切った紙の片面に絵を描くまたは印刷した絵を貼る
- 切った画用紙のうち1枚の裏側に、割り箸またはストローをテープで固定する
- 2枚の画用紙を絵が見えるようにのりで貼り合わせる
ペープサートの実演方法
ペープサートは、人形劇のように人が隠れる台がなくても実演できます。ただ、手に持たないペープサートをなるべく子どもに見えない場所に置いて置きたいので、机や箱があるとやりやすいですね。保育士一人で何役か担うことが多いので、声色をかえて変化をつけると子どももよりストーリーに引き込まれやすくなるでしょう。子どもたちに問いかけてやり取りする時間を設けるのも盛り上がるのでおすすめです。
保育士が複数人いたら、ピアノ係とペープサート係に分かれて演じると、より臨場感があるでしょう。
ペープサートに取り組む際の注意点
ペープサートは、子どもが物語に入り込んで見られるよう環境を整えることが大切です。ざわざわしていると集中しにくいので、まずは子どもの興味を集めて静かに見られるようにしましょう。子どもたちは、物語に使ったペープサートに愛着がわくことも。実演している最中はもちろん、実演中以外の時間もペープサートのキャラクターを大切に扱いましょう。また、大切なことを伝えて、割り箸やストローでの怪我予防のためにも、なるべく保育士だけが扱うよう子どもに伝えるといいですね。もちろん、ペープサートにタッチやなでる行為はできるので、実演中に触れ合う時間を設けても楽しめます。
ペープサートで挑戦したい作品
ペープサートは、物語やゲームのバリエーションが豊富に作れます。 数ある作品の中でも、特にペープサートで挑戦したいものをピックアップしました。 簡単に作って覚えられるテーマばかりなので、ぜひご覧ください。ようかいしりとり
日本に昔から伝わる妖怪の名前がしりとりになっている歌にのせてペープサートを行います。 知名度が高い楽曲なので、知っている子と一緒に歌いながら進めると盛り上がります。ペープサートはしりとりの順番で出せるよう、間違えないように練習してから子どもたちに披露してくださいね。
はたらくくるま
乗り物好きに大人気の歌「はたらくくるま」に合わせたペープサートは、子どもたちも大喜びです。 乗り物が走っているようなペープサートの動きをすると、子どももより興味を持つでしょう。
保育士が複数人いたら、はたらくくるまの曲中に出てくる合いの手を入れてもらうと、保育室全体が盛り上がって子どもたちもより楽しめます。
ひなまつり
3月は、ひなまつり製作をする機会が多いですよね。ペープサートは、製作の導入にぴったりなアイテムです。 童謡ひなまつりに合わせて登場人物を紹介すると、子どもたちも楽しく日本の伝統文化に触れられます。
3月3日まで、保育室にペープサートを飾っておくとひなまつりの雰囲気を味わえるのでおすすめです。割り箸やストローがついているので、子どもたちには見るだけとお約束をしておくとよいでしょう。
お正月・新年
新しい年になったことをクイズ形式で楽しめるペープサートがあります。子どもたちも、遊びながら風習を知れるので興味津々ですよ。
シルエットクイズで、お正月に準備するものを出題します。クイズのペープサートは、答えがほんの少しでも見えてしまうとおもしろさが半減します、必ず答え側の絵が先に見えてしまわないよう工夫しましょう。
ペープサートをしながら、なぜお正月に行うものなのか、子どもたちにお話すると文化に触れられますね、
七夕
園でよく行われる行事の1つが七夕。七夕の行事の説明にぴったりなのが、こちらのペープサート。織姫ってどんな人? 彦星って何をしてたの? どうして二人は一緒に過ごせないの? そんな子どもたちの疑問も解消できそうです。シルエットクイズとしても楽しめます。
ペープサートを使って子どもの興味を惹きつけよう
ペープサートの作り方や作品例を紹介しました。簡単に作れて保育に取り入れやすいペープサートは、動きと声の連動で絵本や紙芝居とは違った楽しみを味わえます。イチから作るより、無料でダウンロードできるペープサートを使えば、準備時間も短くていいですね。ぜひ、保育に取り入れてみてくださいね。
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