【Vol.2】「仏教保育と自然体験保育」奇跡のコラボ!子どもも大人も通いたくなる妙福寺保育園

妙福寺保育園の園舎
多様な保育園の姿をお伝えする取材シリーズ「ほいくのカタチ」。仏教保育を行う妙福寺保育園の第1弾では、その活動内容や理念についてご紹介しました。実は妙福寺保育園の魅力は自然遊びの中にもありました。園舎の裏にある林や、お寺の境内を存分に使った自然体験保育そのもの。子どもの五感を育てる環境に溢れていました。

自然の中で五感を育てる

東京都練馬区にある妙福寺保育園では、仏教の教えをもとにした保育を行っています。すべてのものに感謝の気持ちを、という理念を大切にした保育には園の魅力がたっぷりとつまり、落ち着いた優しい雰囲気の中で子どもたちは生活をしています。

実はそんな妙福寺保育園には、もうひとつの特長がありました。もともとある広い園庭の他にも子どもたちの絶好の遊び場となるところがあるのです。それが、裏にある林やお寺の境内。ここを活用した自然保育も、活動のひとつとして大切にされています。

今回は、私も実際にその場所で魅力を体感してきました。

遊びを創り出せる環境

林の中には、椅子のようになった木や、木の板を活用した積み木、本物の食器を使ったおままごとコーナーなどが見られますが、園舎のにぎやかさとは打って変わって静かで、どこか別世界にいるような雰囲気。

「この木に座って、みんなで音を聴きます。ひとりが『ちゅんちゅんって鳥の声がする!』と言えば、みんなでその声をもう一度聴く。そうすると、別の子が『ぴいぴいって声がした!』と。同じ鳥の声でも違った表現が見られたり、自然の中の音を楽しむことができます」(戸田園長)
また、林だけでなくお寺の境内もすべてが第二の園庭。季節によって色づく木の実や、触り心地が違う葉、都心ではなかなか目にする機会が減った虫など、さまざまなものが溢れていました。

でこぼこ道は最高の遊び場所

林の中にあったのは、自然のままになっている少しでこぼこした場所。戸田園長は、このでこぼこも子どもたちの成長には大切だと語ってくれました。

「最近は、きれいに整備された道で溢れているので、自然のままのでこぼこ道で遊ぶ機会も少ないですよね。確かに転んだりつまづくこともありますが、その体験こそが子どもたちの成長には欠かせません」(戸田園長)

出っ張ったものがあったら、足をあげて乗り越える。木の実や木の枝でグラグラしたら、うまくバランスをとって進む。そんな当たり前のことも、経験しなくては身につきませんよね。そんな要素が溢れている自然は、まさに子どもたちの成長を手助けするための最高の遊び場ですね。

葉っぱで手紙が届く!?

この日、園長先生は私におもしろい遊びを教えてくれました。必要なものは“タラヨウの葉”と“木の枝”だけ。さて、何ができるのでしょうか。
そうです、タラヨウの葉に木の枝で文字を描くと、くっきり色が出て手紙になるのです。なんと、住所を書いて切手を貼れば、郵便局からしっかり相手に届けていただけるそう。子どもたちと自然遊びをするのにぴったりですね。

ぜひ、タラヨウの葉を見つけて楽しんでみてくださいね。大きく、ツルツルした葉が特徴です!

子どもたちに、安心感のある場所を

仏教保育を行ううえで大切にしていることや自然保育の楽しさなどについて、3歳クラスの担任を務める河内先生にお聞きしました。
(写真:河内理恵先生 保育士歴5年)

妙福寺保育園で働こうと思ったきっかけは何ですか?

「就職のとき、ゼミの先生に『お寺の保育園は、仏教の教えで気持ちを大切にしているから、人を大切にしてくれるしいい教えがあるのではないか』というアドバイスをいただきました。その後3園ほど見学をした中で出会ったのが、妙福寺保育園です。園長先生含め先生方の温かみを感じて、ここに決めました」

入職前に知識などはありましたか?

「全くなかったです(笑)。でも、理念を見たり行事を経験して、『こういうのが仏教保育なんだ!なるほど!』と、割とすんなり受け入れていました。毎月“今月の四字熟語”があるのですが、そのねらいなども園長先生からしっかり説明をしていただけるので、自然に入ってきますね」

仏教保育園ならではの楽しみはありますか?

「ここでは裏にお寺があるので、毎週月曜日に本堂に全員で参拝に行きます。本当に近いから毎週できることでもありますし、なかなかない機会ですよね。そこに行くと、厳かな気持ちになれるんです。子どももすっと静かになるんですよ。先生たちは、子どもたちを守る存在であるけれど、さらにもっと大きなものに守られていると常に感じますね」

園には自然もたくさんありますが、自然保育の魅力はどこだと感じますか?

「例えば葉っぱ一枚でも匂いを嗅ぐ、色を見るなど、五感を使って遊べるので、身近にあるもので自然体験ができます。五感を使う機会が減ってきている今の時代、保育者がちょっと環境を与えてみることから始めるだけで、子どもたちは発達段階によってもさまざまな遊び方を見つけます。

“危ない”といって何でも止めてしまうのではなく、大人の目をしっかり持ちつついろいろなことを体験してほしいです」

保育者として大切にしていることはありますか?

「関わりひとつをとっても、先生たちのカラーがありますよね。保育には正解がないんです。子どもも大人も一人ひとり違う中で、子どもが安心できる場所をつくることを大切にしています。

また、主体性をとても大切にしていて、自然体験をする中でも普段の遊びの中でも、自分たちで主体的に遊びを作ってもらいます。大人は危なくないように見守りますが、声をかけすぎないようにしています」

妙福寺保育園の魅力を一言で表すと?

「仏教の教えと自然がたくさんある素敵な環境の中で保育ができること、です」

環境と人が創り出す安心できる場所

自然に囲まれた園舎、その環境を最大限に活用して遊ぶ子どもたち、それを支える先生たち。このようなつながりで出来上がった妙福寺保育園は、先生も子どももみんなが楽しそうに過ごしている様子が印象的でした。安心感の溢れるここは、“子どもも大人も通いたくなる”保育園でした。

>>【Vol.1】『柔軟だけど芯がある』仏教保育の核心に迫る!妙福寺保育園の理念と活動
>>今話題の「自然体験」を取り入れた保育って?
まゆか

この記事を書いた人

まゆか

「ほいくis/ほいくいず」専任ライター。とにかくよくしゃべる元保育士。絵本とジャニーズが生きがいです。
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