自然の中で五感を育てる
東京都練馬区にある妙福寺保育園では、仏教の教えをもとにした保育を行っています。すべてのものに感謝の気持ちを、という理念を大切にした保育には園の魅力がたっぷりとつまり、落ち着いた優しい雰囲気の中で子どもたちは生活をしています。実はそんな妙福寺保育園には、もうひとつの特長がありました。もともとある広い園庭の他にも子どもたちの絶好の遊び場となるところがあるのです。それが、裏にある林やお寺の境内。ここを活用した自然保育も、活動のひとつとして大切にされています。
今回は、私も実際にその場所で魅力を体感してきました。
遊びを創り出せる環境

「この木に座って、みんなで音を聴きます。ひとりが『ちゅんちゅんって鳥の声がする!』と言えば、みんなでその声をもう一度聴く。そうすると、別の子が『ぴいぴいって声がした!』と。同じ鳥の声でも違った表現が見られたり、自然の中の音を楽しむことができます」(戸田園長)

でこぼこ道は最高の遊び場所

「最近は、きれいに整備された道で溢れているので、自然のままのでこぼこ道で遊ぶ機会も少ないですよね。確かに転んだりつまづくこともありますが、その体験こそが子どもたちの成長には欠かせません」(戸田園長)
出っ張ったものがあったら、足をあげて乗り越える。木の実や木の枝でグラグラしたら、うまくバランスをとって進む。そんな当たり前のことも、経験しなくては身につきませんよね。そんな要素が溢れている自然は、まさに子どもたちの成長を手助けするための最高の遊び場ですね。
葉っぱで手紙が届く!?
この日、園長先生は私におもしろい遊びを教えてくれました。必要なものは“タラヨウの葉”と“木の枝”だけ。さて、何ができるのでしょうか。
ぜひ、タラヨウの葉を見つけて楽しんでみてくださいね。大きく、ツルツルした葉が特徴です!
子どもたちに、安心感のある場所を
仏教保育を行ううえで大切にしていることや自然保育の楽しさなどについて、3歳クラスの担任を務める河内先生にお聞きしました。
妙福寺保育園で働こうと思ったきっかけは何ですか?
「就職のとき、ゼミの先生に『お寺の保育園は、仏教の教えで気持ちを大切にしているから、人を大切にしてくれるしいい教えがあるのではないか』というアドバイスをいただきました。その後3園ほど見学をした中で出会ったのが、妙福寺保育園です。園長先生含め先生方の温かみを感じて、ここに決めました」入職前に知識などはありましたか?
「全くなかったです(笑)。でも、理念を見たり行事を経験して、『こういうのが仏教保育なんだ!なるほど!』と、割とすんなり受け入れていました。毎月“今月の四字熟語”があるのですが、そのねらいなども園長先生からしっかり説明をしていただけるので、自然に入ってきますね」仏教保育園ならではの楽しみはありますか?
「ここでは裏にお寺があるので、毎週月曜日に本堂に全員で参拝に行きます。本当に近いから毎週できることでもありますし、なかなかない機会ですよね。そこに行くと、厳かな気持ちになれるんです。子どももすっと静かになるんですよ。先生たちは、子どもたちを守る存在であるけれど、さらにもっと大きなものに守られていると常に感じますね」園には自然もたくさんありますが、自然保育の魅力はどこだと感じますか?
「例えば葉っぱ一枚でも匂いを嗅ぐ、色を見るなど、五感を使って遊べるので、身近にあるもので自然体験ができます。五感を使う機会が減ってきている今の時代、保育者がちょっと環境を与えてみることから始めるだけで、子どもたちは発達段階によってもさまざまな遊び方を見つけます。“危ない”といって何でも止めてしまうのではなく、大人の目をしっかり持ちつついろいろなことを体験してほしいです」
保育者として大切にしていることはありますか?

また、主体性をとても大切にしていて、自然体験をする中でも普段の遊びの中でも、自分たちで主体的に遊びを作ってもらいます。大人は危なくないように見守りますが、声をかけすぎないようにしています」
妙福寺保育園の魅力を一言で表すと?

環境と人が創り出す安心できる場所
自然に囲まれた園舎、その環境を最大限に活用して遊ぶ子どもたち、それを支える先生たち。このようなつながりで出来上がった妙福寺保育園は、先生も子どももみんなが楽しそうに過ごしている様子が印象的でした。安心感の溢れるここは、“子どもも大人も通いたくなる”保育園でした。【関連記事】