指導計画の種類
保育園は、「子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」ために、子どもの発達過程を踏まえて計画を作成する必要があります。また、保育所保育指針では、「保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。」としています。
まずは、長期計画と短期計画にはなにが含まれているのか確認しておくことが出発点となります。
長期指導計画
- 年間指導計画:4月から翌3月までの1年間の生活を見通して立てる
- 月案(月間指導計画):年間計画をもとに、さらに具体化して1か月の生活を見通して立てる
短期指導計画
- 週案:1週間の子どもの生活を見通して立てる
- 日案:1日の子どもの生活を見通して立てる
ねらいと内容を把握する
指導計画を作成していると、まず目にするのが「ねらい」と「内容」です。この項目、「なにを書けばいいのか毎回悩む」「そもそも、ねらいと内容ってなんだっけ…」と、躓いてしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、ここを理解することこそが、指導計画を作成する第一歩と言えます。まずはそれぞれ確認していきましょう。ねらいとは

乳児であれば生活リズムを育てることや、体を動かすこと、幼児であれば生活習慣を身に着けることなど、年齢によっても異なります。もし理解が難しいなと感じる人は、「子どもたちにどのように育ってほしいのか」と置き換えて考えると書きやすいですよ。
内容とは
内容とは、上に挙げたねらいを達成するために子どもたちの生活状況に応じて保育士が行うことです。また、子どもたちが保育士の援助を得て、環境に関わっていく経験も含まれます。指導計画のフォーマットは、園や運営主体ごとに独自のものが用意されていることもありますが、ねらいと内容は基本的にどの指導計画でも項目があります。また、指導計画を作成するときに基礎となるべき情報なので、混乱しないように整理しておくようにしましょう。
指導計画作成のポイント
いよいよ指導計画を作成するという際に気を付けておきたいポイントがいくつかあります。書き始める前にチェックしましょう。一人ひとりの発達を考慮する
子ども一人ひとりの成長スピードや発達段階は異なります。保育士はそのことを考慮して指導計画を作成する必要があります。保育所保育指針では、3歳未満児については心身の発達などに即して、個別の計画を作成するとしています。この時期は、成長スピードの差が特に現れやすいので、一人ひとりの特性をしっかり把握することが大切です。
また、3歳以上児については、個の成長はもちろん、他者との関係にも配慮することが求められています。そういった視点を意識して考えるようにしましょう。
主体性を大切にする

計画にとらわれすぎない
子どもたちの姿や生活、活動、取り巻く環境は日々変化していきます。そのことを踏まえ、計画には見直しや改善も大切です。一度立てた計画にとらわれすぎないよう、子どもたちの姿に合わせて柔軟な援助を行いましょう。ポイントを把握して計画を立てよう
指導計画は、それぞれの項目を理解していないとより難しく感じてしまいます。まずはねらいや内容などの項目の理解を深めるところから取り掛かってみましょう。また、一番大切なことは目の前の子どもたちの姿を反映させることです。生活の様子や発達段階をしっかり見て、子どもたちに合った計画を立てましょう。【関連記事】