今月のポイント
2歳児クラスになると、だんだんと園生活の流れやリズムが身に着いて、素早く環境に適応できる子も増えてきます。新入園児や環境の変化が苦手な子にはゆっくりと関わり、新しい環境に慣れていけるようにしましょう。他児との関わりも増えてくるので、保育者が仲介しながらコミュニケーションの機会を増やしていけるといいですね。この時期ならではの、春らしい自然遊びや製作を楽しんでみてください。ねらい
- 新しい環境に慣れ、信頼できる保育者のもとで安心して過ごす。
- 排せつ、手洗い、着替えなどの生活習慣を身に着ける。
- 保育者や他児に自分の気持ちを伝えようとする。
- 生活の中で必要な簡単なルールやマナーを知る。
- 好きな遊びやおもちゃを見つけ、じっくり遊びこむ。
- 戸外活動を通し、春の自然を楽しむ。
- 語彙が増え、保育者との会話を楽しむ。
- 自由な表現で春の製作を楽しむ。
内容
- 保育者との信頼関係を築きながら、新しい保育室や生活の流れに慣れていく。(健康)
- 絵本やイラストで排せつや手洗い・うがいのやり方を学び、保育者と一緒に実践していく。(健康)
- 「一緒にやろう」「貸して」と他児に声をかけたり、「ボールやりたい」「ままごとしよ」と自分の気持ちを保育者に伝えたりしながら、やりたい遊びを楽しむ。(人間関係・言葉)
- 挨拶をすることや順番待ちをすることなど、集団生活をする中で必要なルールやマナーを知り、保育者と共に実践していく。(人間関係)
- コーナー設定された玩具の中から自分で好きなもの選び、さまざまな遊び方を見つけて楽しむ。(環境)
- 虫や花に興味を持ち、触ろうとしたり観察をしたりする。(環境)
- 家であったことや自分が体験したことを、保育者に言葉で伝えようとする。(言葉)
- ポンポンスタンプを使って画用紙に絵の具をつけ、タンポポを表現した製作を行う。(表現)
- 健康(心身の健康に関する領域)
- 人間関係(人とのかかわりに関する領域)
- 環境(身近な環境とのかかわりに関する領域)
- 言葉(言葉の獲得に関する領域)
- 表現(感性と表現に関する領域)
環境構成
- 子どもたちが安心して過ごせるよう、時間に余裕を持って生活をする。
- トイレや手洗いなどの生活習慣に関する絵本を用意し、興味が湧くようにする。
- 保育者は、子どもたちが自分の気持ちを表現しやすいよう、話に耳を傾け受け止める。
- ルールやマナーが目で見て分かりやすいように、絵本やイラストカードを使う。
- ままごと、ブロックなど、好きな遊びを見つけられるようにコーナー設定をする。
- 戸外活動での行動範囲が広がるため、散歩の場所や歩く道の安全確認を改めて行う。
- 子どもがなかなか言葉が出てこないときは、「〇〇かな?」「どんなことをしたの?」と質問をしながら引き出していく。
- ガーゼと大きさの違うスポンジ、絵の具を用意する。
予測される子どもの姿
- 持ち上がりの在園児はすぐに環境に慣れて遊ぶ姿が見られる一方で、新入園児はなかなか慣れずに午睡ができなかったり泣いたりすることがある。
- トイレや手洗いなどを嫌がる子どもがいる。
- まだうまく言葉が出ずに、子ども同士のトラブルが起きたり、伝わらずに泣くことがある。
- 絵本やイラストカードに描かれたことを理解して、保育者の真似をしてやってみようとする。
- さまざまなコーナーを試す中で自分のお気に入りを見つけて遊ぶ。
- 自然を見つけて触ろうとしたり、保育者に「これはなに?」と質問する。
- ゆっくりではあるが自分の言葉で話をして、保育者との会話を楽しむ。
- 製作では、スタンプをきれいに規則正しく押す子もいれば、いろいろな場所に押す子もいる。
家庭や地域との連携
- 子どもたちが自分でできることが増えてくるので、保護者と協力して見守っていけるようコミュニケーションをとる。
- 体調を崩しやすい時期でもあるので、朝の体調確認をしっかり行う。
健康や安全
- 季節の変わり目で体調を崩しやすく感染症も流行しているため、手洗いうがいを徹底する。
- 活動範囲が広がるため、保育室や園庭、公園などの安全確認を怠らないようにする。
食育
- 給食に使用されている食材などについて食事前に話をし、子どもたちの興味を引き出す。
- 食事の前に手を洗う習慣をつける。
- 食具について話をし、正しい持ち方や使い方について学ぶ機会を作る。
今月の行事
- 入園式
- 身体測定
- 避難訓練
- お誕生日会
今月の歌・手遊び・体操
歌
- チューリップ
- おはながわらった
- あなたのおなまえは
- むすんでひらいて
- おはなし
手遊び
- あたまかたひざぽん
- まあるいたまご
- はるですね、はるですよ
- おべんとうばこのうた
体操
- ぞうきん体操
- からだ☆ダンダン
- ぴよピヨ行進曲
今月のおすすめ絵本
- ふうとはなとたんぽぽ
- はるかぜさんぽ
- だるまさんがシリーズ
- しましまぐるぐる
自己評価
新しい環境で、体調を崩したり不安定になったりしやすい4月は、「子どもたち一人ひとりの生活リズムを大切に寄り添って保育ができたかどうか?」を振り返ってみましょう。保育者との信頼関係を築くのも大切な一歩。まずはのびのびと気持ちよく過ごせる環境設定に取り組んでみてください。春の自然を使ったあそびを取り入れながら自然に触れることも、季節の活動としてできていると良いですね。ダウンロード
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まとめ
参考文例をお届けしましたが、あくまで指導計画は自分の言葉で作ることが大切です。一つひとつの事例を参考にしながら、少しずつ自分の考えを入れていくよう工夫しましょう。【関連記事】
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