保育の環境構成とは
「環境構成」とは、保育士が活動の前に準備する保育環境のことです。子どもの発達を促す上で重要なポイントとなる「環境」について、保育所保育指針では以下のように書かれています。第1章 総則 1 保育所保育に関する基本原則 (4)保育の環境 保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。 |
子どもを取り巻く環境は「人・物・場」に分けられます。具体的に挙げると次のようになります。
- 人…友だち・保育士・その他職員・地域の人など
- 物…玩具・遊具・道具・素材・家具など
- 場…保育室・ホール・給食室・園庭・地域など
配慮するポイント
環境構成を考える上で配慮するポイントを、保育所保育指針と照らし合わせながら解説します。子どもの主体性
子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。 |
安全と安心
子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること。 |
時間と空間
保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること。 |
人との関わり
子どもが人と関わる力を育てていくため、子ども自らが周囲の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整えること。 |
環境構成の書き方
事前に保育の展開を想像し、適切な環境を準備するために指導案を作成します。ここからは、指導案の中で環境構成を作成する手順を説明します。
配置図を書く
環境構成を行う際は、配置図を書くことで活動の流れや子どもの動きをイメージしやすくなります。①活動する場所
保育室・ホール・園庭など、活動の場所を明確にします。どの位置から見た配置図なのかわかるように、目印になる物を書きます。
- 保育室の場合 →扉やトイレなど
- 園庭の場合 →園舎や大型遊具など
活動する場所に置く机や椅子、棚など物的環境の配置を書き入れます。製作を行う場合は素材や道具の位置を明確にするなど、活動に応じた物的環境を設定します。
③保育士の配置
子どもの安全を守り、適切な援助が行える場所に保育士を配置します。複数担任の場合は、それぞれの役割を明確にした上で、立ち位置を考える必要があります。
箇条書きにする
環境構成を行う上で、配慮するポイントを箇条書きにしましょう。以下に例を挙げます。【製作を行う場合の環境構成】
- 素材や道具を子どもが手に取れる場所に配置する
- はさみは使い終わったら片付けられるよう、所定の場所にカゴを置いておく
- 個々のペースで取り組めるよう、製作と別の遊びの空間を分ける
- 友だちとやりとりをしながら取り組めるよう、椅子は向かい合わせに配置する
保育環境を整えよう
子どもが主体的な活動を行うために、環境構成は欠かせません。子どもの興味や関心は次々と変化していきます。保育士は子どもの発達や様子に合わせて、環境を再構成していきたいですね。指導案の「環境構成」を作成する際には、参考にしてみてくださいね。【関連記事】