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苦手な人はどのくらいいる?現役保育士に聞いた保育園のピアノ事情【アンケート結果】

ピアノを弾く保育士と歌う子どもたち
保育現場では必ずと言っていいほどあるピアノ演奏の機会。保育士さんは弾きながら歌う場面も多く、入職試験にピアノ演奏を設けている園もあります。今回は、現役保育士さんに実施したアンケート結果から、ピアノ演奏についての考えや実際に園で弾いている頻度、さらにはピアノにまつわる驚きのエピソードまでご紹介します。

保育士はピアノが必須?

「保育士=ピアノが弾ける」なんとなくこのようなイメージを持たれがちな保育士さん。実際に「ピアノが弾けないといけない」と感じながら、保育士を目指した方も多いのではないでしょうか。

保育学校や入職の際にピアノの試験があったり、保育士になってからも朝の会や行事で弾く場面があったりと、保育士とピアノを切り離して考えることは難しいようです。

一方で、「実はピアノが苦手」という現役保育士さんや、「弾けないけれど保育士になれるのか?」と不安を抱えている保育学生さんは多いようです。自分だけ弾けなかったらどうしよう、そもそも保育士になれないんじゃないか…とドキドキですよね。

今回は、現役保育士さんを対象に、インターネット上で実施したアンケートをもとに、「実際に園ではどのくらいピアノを弾く機会があるのか」「弾けなくてはいけないのか」「保育士にピアノは必須なのか」など、さまざまなピアノに関する声をまとめました。

ピアノを弾く機会はどのくらい?

まず気になるのは、どのくらいピアノを弾く機会があるのかということですよね。【園でピアノを弾く機会はどれくらいありますか】という質問の回答を見てみましょう。

ここはやっぱり、「毎日」という答えがダントツかと思われましたが、意外な結果に。1位は「毎日」が42.3%であったものの、「月に数回」(21.2%)や「弾かなくても良い」(21.2%)という回答も多く見られました。
ピアノを弾く機会のデータ

【ピアノを弾く機会はどれくらいありますか】
毎日 42.3%
月に数回 21.2%
弾かなくてもいい 21.2%
週に2~3回程度 11.5%
行事のときのみ 3.8%
 ※ほいくisユーザーの保育士に実施したアンケート(インターネットによる調査/期間2020年12月~2021年1月)より。

日々の朝の会・帰りの会などで弾く場面はありながらも、必須ではないという園も思ったより多くありそうです。

保育士はピアノが得意?

「ピアノが苦手でも保育士になれるの?」。保育士を目指している方の中には、そんな不安を抱えている方も多いはず。【あなたはピアノが得意ですか?】という質問に対するアンケート結果を見てみると…
ピアノが得意かどうかのデータ

【あなたはピアノが得意ですか?】
苦手だが練習すれば弾ける 37.7%
得意ではないが練習すれば弾ける 28.3%
得意 17.0%
苦手(弾けない) 17.0%
※ほいくisユーザーの保育士に実施したアンケート(インターネットによる調査/期間2020年12月~2021年1月)より。

なんと「苦手(弾けない)」(17.0%)、「苦手だが練習すれば弾ける」(37.7%)と、苦手と答えた方の割合が半数以上になりました。もちろん弾けて損はないですが、弾けなくても素敵な保育士さんとして働いている方はたくさんいることが分かりますね。

保育士こそピアノは弾けるべきか?

ここで、現役の保育士さんたちの本音を聞いてみました。【保育士はピアノが弾けなくてはいけないと思いますか?】
ピアノを弾くべきだと感じるかについてのデータ
【保育士はピアノが弾けなくてはいけないと思いますか?】
弾けると良いが、必須ではないと思う 81.1%
必要な場面だけ弾ければ良いと思う 11.3%
保育士は弾くべきだと思う 5.7%
弾かなくても良いと思う 1.9%
※ほいくisユーザーの保育士に実施したアンケート(インターネットによる調査/期間2020年12月~2021年1月)より。

8割以上が「弾けると良いが、必須ではないと思う」との回答でした。どうしても弾く場面は多いので、弾けるに越したことはありませんよね。とはいえ苦手なものは仕方ありません。他の先生方にも苦手だと伝え、理解してもらったり協力してもらうことも大切ですね。



 

現役保育士のピアノにまつわるリアル体験談

ピアノの鍵盤
ピアノが苦手、得意ではないという保育士さんたちに、実際にあった失敗談やエピソードを聞いてみました。

先輩からの一言に…

「慣れない頃にピアノなしで歌っていたら、先輩に呼び出されて怒られました

「家では弾けても子どもの前では緊張してうまく弾けず、一度間違えるとパニックに。結果ボロボロになって子どもも歌えないというドツボにハマり、『ダメだこりゃ』と先輩保育士に言われました」

「新卒の頃、『絶対に譜面通りに弾かなくてはいけない』と言われました」

「新卒1年目、ベテランの先生に知らない曲を無茶ぶりされて『弾けません』と伝えると、『あ、そう』と言われてしまい、悔しい想いをしました」

「『入職してひと月以内に全曲弾けないと失格だから』と主任に言われ、泣きながら勤務時間外に練習しました…

先輩からの一言はダメージが大きいですよね。苦手だとなおさら得意な先輩に叱られるのではないか…と不安を抱えてしまいそうです。得意な人も苦手な人もいるということをお互いが理解して、助け合えると良いですね。

発表会は難易度高め!

「1年目の発表会は、ピアノに必死で子どもの姿が見られなかったです」

「発表会のオペレッタの曲がどうしてもうまく弾けず、本番は先輩にお願いすることになりました。練習はしたものの、間に合わなかったことが心残りです」

「発表会の伴奏を任され、練習をしてなんとか弾けるようになりましたが、間違えてしまう箇所があったので、本番はCDを流して歌うことになりました。苦手ながらも頑張って弾けるようになった努力を評価してもらいたかったです」

やっぱり発表会は、曲も難しかったり長かったりするので、苦手な先生にとっては難易度が高いようです。せっかくの子どもたちの頑張る姿を見られないのは残念ですよね…。ここは得意な先生に助けてもらう、とにかく練習をして慣れるなどで乗り切ることになりそうです。

こんな体験談も!

「ピアノが下手と子どもに笑われて、悔しくて猛練習をしました」

「朝の会でピアノを弾くように主任から言われ、先輩と交代で弾くことになりました。しかし若手が弾くという雰囲気が強く、ピアノが苦手な先輩はどれだけ手が空いていても弾いてくれることはなく、毎日朝の会が苦痛でした」

子どもたちの一言でやる気に火がついた⁉ それをきっかけに猛練習をする姿勢が素敵ですよね。

園によっては若手が弾く、という雰囲気のところもあるようです。なかなか先輩に「弾いてください!」とは言いづらいですよね…。ぜひ園全体で支え合っていくスタイルが定着することを願います。

怖い一言だけじゃない!やさしい先輩の声に…

「1年目の初めての誕生日会で暗譜したものの、本番は緊張でとんでしまいまったく弾けず。でも先輩は『最初はそうなるよね、私もそうだったよ』とフォローしてくれました」

「『保育士はピアニストではないから、子どもたちの歌がないところだけ弾ければ良いんだよ。その他のところは子どもたちの声で何とでもなる!』と励ましていただき、気持ちが軽くなりました」

「『ピアノがとまっても失敗してもいいから、笑顔で楽しく子どもたちと歌えれば大丈夫!』と言っていただきました」

先輩からのやさしい一言に救われた先生も多いようです。自分の姿と重ねてアドバイスをしてくれたり、大切なことは上手に弾くことだけではないと教えてくれたりと、気持ちが軽くなりますね。

苦手な人はどうしている?練習のコツ

楽譜
できれば弾きたくない、でもどうしても弾かなくてはいけないときがくる。それが保育士ですよね。では「ピアノが苦手だ」「得意ではない」と答えてくれた現役保育士さんたちは、どのようにピアノと向き合っているのでしょうか。

自分に合わせて簡単に

「コードで簡単に弾く」

「難しい曲のときは主旋律を頑張って、あとは和音にして簡単にアレンジします」

「最初は右手のメロディーだけでも弾くようにして、慣れたら簡単に伴奏を入れています。少しでもピアノに触れるようにしています」

簡単にしてしまう、コードで弾くようにしている、という声はとても多かったです。難しい楽譜で一生懸命になって、子どもたちの様子に目がいかなくなってしまっては良くないので、自分に合わせた楽譜選びやアレンジは良い案ですね。

他の先生に相談

ピアノが苦手だということを園長や先輩に伝えて、相談をすることもあります。行事のときなどはきちんと練習して弾いていますが、ピアノが得意な先生に助けていただくことも」

「ピアノが得意な先生に、簡単な伴奏にアレンジしてもらいます」

「違うところで自分の得意なことを見つけてやって全員で支え合っていけば良い、という施設長の言葉を聞いて就職を決めました。施設長や他の先生の理解があるかも重要だと思います」

やっぱり周囲の理解と協力は大切です。思い切って苦手なことを公言して、得意な先生たちの力を借りてみてはいかがでしょうか。完全に頼り切るのではなく、自分ができる範囲までは精一杯頑張った姿が見えれば、きっと手を貸してくれるはず。

こんな方法も!

「左手は無視! とりあえずメロディーを弾きます」

「発表会の曲など、難易度が高いときはワンデイレッスンをしてくれるピアノ教室に通ったり、弾ける先生に教わって練習をします」

「朝のうた、帰りのうた、季節のうたなどは弾けるようにしています」

「失敗しても楽しく笑顔で歌えればオールオッケーだと思っています!」

レッスンに通う、最低限必要な曲だけは弾けるようにしているなどの声もありました。弾けるに越したことはないかもしれませんが、何より楽しく元気に子どもたちと音を楽しむことを忘れないでくださいね。

できることからチャレンジを

保育士にピアノは必須だというイメージはあるものの、実際には苦手な先生も多くいます。園によっても弾く頻度やピアノに対する考え方は異なるので、心配な方は就職の際に確認したり、他の先生に相談をしてみましょう。片手で弾く、簡単な楽譜を探すなど、自分ができる範囲でチャレンジできると良いですね。
 
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ほいくis(ほいくいず)編集部

この記事を書いた人

ほいくis(ほいくいず)編集部

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