保護者からよくある質問
保護者の方からこの様な質問を問いかけられたことはありませんか?- ちゃんと座れていますか?
- お友だちと遊べていますか?
- みんなと一緒に行動できていますか?
- 分からないことを聞くことが出来ていますか?
これらの質問の共通点は全て「○○ができているかどうか」という、できるかできないかという、ふり幅の大きな質問になります。もし、実際に座れている、お友達と遊ぶ様子が見られるのであれば「○○ちゃんとよくおままごとをして遊んでいますよ」という回答が思い浮かぶと思いますが、もしそうでなかったらどのように答えたら良いのでしょうか?
このような質問がでる時には多くの場合、保護者の方がお子さんの発達を気にかけていて心配であることから問いかけてくることが考えられます。
回答のポイント
では、どのように答えれば良いのでしょうか?人間同士のコミュニケーションですので答えはありませんが、私がおすすめする回答は以下のポイントに気を付けてお伝えすることだと考えています。
他児との比較ではなく、その子自身の以前と今での成長を伝える
例えば「以前は、座り続けることが難しい時が多かったのですが、今は粘土や製作など目の前にやるべきことがあると着席し続けることができるようになりました。すごい成長ですね」というように、誰かを基準にすることで結果を求めたくなる視点から我が子の成長に目が向くように返答する。
ゴールと今の位置を伝える
「製作活動で分からないことがあると、質問することは難しくても先生の顔を見て視線で助けを求めてくれます。今度は先生って呼んでねと伝えていると、手招きをしてくれるようになり、一歩ずつ前進をしているのがよくわかります。質問してくれることがゴールだとするならば、一歩ずつそこに向けて着実に成長しているのがよくわかりますね。」というように、子どもの発達には飛び級はなく、着実に一歩ずつ進んでいるという遠い先の事ではなく、今目の前の小さな成長に気づいてもらえるようお話しするといいでしょう
大切なのは、何かができるようになるには、突然変化するのではなく、一歩ずつ小さな階段を登っている段階があるということを丁寧に説明する必要があります。また、その際には、毎日の生活の一部分だけを切り取り、出来なこと、苦手なことを嘆くよりも、広い視点でできることや得意なことは何だろうという肯定的な注目をおくることを忘れないことです。
井上さんからアドバイス
今回は、保護者支援についての内容としてでしたが、これは保護者と先生の間だけでなく、先生同士の間でもぜひ行って欲しいことだと思っています。学年が変わる引継ぎのとき、休暇明けの先生に前日の様子を知らせるときなど様々な場面でぜひ使ってほしい、子どもへの視点と、相手につたえるコミュニケーション術だと思います。井上さんに直接聞いてみたい発達支援のお悩み募集中
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