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自閉スペクトラムの子の困った行動について |発達支援のお悩み相談室

自閉スペクトラムの子の困った行動について |発達支援のお悩み相談室
「発達支援の現場から」のコラムで好評の児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士である井上さんが、今回は自閉スペクトラムの子の困った行動についてのご相談に回答します。

今回のお悩み:自閉スペクトラムの子の困った行動にどう対処するか

はなちゃんさん(乳児リーダー 8年)からのご相談   

乳児組で意思の疎通の難しい自閉スペクトラムの子を担任しているのですが、高いところに登る特性があり、最近ロッカーや電子ピアノの上にのぼり飛び降りるようになってしまいました。

他児が下にいてもお構いなしなので事故が起こらないかとヒヤヒヤです。専用の設備もないので登っていい場所を作ってあげるのも難しく、また別のグレーの子が真似しようとしてしまうのも困っています。 

更に、洋服を全て(オムツまで)脱いでしまうようになってしまいました。何度も何度も繰り返し脱ぎます。担任を見て構って欲しい時にやっているようにも見えます。 

いままでに経験したことがないタイプの子でどのように対応していったら良いのかと悩んでおります。
アドバイスをいただけるとありがたいです。 



専門家からはなちゃんさんへの回答 

ご質問ありがとうございます。 

園生活の中で、高いところに登る、周囲の様子は関係なくそこから飛び降りてしまう。危険が伴う行動ですぐにでも対応が必要ですね。 

困った行動には理由がある 

まずは高いところになぜ登るのかという行動の理由を考えてみましょう。 

耳の中にあるセンサーで感じる前庭感覚はバランスやスピード、回転等の感覚刺激と大きな関係性があるのですが、この感覚に鈍磨さをもっていると高いところに登りたいという行動も表出されることがあります。 

感覚は生理的現象(トイレ、睡眠、食欲等)と同レベルといわれているので我慢させることは出来ません。しかし、今回のご質問のように自分もしくは周囲に危険がある場合には容認することは出来ません。 

もし、この行動が感覚を欲する理由であるならば、代わりの感覚を提供し高いところに登らずとも本人の欲する感覚を得られる環境を整えると良いと思います。

例えば、同じ前庭感覚の遊びでいうとくるくるチャイムやクーゲルバーン、オイルタイマーのような上から下に何かが落ちていく様子が見える玩具、その他に、感覚あそびとしてスライムや粘土、シールはがしやシャボン玉など もありますね。


自分の身体を大きく動かさなくても、感覚が得られる遊びを提供してみるとよいでしょう。 

担任の先生を見て、繰り返し洋服を脱ぐという行動に関してですが、この行動は先生も少しお気づきかもしれませんが、大人に対して発信している行動のように見えます。 

必要なのは遊びの充実 

このお子さんの好きな遊びは何でしょうか? また、好きな遊びはたくさんありますか? その遊びは発展していくことができますか? 

このお子さんはおそらく、充実した遊びがあまりないのでは?

ご相談の内容を見る限り、物で遊べず人の反応で遊んでいるという様子に感じられます。まずは、このお子さんが先生の存在を忘れてしまうくらいに好きな遊びを見つけることです。遊びが少ないお子さんだとしたら、数少ない遊べている場面を観察し、何が楽しいと感じ、何なら夢中で遊ぶことができるのかを見つけ出し、1の遊びから拡げていくのが良いでしょう。 

例えば、公園や園庭や砂場で泥遊びしかしていないというのであれば、室内でも様々な室内遊びを設定するとよいでしょう。スライム、粘土、スライムの色混ぜ、粘土で宝探し、粘土にカットストローさし等などがおすすめです。 

大切なのは、これしか出来ないという視点ではなく、これが出来るならこれも出来るかな?と一つの遊びを拡げていく視点です。 

井上さんからアドバイス 

子どもの行動の中に必ず答えのヒントがあるはずです。子どもの行動が困る行動であるほど、マイナスな面ばかりが目につき、落ち着いている行動の時には保育者の視点はプラスマイナスゼロという感覚になりますが、落ち着いている=充実している時間にこそ、問題行動の謎を紐解くヒントがたくさんあります

まずは子どもの行動をよく観察し、遊びの充実にエネルギーを注いでみてください 。応援しています。 


井上さんに直接聞いてみたい発達支援のお悩み募集中

普段の保育で感じている発達支援のお悩み、井上さんに質問してみませんか? このコラムも実際に寄せられた質問にお答えしています。ほいくisでは、保育者のみなさんが抱える発達支援のお悩みを募集し、児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士として自治体とともに現場の保育士さんと一緒に発達支援を考える井上さんに回答いただく企画が好評です。

あたたかい目線でいつも保育者に寄り添う井上さんのコラムは、現場の保育者の方からも非常に好評です。ぜひみなさんが感じていること、相談したいことがありましたら以下のバナーをクリックして相談を教えてください。
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井上綾乃(いのうえ あやの)

この記事を書いた人

井上綾乃(いのうえ あやの)

合同会社シャインキッズ 代表
管理者兼児童発達支援管理責任者/保育士/発達支援専門士

発達支援センターでの実践や短大非常勤講師の経験を積み、自ら法人を立ち上げ、児童発達支援管理責任者(保育士と)して療育の現場で活動中。子どもをプログラムに合わせるのではなく、子どもに合わせた療育プログラムを行いながら、「楽しい」と感じる事で発達する支援を実践。現在では自治体の保育園巡回相談、保育ゼミ講師、依頼を受けての保育園、幼稚園研修講師等人材育成も行っている。

<シャインキッズホームページ>
https://shine-kids.com/

<遊んで発達 シャインキッズ井上チャンネル>
http://www.youtube.com/@user-nt6dp8ji5c/

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