「大人の意識次第で子どもの遊びが広がるんだなと感じました」
その日の公園での活動は、道の脇に落ちていた小さな赤い実を見つけたり、細い木の枝をたくさん集めたり、小川に落ち葉を流したり、水の中に落ちていた小さな貝殻を拾い集めたり…、子どもたちそれぞれの姿が見られました。
その一つひとつには「〇〇遊び」という名前はついておらず、それら全てが子どもたちの自然への気づきでした。子どもたちにとっては「遊んでいる」という意識はないけれど、“楽しい”という感覚だったと思います。
そして保育者にとっては、子ども自身でそれぞれが遊びを見つけて、遊び込む姿に驚いているような様子でした。
この保育者の気づきは、自身の心のあり方の変化だと思います。この気づきはとても大きい気づきなのです。
私も昔は、みんなで何かをやっていることが遊びだと思っていたり、元気に“楽しそう”に遊んでいないと、楽しんでいないと判断したりしていました。
ところが自然の中では、ドングリ拾いに夢中になっていたり、ニョロニョロうごめいている虫を「うへぇ〜」と言いながらも、ずっと座り込んで棒でつついたりしている時の子どもの表情は無表情だったり嫌そうな顔の時もあります。でも確実に、心の中でじわじわと愉しんでいる様子が窺えます。
そんな時、保育者がそれをどう捉えるか?というのは、保育者自身の「マインドセット」が大きく関係しています。
「マインドセット」とは、心のあり方や心の持ちようのこと、と私は理解しています。保育者自身がどんな思い込みをもち、どんなことに気を取られやすいか。
そのことが“今”目の前の子どもたちを見る時のフィルターになります。
もう一つ、「マインドフルネス」という言葉がありますが、こちらは“今ここ”に意識を向ける…ということです。
私は自然の中にいて心地よいなぁと感じる時、その瞬間、自然を全身で感じているような感覚になります。きっとそれが「マインドフルネス」の状態なのだと思います。
こんな風に、私たちの“マインド”は大きく保育に関わって来ます。
自然の中で子どもと過ごす時、大人自身の「マインドセット」に気づくと、そこにある自然と目の前の子どものそのままを感じ取ることができ、「マインドフルネス」の状態になるのではないでしょうか。
【関連記事↓】