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保育で関わり方に迷ったときは?「独自のあり方」で子どもと関わる

自然の中で遊ぶ子どもたちと保育士
自然の中での保育を専門にしている野村直子さんによる「子ども」と「自然」をテーマにした連載をお届けします。>>連載の記事一覧はこちら

いつもの保育に、迷いや不安はありますか?

先日、“保育士等のキャリアアップ研修”で乳児保育についての講習を行いました。

いつも私は、「講習に期待すること」と「困っていること」を講習の始めに書いてもらいます。

今回その中で多かったのは、自分の関わりはこれでよかったのだろうか(これで良いのだろうか)と迷うという内容です。

他の園でもこうした相談を受けることが多くあります。

保育中の子どもとの関わりは、一瞬一瞬、一人ひとりの特質・状況・状態などによっても対応が変わってきます。

だからこそ難しいと、みなさん感じるのでしょう。こうして自分の保育を振り返れば振り返るほど「あれでよかったのかな?」と、不安になる方もいるかもしれません。

しかし私は、それで良いのだと思います。迷いがなく、私がこう思うからこうだ!と言い切ってしまう保育の方が危うく感じます。

保育で"迷い”を感じたエピソード

以前、外遊びがメインの保育室を始めた頃、迷いがありました。

「無菌状態で育った5〜6か月の子ども達にいきなり土の上に座らせ、土に触れさせても大丈夫なのだろうか?」と思ったものです。

そして、その答えは子ども達の姿にありました。

土に触れながら育つ逞しさや心も体も強く育っていくその姿を見て、これでよかったんだという確信に変わりました。
 
泥だらけになりながら遊ぶ子どもたち
また、別の保育園でのことです。

ある時、歩き始めたばかりのひとりの子が水溜りで盛大に転んでしまいました。泥水の飛沫が顔にかかり、大泣き。

すぐそばにいた新人スタッフは、それに何も反応せずただ見ているだけでした。

私は驚いて駆け寄りその子を抱き上げ顔を拭いて、目に泥水が入っていないかを確認しました。

あとでその新人スタッフに「なぜ駆け寄らなかったの?」と聞くと、
「自然の中での保育ってそういう風にするものだと思っていたから」と答えました。

この答えから伝わってくるのは、自然の中での保育を“方法論”として捉えていて「その時、自分がどうしたいのか?」がなかったことです。

「こういうものだ」という固定概念をもって、子どもに関わっていることがわかりました。

特に‟自然の中での保育”はこのように、あえて手荒い関わり方をすると思われている節があります。しかし、自然の中だからこそ、子ども一人ひとりに対して、丁寧な関わりが必要です。

子どもが転んだ時に、すぐに手を貸し、抱き起こす時もあるでしょう。

側で見守りながら応援する時もあります。

何も言わずに自分で起き上がるのを待つ時もあるでしょう。

それは、その子どもと保育者の関係性やその時の状況によって対応の仕方は変わります。

保育の方法論よりも「独自のあり方」

自然の中で遊ぶ子どもたちと保育士
保育において、何が正解で、何が不正解ということはありません。“その時自分がどうしたいか” “自分は子どもにとってどういう存在でありたいか”ということが大切です。

さまざまな方法があるからこそ、方法論ではなく、自分はどういう存在でありたいかという“あり方”がポイント。

その“あり方”から一瞬一瞬の関わりの中でそれが表現されてくるのです。

みなさんは、子どもにとってどんな存在の保育者でありたいですか?

楽しい先生・優しい先生・穏やかな先生・元気な先生・温かい先生・背中を押してくれる先生…など、自分がなりたい保育者像があなたの“あり方”です。

どんな先生でありたいでしょうか? 考えるきっかけになればと思います。

▼ほかおすすめの自然体験コラムはこちら
野村直子(のむら なおこ)

この記事を書いた人

野村直子(のむら なおこ)

「子ども」と「自然」をキーワードに国内外での保育と自然体験活動などの経験を重ね、 “森のようちえん”という自然保育の活動に関わる。小規模保育室園長を経て、現在は新しい視点で子育ての質を伝えて行くため『new education LittleTree』代表として研修事業をメインに活動中。
<ホームページ>
https://www.new-edulittletree.com/

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