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なぜ中国の保育園に、日本の保育を教えにいくのか?

中国の保育園の園舎
2021年4月、一人の日本人保育士が中国に渡りました。田淵 亜弥香先生が降り立ったのは、内陸部にある陕西省の省都である西安市。ここにある現地の保育園で、日本の保育手法を教える指導員として赴任してきました。右も左も分からない異国の地で、あやか先生の挑戦が始まります。第1回目は自己紹介を兼ねた、赴任までのストーリーです。

私が保育士になった理由

スーツを着た女性が子供にご飯をあげている場面
皆さん初めまして、田淵亜弥香と申します。私は現在、新型コロナウイルス感染予防対策として中国入国後の隔離期間をのんびりと過ごしています。現在14日目。毎日出てくる中華料理には1週間ほどで飽きてしまい、今はとっても肉じゃがを食べたい気分です(笑)。ホテルで受けたPCR検査もクリアして今日から自宅となる部屋に入ることができました。数時間前に詰めなおしたスーツケースを再び開き、少しずつ片づけをしながらこのコラムの内容を考えています。まずはなぜ私がいま中国にいるのか、何をしに中国に来たのかをお話ししようと思います。
中国のご飯の写真<隔離期間中にホテルで出てくる食事>
私は高校卒業後保育専門の短大に進み、地元の認可保育園にて3年間勤務しました。その後、今の会社の「何よりも子どもが最優先」という理念に惹かれて入社しました。現在7年目です。

海外で働きたいと思ったきっかけ

中国の景色
入社してからは埼玉県内の院内保育園で保育士として、そして園長として日々子どもたちや先生方と楽しく過ごす普通の保育士でした。「海外に住みたい!」という漠然とした気持ちを持ちながら過ごしてはいましたが、特にこの国がいい! というこだわりはなく、「本当に行けたらいいな~」「かっこいいなぁ~」くらいの感じで考えていました。

しかし海外に興味が湧いた出来事が私には2つありました。一つ目は、母の友だちがオーストラリアに移住して楽しく過ごしている様子を聞いていたこと。二つ目は、留学経験のある友だちの留学体験を話すときの表情の輝きが忘れられなかったからです。海外生活のエピソードを聞くたびに「私もいつの日にか」と思うようになっていました。しかし面倒くさがり屋の私。実際に行動に移すことなく時間は過ぎてゆき、20代最後の年に。来年自分が30歳になることへの驚きと、このままでいいのかという自問自答の日々の中で「何かにチャレンジしたい!」「保育士を辞めて転職?」などと考えるようになりました。そんな時に届いた1通のメールが私の人生を変えることになるのです

そのメールの内容は、中国での保育事業参加に関する社内公募開始のメールでした。内容を読んだ瞬間「これだ!」と思い立ち、仕事内容の確認もそこそこに上司や園の先生方に相談して応募することに決めました。社長面接を経て合格を頂いた時には、自分自身とても驚いたことを覚えています。そこからは少しずつ当時勤務していた院内保育園の業務を引き継ぎ、今年2月に部署を異動して中国へ向かうための準備を本格的に始めました。

中国の保育園で何をする?

中国の保育園の活動の様子
中国では現地の保育園に勤務し、そこの先生方に指導を行います。一人っ子政策の影響で乳幼児保育が未発展の地。保育の知識がない先生方に、私たちの保育園で実践してきた「非認知能力を育てる保育」を伝えることが私の今回の任務です。部署異動後の慣れない在宅勤務、栃木にある認定こども園での研修を終えて、いよいよ中国へ渡航しました。
入国検査をするあやか先生
入国後はホテルで2週間、自宅で1週間の隔離生活を送った後に外出することができます。入国当日、現地の先生方は私がホテルに無事到着できるのか心配をして、夜遅く、しかも雨が降る中ホテルの前でずっと待って見守ってくださいました。私は隔離される身ですのでお会いすることはできませんでしたが、その気持ちがとても嬉しく、心強かったです。さらにホテルの部屋にはたくさんの差し入れのおかしや新鮮な果物、お花、手紙なども用意してくださっていて、週末ごとにさまざまな差し入れもいただき、現地の先生に歓迎していただいていることをより強く実感しました。

ホテルでは日本と変わらずにリモートで仕事をしています。ネットの通信は時間によって繋がりにくいこともありますが、快適に作業ができています。隔離生活中、部署の皆さんが週に1度のお話会という素敵な企画を設定してくださり嬉しかったですし、安心して過ごすことができました。休みの日には日本でダウンロードしてきた映画を観たり読書をしたり、ちょっとした運動をしたりしてリフレッシュしながら過ごしました。

中国に入国した2日後、現地の先生方に画面越しにですが研修を行う日がありました。私は中国語を話すことができませんので、私が日本語で説明をした後に中国語で通訳をしてもらっています。現地の先生方はメモを取ったり、いろいろな質問をしたりと、真剣に参加する姿勢をひしひしと感じました。使用した資料を見て研修日以降も勉強をしているようで、そんな熱心な先生方にお会いできる日がとても楽しみです。

いよいよ西安の保育園へ

中国の保育園の看板
長いと思っていたホテルでの2週間も、過ぎてみればあっという間です。その間に現地の先生方は私がすぐに住むことができるように大急ぎで部屋の準備をしてくださいました。きれいに掃除をしてお花や観葉植物で飾り付けをし、キッチンや冷蔵庫にはたくさんの食材の用意、自炊をするための調味料や調理器具の用意など、すべて整えていただいて感謝してもしきれないほどです。そして、なんとサプライズで手作りのケーキもいただきました。先生方の温かい気持ちに触れて、嬉しさと同時により頑張ろうという気持ちを感じました。

これから自宅での隔離を終えると、いよいよ現地の園に着任します。どのような建物なのか、どんな子どもたちがどんな生活を送っているのか、先生方の雰囲気はどうかなど、気になるところばかりです。まさにドキドキ、ワクワクといった遠足の前夜状態です(笑)。任された仕事を全うできるように、楽しく生活ができるように残りの隔離生活中にしっかりと準備をして体調を整えてその日を待ちたいと思います。


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田淵 亜弥香(たぶちあやか)

この記事を書いた人

田淵 亜弥香(たぶちあやか)

10年の保育士歴を経て、2021年4月から中国の西安市にある保育園に赴任。現地の先生方に、日本の保育メソッドやノウハウを教える指導員として、日々奮闘している。株式会社キッズコーポレーション(本社/宇都宮市)に所属。

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