保育博2021
保育博は、保育・教育ビジネス&サービスに特化した展示会。2019年(令和元年)の初開催から規模を拡大しながら迎えた3年目の2021年は、過去最多となる168社もの企業が出展しました。一度にこれだけの保育関連サービスやグッズを見ることができる展示会が他に無いこともあり、今回の来場者数は3,090名と、こちらも過去最多を記録。会場を見回しても、さまざまな所で熱心に商品をチェックしたり、出展者に質問をする来場者の姿が見られ、保育関係者が注目するイベントとして定着してきたことが感じられました。
今回も、ブースで展示されていたたくさんのサービスやグッズの中から、ほいくis編集部が独自の視点でピックアップしたものを厳選してご紹介します。それではスタート!
>>保育博HP
機能性抜群のお散歩ポーチ「おでかけペーパーポーチ」
お散歩の際にはリュックやウエストポーチを身に付けていくことも多いと思いますが、「必要な物がパッと出せない」といった経験をしたことはありませんか? 市販のものでは、微妙に使い勝手が良くないと感じる保育士さんも少なくないと思います。そこで注目したのが、株式会社テラモトさんのブースで展示されていた「おでかけペーパーポーチ」。肩掛けとウエストポーチスタイルが可能なポーチには、ティッシュボックスをそのまま入れられるほか、真ん中の仕切りをセットすれば、片側にトイレットペーパー、片側にゴミ用のビニール袋を入れて、使った紙をそのまま捨てられるようにもできる優れもの。
開け閉めしやすいようカバーをマジックテープにしたり、収納部分にはトイレットペーパーとビニール袋を固定できるバンドを設置するなど、細かい工夫が光ります。ベルト部分には、マスクやアルコール消毒液などの小物入れ付き。
開発の際に保育士さんの声を取り入れただけあって、機能性抜群で使いやすそうです。3色あるカラーはどれもスタイリッシュで、私も使いたくなりました。
株式会社テラモト
ピタッとくっつく「IQつみき」
パッと見て目を惹かれたのが、このカラフルなつみき。こちらは、創業70年以上の老舗メーカーである株式会社榊原工業さんが開発した「IQつみき」です。長年培ってきた双眼鏡や望遠鏡の部品製造技術を活かして、「シリコンゴム製」のつみきを開発したそうです。子ども向けのおもちゃは初挑戦とのことですが、安全性も重視し「ST玩具安全マーク」も取得。シリコンゴム素材でパーツ同士がピタッとくっつくので、普通のつみきではできないアクロバティックな積み重ねも! 『IQ』という商品名のとおり、立体把握や空間認知を育てる知育にも繋がります。
くっつく秘密は、シリコンゴムの特殊な加工方法。表面の凹凸を極限までなくしてツルツルにすることで、面同士がくっつくようになるのだそうです。
メンテナンスについては水や洗剤で洗えるほか、アルコールや次亜塩素酸の使用もOK。日常的な除菌作業が簡単にできる点が良いと思いました。
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株式会社榊原工業
午睡&暑熱リスクから子どもを守る!「cocolin(ココリン)」
子供服メーカー大手として知られる株式会社キムラタンさんのブースで見つけたのが、「cocolin(ココリン)」という、まったく新しいコンセプトの‟見守り”子どもたちが着る専用肌着のポケットに「トランスミッター(写真の水色の機械)」を装着することで、心拍・体動・衣服内温度を測定。リスクを察知すると、アプリにアラートが!
登園から降園まで常時計測している園児の「バイタルデータ」から異変を察知するので、うつぶせ寝や体温上昇のリスクを未然に防ぐことができるとのこと。
綿100%の伸縮性素材とフラットシーマ―縫製(凹凸が少ない縫製)で、専用肌着の着心地の良さはお墨付き。
トランスミッターを肌に直接当てずにバイタルデータを計測できる「銀メッキ繊維」の使用や、人間が心地よいと感じる「衣服内気候(肌と衣服の間の温度・湿度・気流)」が考慮されているなど、大正時代から続く「子ども服専業メーカー」ならではのこだわりが感じられます。 2022年の春には「熱中症」のリスクから子どもを守る「cocolin bando(ココリンバンド)も発売予定とのこと。園での安全管理や業務効率化の分野では注目のメーカーさんですね。
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株式会社キムラタン
異なる樹木で音階を奏でる「森の合唱団」
さまざまな木製おもちゃの展示で注目を集めていたオークヴィレッジ株式会社さんのブース。その中でちょっと気になったのが、この「森の合唱団」。普通の木琴は音階によって音板(おんばん)の長さが変わりますが、こちらはすべて同じ。その代わり、色や木目がそれぞれ違っているように見えます。実はこれ、一つひとつ異なる種類の樹木を使用することで、同じ長さなのに音階を奏でられるようになっています。それぞれに木の名前(樹種)が書いてあるので、子どもたちにとっても、樹木にはたくさんの種類があって、特徴も異なるということを学ぶきっかけにもなりそうです。
音階は、音板に使う樹木の種類と、職人がそれを彫りこむ量で調節しているとのこと。まさに職人技ですね! こちらは、同じ仕組みで作られた「森のコロコロ合唱団」。階段状に並べられた音板の上から木のボールを転がすと、「どんぐりころころ」や「おもちゃのチャチャチャ」などの曲を奏でるおもちゃ。
コロコロとボールが転がっていく様子がピタゴラスイッチみたいで、見ているだけでも楽しくなりました。柔らかい音色も素敵でしたよ。
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>>「森の合唱団」
>>「森のコロコロ合唱団」
オークヴィレッジ株式会社
環境に優しい「竹紙」
歴史ある製紙メーカーの中越パルプ工業株式会社さんのブースで見つけたのは、色鮮やかな折り紙の数々。実はこれ、100%国産の竹を原料とした「竹紙(たけがみ)」を使ったものだそうです。デザインは直接竹紙にプリントをしているそうですが、独特な落ち着いた色合いが、竹の優しい素材感を表現しているようです。もちろん、竹そのものの色の商品もありました。
竹林整備で伐採された竹は、手間をかけて燃やす必要があるなど、使われないものは廃材にもなり得る素材。その里山の竹に新たな価値を見出すことで、環境保護や地域経済に寄与する竹紙の取り組みを、多くの方々に伝えることを目的に開発された商品です。
子どもたちも、竹から作った紙ということで、興味を持ちそうですよね。
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MEETS TAKEGAMI(中越パルプ工業株式会社)
アルコール消毒OK!手入れ簡単おもちゃ「おきあがり・ムックリ」
カラフルでバラエティに富んだおもちゃの展示が目を引いた株式会社ダッドウェイさんのブース。その中でちょっと気になったのが、このタマゴ型の大きな“おきあがりこぼし”。こちらは「おきあがり・ムックリ」というおもちゃで、2015年の発売から人気の商品なのだそうです。最大の特長は、内側から塗装をしているため、表面をアルコール消毒しても塗装に影響がないこと。新型コロナ対策を始めとする感染症対策で、おもちゃを毎日消毒しているところも珍しくありませんが、その分塗装の劣化も激しくなります。気にせず手入れができる点は、保育者にとってありがたいですね。
「Solby」と「MOOMIN BABY」の2つのブランドで展開するオリジナル商品で、デザインは5種類。同社のイラストレーターがデザインした「Solby」の「あめあがりムックリ」は、2021年10月に発売されたばかりの新しいデザインです。センスあふれる色使いと可愛いキャラクターで、一目でお気に入りになりました。
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●あめあがりムックリ
●ピクニック
株式会社ダッドウェイ
ほいくisが初出展
ちなみに今回、とうとう「ほいくis」が初出展をしました。来場した保育関係者の皆さんの高い温度感を直接肌で感じることができて、とても貴重な体験でした。ブースにお越しいただいた皆さん、ありがとうございました。注目サービス&グッズで保育をより楽しく
保育博の会場では、展示ブースの他にも、さまざまなセミナーが開催されました。保育に関するさまざまな情報を収集する場にもなっているので、園の運営を始め、保育現場で課題感を持っている方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか(大阪でも開催)。2022年の開催も既に決定しています。次回はどんなサービス・グッズが見られるのか、いまから楽しみですね。
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