園外活動とは
園外活動は、保育園の敷地外で行う保育のことです。「園外保育」と呼ぶ場合もあります。園外活動には次のようなものがあります。
- 散歩
- 遠足
- 地域施設の訪問
園外における活動では、安全面に十分配慮することが必要です。予測できる危機に対する対策を考えた上で、園外へ出かけましょう。
移動時のヒヤリ・ハットと注意点
歩いて移動している最中は、一歩間違えれば大きな事故に繋がってしまいます。あらゆる危険を想定しながら安全に留意したいですね。まずは公園などに行く道中のヒヤリ・ハットを見てみましょう。
車や自転車
- 車や自転車との衝突
- 子どもの飛び出し
子どもたちが止まることで、運転者も安心して横を通ることができます。車が通る時には、自分の身を守るためにも、道を譲る姿勢を伝えていきたいですね。
中には、歩道がしっかりと整備されていないところもあるため、一番安全な道を保育士が事前にチェックしておくことも必要。お散歩マップは一度作ったらOKではなく、定期的に見直して「今、一番安全な道」を把握しておきましょう。
横断歩道
- 点滅中に横断する
- 後ろの子どもたちが間に合わなかった
列が長く、後ろの子どもたちが横断歩道を渡りきれない時もあります。その場合は「渡る時には4列になる」「2回に分けて渡る」など、状況に合わせた対応を行いましょう。
列から外れる
- 手を離して走り出す
- 列をはみ出して歩く
側溝や段差
- 側溝に落ちる
- 段差で転ぶ
「ヒヤリ・ハット」とは、危険な状況に直面し「ヒヤリ」としたことや「ハッ」とした体験のこと。事故には至らないまでも、一歩間違えば大きなケガなどにつながった事例を指します。ハインリッヒの法則(労働災害の調査から導き出された発生比率の法則)によると、1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故があり、300件のヒヤリ・ハット事例があると言われています。
公園・広場のヒヤリ・ハットと注意点
地域の公園など、さまざまな人が出入りする場所では、予想外の危険が潜んでいる可能性もあります。遊ぶ前にしっかりと安全性をチェックしておきたいですね。ここからは、公園や広場で遊ぶ際に気を付けておきたいポイントを紹介します。
遊具
- 滑り台からの転落
- 漕いでいるブランコとの衝突
また、注意が必要な遊具の近くには、保育士を配置するなどの工夫が必要です。
落下物
- ガラスを触って手を切る
- ライターやたばこの吸い殻を拾う
ガラスやたばこ、ライターなど、大人であったら触らないものでも、子どもは興味を持って手に取る可能性があります。遊び始める前には必ず保育士が見回りをして、危険なものは回収しておきましょう。
迷子
- 公園の外に出ていく
- 物影に隠れる
植木や大型遊具など、死角になりやすい場所はしっかり把握しておきたいですね。見えにくい場所には、保育士を配置することも欠かせません。
不審者や無断撮影
- 子どもに近寄ってくる人がいる
- 無断で子どもの写真を撮る人がいる
夏の外遊びのチェックポイント【季節別】
園外活動を行う際には、天候や気温を考慮に入れた上で計画を立てましょう。ここからは、季節別にチェックポイントを見ていきます。まずは夏の暑い時期からご紹介します。
やけど
- 遊具の金属部分でやけどした
- アスファルトに手をついてやけどした
熱中症・脱水症状
- 休憩せずに遊び続け、脱水症状になった
- 直射日光を浴び続け、嘔吐した
環境省が熱中症の予防を目的に発表している「暑さ指数(WBGT)」では、25以上28未満を「警戒」としています。この値は気温で見ると、およそ28℃以上31℃未満となっています。園外活動を実施する際の目安にしてみてはいかがでしょうか。
参考:暑さ指数(WBGT)とは?/環境省熱中症予防情報サイト >>詳細はこちら
冬の外遊びのチェックポイント【季節別】
続いては、冬の時期のチェックポイントについてご紹介します。冬には、夏とは異なる注意点があります。寒い時期ならではのポイントを確認していきましょう。凍結による転倒・転落
- 凍っている場所で滑って転ぶ
- 霜のついた鉄棒から手が滑る
冷えによる体調の悪化
- 衣類が濡れて身体が冷える
- 寒くて風邪が悪化する
湿った衣服を着たまま外で遊び続けると、身体が冷えてしまいます。体調を崩さないよう、衣服の調整や着替えなどを適宜行っていきたいですね。
園外での危険を予測しよう
園外での活動は、目新しいものがたくさんあり、子どもの好奇心や探索意欲を引き出します。その分、動きが大きくなったり、注意力が散漫になったりすることもあるので、保育士は危険を予測した上で、子どもの安全を守っていきたいですね。園外活動を考えている方は、参考にしてみてください。
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