4歳児の発達過程とは
4歳児の発達過程について、生活習慣・運動・言葉・社会性・概念の5つの観点から確認していきます。発達過程や得意・不得意によって個人差が見られるので、めやすとして参考にしてください。生活習慣
4歳頃になると、食事・排泄・衣服の着脱など身の回りのことが自分でできるようになります。手洗い・うがいの習慣がつき、少しずつ健康や安全に気をつけながら生活できるようになります。運動
言葉
発音が明瞭になり、自分の経験を思い出しながら話せるようになります。さまざまなことに疑問をもつ頃なので、「なんで?」「どうして?」といった言葉が増えます。ひらがなにも興味を示し、自分の名前を読めるようになってきます。
社会性
自意識が芽生え、他者の目を気にするようになります。友だちとのつながりが深まる一方でケンカも増えます。不安や葛藤を乗り越えながら、相手の気持ちを考えたり、自分の気持ちを抑制したりする力が育まれていきます。概念
また、10までの数を理解し、唱えたり、数えたりできるようにもなってきます。
保育のポイントは?
ねらいと関わり方
保育所保育指針に記載されている《3歳以上児の保育に関するねらい》は以下の通りです。
【健康】 ①明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう ②自分の体を十分に動かし、進んで運動しようとする ③健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する 【人間関係】 ①保育所の生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう ②身近な人と親しみ、関わりを深め、工夫したり、協力したりして一緒に活動する楽しさを味わい、愛情や信頼感をもつ ③社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける 【環境】 ①身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ ②身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする ③身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字に対する感覚を豊かにする 【言葉】 ①自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう ②人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう ③日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、言葉に対する感覚を豊かにし、保育士等や友達と心を通わせる 【表現】 ①いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ ②感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ ③生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ 出典:保育所保育指針(平成29年告示)/こども家庭庁 >>詳細はこちら |
【ねらいの例】
- 保育者や友だちに親しみをもつ
- 体を動かすことを喜び、さまざまな運動に挑戦する
- 友だちと一緒にルールのある遊びを楽しむ
- 自然に親しみ、美しさや不思議さを感じる
- 自分の考えを相手にわかるように伝える
4歳児は、できることが増える一方で「イメージ通りにできない」という葛藤を抱える時期でもあります。保育士は子どもを直接サポートするだけでなく、友だちとの関係性の中で「こうしたらよかったんだ」と気づきが得られるよう、間接的な支援も行っていく必要があります。
成長した姿を認めつつ、意欲を育んでいきましょう。
4歳児の姿と対応方法
4歳頃になると自意識が芽生えるので、保育士の言葉かけをできるだけ減らし、子どもが主体的に行動できるよう環境を整えましょう。おもちゃの置き場所や生活の流れは、イラストや写真を活用すれば、自分で確認して行動できます。遊びや生活の中で使うものは、子どもの手に取りやすい場所に配置しましょう。
おすすめの遊び・活動例
屋外遊び
屋外ではダイナミックな動きができる集団遊びや、自然物に触れる機会を設けていきましょう。【集団遊び】
- 鬼ごっこ
- だるまさんが転んだ
- はないちもんめ
- 虫探し
- 花集め
- 色水づくり
室内遊び
【ルールのある遊び】
- 椅子取りゲーム
- フルーツバスケット
- ハンカチ落とし
- ブロック
- 積み木
- ごっこ遊び
- 製作
- 紐通し
- 粘土
クラス運営で気をつけること
保育士はすぐに解決法を提示するのではなく、子どもたちが気持ちを表現し合えるように支援します。「Aくんはこう思ったんだね。Bくんはこう思ったんだね。じゃあ、どうしようか。」と問いかけ、子どもの考える力を引き出していきましょう。
友だちとの関わりを大切にしよう
いかがでしたか? 4歳児は友だち同士の関わりを通して、精神的に発達を遂げる時期です。子どもたちの心の動きをよく見ながら、成長をサポートしていきたいですね。4歳児クラス担当の方は、参考にしてみてください。【関連記事】