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保護者会・懇談会の進め方を解説|事前の準備と当日の内容

たんぽぽと書かれた教室の看板
園により呼び名は異なりますが、年に数回「保護者会」「懇談会」を行うと思います。保護者を前にして緊張しますが、しっかりと準備をして臨みたいですね。今回は、保護者会・懇談会をスムーズに進行するためのポイントについてご紹介します。

保護者会・懇談会とは

懇談会と書かれた書類
保護者会・懇談会は年に数回、保育士と保護者がゆったりと話をする機会を設けるために開催する会です。その間は子どもを別の保育士が見ることで、普段はなかなか話せない子どもの姿やクラスの様子を丁寧に伝えられる場になります。

また、クラス運営を考えていく上で「保育士と保護者」だけでなく「保護者同士」の信頼関係も大切になってきます。保護者会・懇談会では、保護者同士の交流も意識しながら、情報交換ができる場にしていきたいですね。

開催時期別の内容

開催時期によりクラスの状況は変わるので、保護者会・懇談会の内容にも変化をつけていきたいところです。その時々の保護者の「知りたい」に応えられるような内容を準備しましょう。

春(年度初め)

保護者に説明をする保育士
年度初めの春は環境が変わり、子どもたちや保護者も心配や不安を抱えている時期です。担任や保護者同士の信頼関係が作れるよう、以下の内容をプログラムに取り入れてみてはいかがでしょうか。

<プログラム例>
  • 自己紹介
  • アイスブレイク(簡単なゲーム)
  • 子どもたちの様子を話す
  • 年間のねらいや予定について話す

夏・秋(年度半ば)

手をつないで芝生を歩く3人の子ども
年度の半ばになってくると子どもたちの生活も安定してきます。すると次に保護者が気になってくるのは、子どもの発達にまつわる姿です。「こんな姿はうちだけ?」と悩みを抱えている保護者もいます。年齢ごとに発達のポイントを押さえて、懇談のテーマにしても良いでしょう。

<テーマ例>
  • 0・1歳児・・・基本的な生活習慣
  • 2歳児・・・イヤイヤ期
  • 3・4歳児・・・自立と甘え
  • 5歳児・・・就学に向けて

冬(年度終わり)

年度の終わりには、一年の成長を振り返りましょう。次年度に期待を持てるよう、以下のような内容がおすすめです。

<プログラム例>
  • 子どもの姿を動画や写真で紹介する
  • 就学や進級に向けての話をする
  • 不安なことを相談できる機会にする

事前準備

保護者向けの書類
保護者会・懇談会をスムーズに進めるためには、事前準備が欠かせません。以下のチェックポイントを参考に確認しておきましょう。

<チェックリスト>
  • 時間配分を決める
  • 作成する配布物を決める
  • 話し合いのテーマを決める
  • 保護者会・懇談会中の保育について決める
  • 会場を準備する


当日の進め方

保護者の視線が集まる保護者会・懇談会。保育士にとっては緊張感が高まる行事ですよね。しかし、保育士側の緊張は保護者にも伝わってしまいます。保護者が安心して参加できるよう、できるだけリラックスすることを心がけましょう。

保育士の話

ファイルを持つ保育士
保護者会・懇談会は保育士の話から始まります。最も緊張する場面ですが、以下の点を意識して、良いスタートを切りましょう。
  • なるべくメモを見ない
  • 明るく、笑顔で、ハキハキと話す
  • 保護者一人ひとりと目を合わせる
事前に話す内容を整理しておきましょう。文章にしてしまうと、つい下を向いて読んでしまいがちなので、伝えたい内容は箇条書きにしておくのがおすすめです。

懇談

保護者会・懇談会では保育士が一方的に話すだけではなく、保護者同士が話をできる機会を設けることで充実度が高まります。懇談を行う際のポイントは以下の通りです。
  • 4〜5人の小グループにする
  • 共通のテーマを設ける
  • 保育士は聞き役・進行役になる
積極的に話せる人もいれば、なかなか口火を切れない人もいます。また、「聞いているだけがいい」という人も。保育士は、保護者の様子を観察しながら進行していきましょう。

保護者の質問にどう答える?

廊下を歩く子どもの後ろ姿
保護者会・懇談会で突然質問をされたら・・・と考えると不安ですよね。保護者の信頼を獲得するためにも、堂々と受け答えをできるようにしておきたいですね。前日までに、子どもたちの様子を再確認しておきましょう。

【再確認するポイント】
  • 友だち関係(気の合う友だちは誰か)
  • 食事の様子(どれくらい食べているか)
  • 遊びの様子(どんな遊びが好きか)
保護者会・懇談会の場では、子どもの良いところをたくさん話していきたいですね。

また、「こんなとき、どういう対応をしたら良いですか?」という質問を受けることも。保育園と家庭とでは子どもの姿が異なることを念頭に置きながら、一緒に考える姿勢を示していきましょう。

【回答の手順】
  1. 保護者が大変に感じている思いを汲み取る
  2. 子どもの行動の理由を考える
  3. 保育園での対応方法を伝える
他の保護者も同じような悩みを抱えていることが多いので、懇談のテーマにしても良いでしょう。解決策が見つけられなくても「同じような悩みを抱えている人が他にもいる」と分かるだけで安心できる場合もあります。

時には、思いも寄らぬ方向から質問を受ける場合もあります。その場で答えられない質問があったら、「その件に関しては確認して、後日お知らせしますね」と伝えましょう。

まとめ

保護者会・懇談会では普段よりもじっくり対話を重ね、信頼関係を深めることができます。「大事なことは全て伝えないと!」とメモに目を落とすよりも、笑顔で話し、安心感を伝えることの方が大切です。事前に準備を整えて、有意義な時間にしたいですね。
懇談会・保護者会を行う予定がある方は、参考にしてみてください。

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佐野 きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野 きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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