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保育参観を解説|事前準備・当日の進め方・年齢別の活動

保育参観で発表をする子どもたちと保護者
園行事として「保育参観」を計画しているところも多いと思います。実施する際は、子どもが安心して過ごしている姿や成長している姿を保護者に見てもらいたいですよね。事前準備をしっかり行い、保護者が「行ってよかった」と思える保育参観にしましょう。今回は、保育参観の事前準備や当日の進め方をご紹介します。

保育参観とは

クレヨンでお絵描きをする男の子
保育参観とは、園生活の様子を保護者に見てもらうために行う園行事です。普段は仕事などがあり、送迎時の少ない時間でしか様子を見られない保護者に、普段子どもたちがどのような集団生活を送っているのか見てもらえる貴重な機会です。

目的・ねらい

保育参観では、保護者に「何を伝えたいか」を明確にしておくことが大切です。一般的には以下のようなことがねらいとなります。
  • 子どもが安心して過ごしている姿を見てもらう
  • 保育園での子どもの様子を知ってもらう
  • 集団生活における子どもの発達や育ちについて知ってもらう

実施時期

参観日の日程にマークがされているカレンダー
保育参観の実施時期は園によっても異なりますが、他の行事と重ならないよう、最初から年間行事に組み込む園が多いです。子どもたちのどんな姿を見てもらいたいかによって開催時期を決定しても良いでしょう。
  • 園に慣れてきている様子を見てもらいたいとき…5〜6月頃
  • 水遊びなど夏ならではのダイナミックな遊びの様子を見てもらいたいとき…7〜8月頃
  • 運動会や発表会など行事に向けた取り組みを見てもらいたいとき…9月〜12月頃

実施形式

保育参観には、大きく分けて2つの形式があります。
  • 参観型…子どもが活動している姿を見学する
  • 参加型…保護者が子どもと一緒に活動する
子どもが保護者を見つけて泣いてしまったら、ゆっくりと様子を見てもらえない可能性も。参観型が難しいと予想される場合は、参加型で計画してみても良いでしょう。

事前準備のポイント

「入口」と書かれた手作りの看板が掲げられた保育室
子どもの反応や保護者の動きを予測して、事前にできる準備はしておきましょう。

準備すること

事前準備としてできることとして、以下の内容が挙げられます。
  • ねらいをもとに活動を考える
  • スケジュールを保護者へ伝える
  • 見てほしいポイントを知らせる
ねらいと活動を考えたら、予めスケジュールや見てほしいポイントを保護者に伝えておきます。保育士の意図を理解した上で参観してもらうことで、保護者も子どもの発達や育っている力に着目することができるでしょう。

配慮すべきこと

泣いている女の子
子どもにもよりますが、保護者の姿を見つけて泣き出す子もいます。普段の様子を見てもらいたい時には、なるべく保護者が子どもに見つからないような配慮が必要です。

保育室に窓がある場合、色画用紙や模造紙などをつけて覗けるようにしておけば、子どもに気付かれずに様子を見ることができます。

3歳以上児であれば、保護者が見にくることを子どもたちへ事前に伝えておきましょう。多くの場合、子どもたちは安心して遊ぶ姿を保護者に見せてくれます。ただし、「もし泣き出す子がいる場合はどう対応するか?」などについては、事前に検討しておくと良いでしょう。

当日のポイント

カラーペンでお絵描きをした後の机
保育参観の当日は「いつも通り」の姿を見てもらえるよう、保育を進めていきましょう。

当日の進め方

子どもたちの自然な姿を見てもらえるように、いつもと同じ流れで活動を進めます。始めに子どもたちがお気に入りの手遊びをしたり、体操を取り入れたりすれば、保育士の緊張もほぐれます。

もし保育士の配置に余裕があり、子どもたちも落ち着いて活動に取り組んでいるようであれば、子どもの姿を見ながら保護者と話をする機会を持っても良いですね。

当日に気を付けること

事前に配慮していたとしても、保護者を見つけて泣き出す子がいるかもしれません。気持ちを逸らして遊び出せれば良いですが、難しい場合は無理をせず、保育参加に切り替えていきましょう。いつもとは異なる環境の中で保育を行うため、臨機応変な対応が必要になってきます。

保育参観でおすすめの活動

保育参観では、子どもの成長がわかる活動を取り入れていきたいですね。ここからは、保育参観を計画する上でのポイントと、おすすめの活動をクラス別に紹介します。

0歳児クラス

乳児クラスで活動を見守る保育士
0歳児クラスの保護者は、子どもが保育園で過ごす様子を初めて見ることになります。保護者は、子どもが「園に慣れたか」や「安心して過ごせているか」を気にしている場合が多いです。

0歳児クラスでは、個々の発達や生活リズムに合わせた普段の保育を見てもらいましょう。保育者との触れ合い遊びや室内探索など、いつも通りの保育内容で安心して過ごしている姿を見てもらえると良いでしょう。

1歳児クラス

1歳児クラスの保護者は、園での子どもの姿を見て「こんなこともできるんだ」という発見をする方が多いです。子どもたちが主体的に行動している姿を見てもらえると良いですね。

1歳児クラスでは、体操や手遊びなど、友だちと一緒にできる活動もおすすめです。遊びだけでなく、食事や着替えなど、生活の様子も見てもらえるようにすると良いでしょう。

2歳児クラス

お絵描きをしている男の子を後ろから見守る保育士
2歳児クラスの保護者は、イヤイヤ期に突入した子どもの姿に悩み「保育士はどのように対応しているのだろう」といった視点で見ていることが多いです。生活習慣の自立が進む時期でもあるので、自分でしようとする姿や保育士が子どもへ声がけするタイミングなどを見てもらえると良いですね。

2歳児は少しずつ集団を意識し始めるので、リズム遊びやわらべうた遊びなど、友だちと一緒にできる活動を取り入れてみるのもおすすめです。

3歳児クラス

3歳児クラスになると、保育士1名に対する子どもの人数が増えるため、集団生活についていけているか心配している保護者が少なくありません。友だちと一緒に紙芝居や歌などを楽しんでいる姿も見てもらえると安心するでしょう。

3歳児だと親子の分離が難しい場合も。一緒に参加できる活動を考えてみても良いですね。

4歳児クラス

保育室内でボールを使って遊ぶ子どもたち
4歳児クラスになると、友だちとの関わりが増え、きまりを守ろうとする姿も増えてきます。「だるまさんが転んだ」や「しっぽとりゲーム」など、日頃行っている集団遊びを取り入れ、友だちと一緒に遊ぶ姿を見てもらえると良いでしょう。

友だちと気持ちのぶつかり合いが起こったとしても、それも4歳児らしい姿です。慌てずに、ゆったりとした心持ちで対応したいですね。

5歳児クラス

5歳児クラスになると、子ども同士で話し合ったり、遊びを発展させていったりする力が育ってきます。

製作活動をする場合は、友だちと協同で大型作品を作ってみるのも良いでしょう。子ども同士でチーム決めやルールの確認をしながら集団遊びをする様子を見てもらうのもおすすめです。また、当番活動や年下の子のお手伝いをする姿を見る機会を作ってみるのも保護者に喜ばれますよ。

ねらいを明確にして活動を考えよう

子どもは保育士や友だち、そして周りの環境から影響を受けて日々成長をしています。集団生活だからこそ育まれている力を、保護者に見てもらいたいですね。そのためには、ねらいを明確にし、子どもの発達が見える活動を意識すると良いでしょう。「この保育園に預けて良かった」と思ってもらえるような参観日にしたいですね。

保育参観を控えている方は、参考にしてみてください。

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佐野 きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野 きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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