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適切なおしりの拭き方|おむつ交換の基礎知識と手順を看護師が解説

適切なおしりの拭き方|おむつ交換の基礎知識と手順を看護師が解説
新生児から生活場面で必要な援助となるオムツ。オムツ交換では皮膚を清潔に保つだけでなく、感染症の予防にもつながる大切なケアの一つです。やり方は習ったもののいまいち苦手だという方もいるでしょう。今回は新生児から乳幼児でのオムツ交換で保育者に必要な知識と手順についてご紹介します。

おしり拭きとは 

おしり拭きは、排泄後に行う大切なケアですが目的はさまざま。免疫力が未熟な乳幼児は、排泄物に含まれる大腸菌などから尿路感染症を起こしてしまうことがあります。またアルカリ性の便が長時間オムツ内で付着してしまうと、おしりが赤くなり痛みをともなってしまうこともあります。

乳幼児期の子どもの皮膚は薄く、外部刺激に敏感なためおしり拭きの方法を意識しケアを行うことが大切になります。 
※尿路感染症とは 
尿路感染症とは
尿をつくり体の外に排泄するまでの通り道を尿路(にょうろ)といいます。尿は腎臓、尿管、膀胱、尿道という器官を通り、体外へ排泄されます。尿路に流れる尿は通常は無菌状態で保たれていますが、なんらかの原因で尿の出口である尿道から病原体が侵入し、炎症を起こしてしまうことがあります。この状態を尿路感染といい、尿路感染症を起こすと発熱や腹部の痛みなどから機嫌が悪くなることがあります。

おしり拭きのポイント 

おしりの清潔を保つためにケア前後の手洗いや、手袋装着などの対応が大切です。菌は目に見えないため、知らない間に保育者の手から(接触感染)移してしまう可能性もあります。子どもだけでなく、自分の身を安全に保つためにも感染予防対策を意識していきましょう。 

おしりのふき方 

おしりの拭き方を解説

排便時はおおまかに汚れをとり、細かい部分の拭き残しに注意しましょう。排尿も目には見えませんが一度拭き取ったら同じ面を使用せず、きれいな部分で拭き取れるように面を変えながら行いましょう。指におしり拭き巻きつけると、細かい部分拭き取りやすくなります。

汚れが落ちないからと強くこすらないよう注意し、汚れが落ちにくい場合はお湯で濡らしたコットンでの拭き取りやお湯で洗い流す方法もあります。 

皮膚トラブルに注意 

おむつを履いていると皮膚とオムツの間で摩擦が起きたり、汗や尿などの湿潤状態により皮膚のトラブルが起こることがあります。尿は時間が経つとアルカリ性になり、アルカリに傾いた肌は刺激に敏感で傷つきやすくなるため、排泄が確認できたらなるべくすぐにオムツを変えるようにしましょう。

また、発赤が強く痛みが悪化してしまうと治りが悪くなることもあります。園での様子を観察し、必要であると考えられる場合には保護者に受診を検討してもらうことも大切です。 

男の子のふき方 

最初に排尿部をきれいにします。特に陰嚢の裏側やしわ・足の付け根なども、汚れが残りやすいので注意して下さい。拭き残しがあると、発赤などの皮膚トラブルの原因になります。肛門は最後に拭き取りましょう。 

女の子の拭き方 

女の子の場合は男の子に比べ尿道が短いため、尿道から細菌が侵入し尿路感染症を起こすリスクがあります。尿路感染症は男女とも乳幼児でかかる可能性がある病気ですが、1~2歳以降は女の子に多くなります。これは、女の子の方が男の子に比べ尿道が短く太いため、細菌が侵入しやすいことと関連しています。

細菌の侵入を防ぐためにも必ず前から後ろに向かって拭くようにして下さい。汚れがひどい場合は、まず外側の部分からきれいにし、その後で内側の部分を拭き取るようにして下さい。 

オムツ交換での注意点 

赤ちゃんのおむつ替えの注意点
ここでオムツ交換での注意点について確認していきます。交換する際はおしりをやさしく持ち上げて新しいオムツを入れましょう。両足がⅯ字に曲がり、脚を自由に動かせる状態にすることが大切です。オムツをきつく当ててしまうと、股関節の動きが制限され股関節脱臼のおそれがあります。また足をまっすぐのばすような力を加えてしまうと脱臼を誘発してしまうため注意が必要です。 
※股関節脱臼とは 
足の付け根の関節が外れてしまう病気です。赤ちゃんに起こることが多くそのままの状態で成長すると骨の発育に悪い影響が出てしまうことがあります。 


 オムツ交換の観察ポイント 

体調不良の際は、排便の色や形が変化することがあります。おむつ交換は体調チェックにもなるため、保護者の方から家庭での様子を確認していくことが大切です。自分の体調を訴えることのできない乳幼児のケアは、おむつ交換を通して尿・便の回数を確認しミルクや水分摂取のバランスを調整していくことが必要になります。 

さいごに 

オムツ交換は乳幼児と関わる中で毎日行う大切なケアです。新人保育士であったり、久しぶりに乳児クラスを担当すると戸惑うかもしれません。今一度正しい拭き方をおさらいしてみましょう。 

汚れたことを気持ち悪いと感じ、きれいになると気持ちがいいと感じられるようになることも大切です。おしり拭きの方法や注意点を意識し、丁寧な声掛けをしながら子どもが安心して過ごすことが出来るよう今回の記事が少しでも参考になれたら嬉しいです。 

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