お店屋さんごっこ遊び
「お店屋さんごっこ」は、参観日やお泊り保育、異年齢での活動でよく遊ばれる遊びです。お店の人になったり、買う人になったり、商品やお金、お店などしっかり準備することでより本格的なごっこ遊びが出来るようになります。自分の好きなものを買える楽しさや、お金のやりとりをすることでちょっと大人に近づいた気分が味わえるのもこの遊びのいいところです。
今回は、「お店屋さんごっこ」の基本的な遊び方や注意点、年齢別のアレンジ遊びの方法をご紹介します。
難易度
★★★☆☆対象年齢
対象年齢:2歳/3歳/4歳/5歳用意する物・道具
- お店で売るもの(食べ物、アクセサリー、車など子どもたちが好きなもの)
- お金
- 看板、POP、値札
- お店(お店の人のエプロン、トレー、商品台など)
遊びのねらい
保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。<乳児>
・保育者や友だちと一緒に、お店屋さんごっこを楽しむ。
・異年齢児との交流を楽しむ。
配慮
園全体で取り組む場合は、乳児はお客さん役で良いでしょう。幼児クラスのお店に行き、雰囲気を味わって楽しみます。欲しいものを見つけることや、言葉にしてみたり、指差ししたりして、自分の思いを伝えるように促しましょう。
<3歳児 >
・保育者や友だちと一緒に、お店屋さんごっこを楽しむ。
・簡単な商品を作って楽しむ。
配慮
園の状況に合わせて、お店屋さんをしてみたり、お客さん役だけにしたりと、工夫することが必要です。まだまだ自分たちで進めていけないことも多いので、保育者が入って盛り上げましょう。どの店に行けばいいかわからず困っている子には、声を掛け、一緒にお店に入って楽しめるようにサポートしてあげましょう。 年長児とペアになって一緒に見て回るのも楽しいですよ。
<4歳・5歳児>
・友だちや保育者と一緒に、お店やさんごっこに参加して楽しむ。
・言葉のやり取りを楽しんだり、低年齢児に優しく接したりして、関わりを楽しむ。
・自分たちでお店やさんごっこを進めていく充実感を味わう。
・自分なりに工夫して、商品作りを楽しむ。
配慮
4歳・5歳児になると、少しずつ自分たちでお店やさんを進めていくことができます。年長児は、お店屋さんごっこを主体的に進めていけるようにしていきましょう。
異年齢の子どもたちで行うお店屋さんごっこは、年上の子は、年下の子をみて「お世話をしたい」という気持ちが生まれ、自主性が刺激されます。年下の子は、年上の子をみて遊びをイメージし、優しくされる経験を通して、嬉しい気持ちを育みます。
導入におすすめのアイデア
お店屋さんについての絵本を読む
おみせやさんでくださいな!作: さいとう しのぶ
動物たちの街の「ふれあい商店街」には30以上のお店があり、くまのパン屋さん、たぬきの豆腐屋さんなど実際に訪れたいお店がたくさん紹介されています。お店の人はどんな格好をしているかな?お店って商品以外にどんなものがあるかな?お話をしながお店屋さんについての理解を深められる絵本です。
実際のお店屋さんを見学する
お散歩の途中やお休みの日に保護者の人と、お店屋さんを見て、お店屋さんのイメージをつけるといいでしょう。お店にはどんなものが並んでいるのか、どういうPOPがあるのか、どうやって売っているのかを見て自分だったらどんなお店屋さんがやりたいか考えるきっかけになるでしょう。お店屋さんごっこ遊びの遊び方・ルール
事前準備
お店やさんごっこは事前の準備が必要なので、特別なイベントなどのときに行うと良いでしょう。日常の保育に取り入れる場合は、おままごとセットや野菜カード、乗り物カードなどを使うと簡単に遊べる方法もあります。①何のお店にするかを決めましょう。
子どもたちが実際に見たり、行ったことのあるお店から選んでみるといいでしょう。
②なんのお店にするか決めたら、お店で売る商品を作りましょう。
・商品
・トレー、トングなどの備品
・コスチューム
・看板
・値札、ポップ、ポイントカード
異年齢保育で行うのであれば、お店への招待状、チラシなどを作ってもいいですね。 商品は折り紙でも簡単に作れますので、たくさん作って用意しておくのがおすすめですよ。
③役割分担
役割分担を決めて、楽しめるようにしましょう。お店屋さんごっこ、買い物ごっこができるよう時間や役割を交代出来るようにしておきましょう。
・売る人
・買う人
・呼び込む人
・低年齢のお手伝いをする人
遊び方
- 役割を決めたら売る人、買う人に分かれてお買い物をしましょう。
1つのものを買うときは1つのお金を出すというふうにするとわかりやすく低年齢の子でもお買い物を楽しめます。
★ 遊び方解説のイラストをダウンロードしてご利用いただけます! こちらのページで紹介したイラストを遊び方の説明などでご利用いただけるよう、ダウンロード素材をご用意しました。ダウンロードするためには「ほいくisメンバー」への登録(無料)が必要です。 |
遊び方のアレンジ
お店屋さんのアイデア
●八百屋さん・折り紙を使って人参、大根、ネギ、なす、ほうれんそう をつくる
・オレンジや林檎についていたネットを使うとより本物らしく
●パン屋さん
・紙粘土でパンを作る(クリームパン、メロンパン、クロワッサン)
・トングやトレーがあるとよりパン屋さんらしく
●おもちゃやさん
・紙コップのけん玉やコマ
・廃材を使ったミニカー、電車
●スマホ屋さん
・ダンボールで作ったスマホ、画面には時計を表示しても
・ストラップなどのアクセサリーを付けても
●お洋服屋さん/アクセサリー屋さん
・お洋服につけるワッペンやベルトをダンボールで作成
・画用紙や牛乳パックを使ったティアラやネックレス、折り紙やモールを使った指輪
●お弁当屋さん
・透明のフードパックに詰めたお弁当に割り箸をつける
・ブッフェ形式のお弁当(ソーセージ、卵焼き、焼きそばなど)をセルフで詰める
●ドーナツ屋さん
・トングとトレーを用意して自分で選べる
・新聞紙や折り紙を丸めるとドーナツの出来上がり
●お魚屋さん/お肉屋さん
・食材トレーとラップを使った切り身
・発泡スチロールがあると本格的な魚屋さん
●ファストフード
・ジュース、バーガー、ポテトのセットで本格派
・紙コップやポテトのケースまでこだわると小さな子どもでもイメージが湧きやすい
●お寿司屋さん
・画用紙や発泡シートで作ったシャリに画用紙で作ったシャリをのせる
・回転寿司スタイル、その場で握るスタイルはお好みで
●アイスクリーム屋さん
・折り紙や画用紙で作るコーンとアイスクリーム
・新聞紙をぐるぐるしてソフトクリーム
他にも出来るごっこ遊びアイデア
・アイドルごっこ・1日保育園/幼稚園ごっこ
・遠足ごっこ
・学校ごっこ(就学時検診・作品展にお邪魔する前に行うとよい)
・アパレルショップごっこ
・ファッションショーごっこ
参観日に開催する
保護者参観日など保護者や家族が参加できるタイミングで、開催します 。保護者と子どもたちが一緒にお店を巡る、保護者が買う人になり子どもたちが売る人になるなどもあります。手作りの”商品”を持ち帰れると、帰宅後おうちのひと会話が弾みますよ。
異年齢保育で年少組を招待する
年長クラスがお店屋さんとなり、年少クラスの子どもたちを招待します。お店屋さんである子どもたちは憧れの存在となり、5歳児クラスになったらああなりたいという成長の目標を子どもながらに見つけられることでしょう。注意点
事故対策を行う
子どもたちが作品を作る場合は、先端が尖っていたり誤飲の可能性があるものが使われていないか確認しましょう。特に異年齢での遊びをする場合には、より注意が必要です。子どもの主体性を尊重しましょう
子どもたちのやりたい気持ちを尊重しましょう。基本的なルールは保育者から伝えますが、取り扱う商品や買い物方法など子どもたちの思いを大切にしましょう。お店屋さんごっこで楽しく遊ぼう
お店やさんごっこを通じて、普段のお家の人の行動を真似したり売れるための工夫、買うための工夫などが見られ、一段と成長につながることでしょう。準備こそ大変ですが、製作の時間などを使って上手に保育に取り入れると良いでしょう。お店屋さんごっこ楽しんでくださいね。▽▼あわせて読みたい!遊びアイデアはこちら▼▽