運動遊びとは
保育園では、絵本やブロック、鬼ごっこなど、子どもの発達に合わせてさまざまな遊びが行われています。これらの遊びは以下の5つに分類することができます(※)。- 感覚遊び(例:水遊び、スライム作り)
- 運動遊び(例:鬼ごっこ、縄跳び)
- 模倣遊び(例:見立て遊び、ごっこ遊び)
- 受容遊び(例:絵本、パネルシアター)
- 構成遊び(例:ブロック、積み木)
運動遊びとは、子どもたちが身体を動かす遊びの総称です。
保育園では「遊び」の要素を取り入れることで、運動能力と体力の向上だけでなく、身体を動かす楽しさや気持ち良さを味わえる体験を目指しています。
運動遊びには、次のような種類があります。
1.基本的な運動遊び
- 走る
- 跳ぶ
- 投げる など
- 鬼ごっこ
- リレー
- ドッジボール など
- なわとび
- ボール
- 滑り台や鉄棒などの固定遊具 など
※カール・ビューラーの分類による
ねらいと効果
保育園で行う運動遊びには、次のようなねらいと効果があります。運動能力と体力の向上
運動遊びを通して筋力や体力が向上します。繰り返し身体を動かしていくことで、基礎的な運動能力が向上し、さまざまな動きができるようになっていきます。また、友だちと一緒に楽しみながら身体を動かすことで、健康的な体づくりにもつながっていきます。
社会性や情緒面の発達
幼児期には集団遊びを通じて、友だちと協力したり、ルールを守ったりすることの大切さを学びます。「できた・できない」「勝った・負けた」などの経験を通して、喜びや悔しさなどの感情を体験し、相手の気持ちを理解するきっかけにもなります。
また、体を動かすことで、ストレスの解消や情緒の安定にもつながっていきます。
認知面の発達
運動遊びを通して、周囲の状況を把握する空間認知能力や注意力などが育まれます。身体を動かすことで脳が活性化されると共に、ルールを理解したり、記憶したりする力も培われるでしょう。友だちと一緒に活動することで、協調性やコミュニケーション能力の発達も期待できます。
取り組む際のポイント
運動遊びを行う際のポイントについて紹介します。安全性の確保
子どもの動きを予測し、危険な箇所がないか事前にチェックしておきましょう。子どもがバランスを崩しそうな場所にはマットを敷くなどして、ケガを防ぎます。発達過程に応じた遊びの選択
年齢や運動能力を考慮に入れ、少しだけ挑戦できる難易度のものを選びましょう。簡単過ぎるとすぐに飽きたり、スピードが出過ぎてケガに繋がったりする危険性もあります。楽しさの重視
勝敗にこだわりすぎず、楽しんで参加できるよう言葉かけを工夫しましょう。できるようになったことだけでなく、一生懸命取り組んでいる姿を認めたり、楽しい気持ちを共有する体験が大切です。クラス別(0~5歳児)の活動アイデア
各年齢における発達のめやすと活動アイデアを紹介します。0歳児
0歳の時期には、首のすわり、寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩きと順に運動機能が育まれ、1歳前後には一人歩きができるようになります。【運動遊びの例】
- ハイハイ遊び:保育士や玩具をめがけてハイハイで移動する
- ボールプール:ボールを投げたり、転がしたりする
- ハンカチ遊び:ハンカチを引っ張ったり、降ったりする
1~2歳児
1歳の時期に歩行が安定してくると、走ったり、回ったりするようになります。2歳頃になると、両足でジャンプができるようになります。【運動遊びの例】
- ぶら下がり:鉄棒にぶら下がり、両足を地面から浮かせる
- 新聞紙遊び:新聞紙を破ったり、丸めたりして遊ぶ
- ダンス:音楽やリズムに合わせて体を動かす
3~4歳児
3〜4歳頃には、走る・跳ぶ・投げるなどの基礎的な動作ができるようになり、全身を使って遊べるようになります。【運動遊びの例】
- リレー:スキップしたり、ボールをバトン代わりにしたり、アレンジしながら行う
- 鬼ごっこ:色鬼(いろおに)やしっぽ取りゲームなど簡単なルールのある追いかけっこをする
- 平均台:平均台をまたいで進んだり、上り下りを繰り返す
5歳児
5歳児頃になると、バランス感覚が育ち、さまざまな動きを組み合わせた運動遊びができるようになります。スピード感覚が発達すると同時に、動きを調整する機能も育ってきます。【運動遊びの例】
- サーキット遊び:マット、跳び箱、平均台などを組み合わせて周回する
- ドッジボール:チームに分かれて、ルールのある遊びを行う
- 縄跳び:短縄で一人跳びをしたり、大縄で友だちと跳ぶ
運動遊びで子どもの発達を促そう
運動遊びは、子どもたちの心身の発達を促す重要な活動です。子どもの年齢や発達に応じた遊びを選び、安全に配慮しながら楽しく実施したいですね。運動遊びを取り入れたいと考えている方は、参考にしてみてくださいね。
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