幼児に「うがい」はなぜ必要?
幼児期はさまざまな物に触れ、その手を口に運ぶことが多いです。そのため風邪などの感染症にかかるリスクが高くなります。また空気中に多くの菌が漂っており、ウイルスは口の中から体内に侵入しようとしています。幼児に期待できるうがいの効果は以下の3つです。
- 風邪の予防
- 口腔内の洗浄
- 喉の乾燥予防
私たちは「健康な心と体のために、自ら健康で安全な生活を作り出す力」が必要です。子どもたちがそんな力をつけるためにも、日々の生活の中で手洗いやうがいの習慣を身につけられるように関わりましょう。
うがいの練習はいつからできる?
うがいは「ブクブクうがい」と「ガラガラうがい」に分けられます。ブクブクうがいは3歳児で50%、4歳児で75%ができるようになり、ガラガラうがいは3歳児で25%、4歳児で50%、5歳児で75%ができるようになります。参考:日本歯科医師会 うがいの練習・指導
個人差はありますが、大人の動作を真似できるようになる1歳後半から2歳前くらいから少しずつ取り組んでいきましょう。ガラガラうがいができなくても、水を口に含むだけで感染予防になります。
また、感染予防対策の視点で考えた場合、うがいは少ない水で飛び散らないように注意して行うことが大切です。少ない水で行うことはうがいの時に口から水がこぼれにくくなる点でもおすすめできます。吐き出す時にはできるだけ低い位置からゆっくり吐き出すように教えてあげましょう。
うがいの仕方を教える時の注意点
成長に合わせて少しずつ、ステップを踏んで教えることが大切です。- 口に水を含んで吐き出す
- ブクブクうがい
- ガラガラうがい
お手本を見せて一緒に楽しむことが、うがい上達の第一歩です。そして少しでもできたらしっかりと褒めてあげましょう。具体的に「お口からお水がこぼれなかったね」「ブクブクが上手だったね」などと褒めてあげると子どもにも伝わりやすく、上達が速いです。
最初は上手にできなくても、うがいを毎日続けることでコツを掴み、徐々にできるようになります。子どもの健康のためにも根気強く続けることが大切です。うまくいかなかったとしてもできていることに目を向けて子どもが「できた」と思えるように声をかけましょう。うがいをすることが嫌にならない関わりが習慣づけには有効になります。
ブクブクうがいの練習方法
口に水を含んで吐き出すことができるようになったら、ステップを踏んでブクブクうがいの練習をしましょう。- 数秒間、口に水を含む
- 水を吐き出すタイミングを教える
- 頬をブクブクと動かす
ブクブクする動きは口に水を含まなくても練習できます。まずは空気を含んで練習すると、子どもたちも楽しみながら習得できるでしょう。
ガラガラうがいの練習方法
ガラガラうがいの練習のステップは以下の通りです。- 上を向いて「あ〜」と声を出す
- 水を口に含んだまま上を向く
- 水を含んだまま上を向いて「あ〜」と声を出す
- 強く息を吐きながら「あ〜〜」と声を出す
喉をガラガラと水でゆすぐ時のコツは声を出すことです。「あ〜」の声の音を高くしたり低くしたりして楽しみながら行いましょう。
うがいの練習は、楽しく・根気よく
子どもがうがいをできるようになるためには、楽しみながら根気強く練習することが大切です。保育園や幼稚園ではお友達がいるため、周りの子の姿を見て「自分もやりたい」「できるようになりたい」と思う気持ちが引き上げられるといいですね。保育者の声かけ次第で子どもたちのやる気につながり、どんどん練習してくれるようになります。そして、うがいが習慣になるためには、毎日の生活の中で行うことが重要になります。保育者と保護者が協力して、園でもお家でも実践すると習得が早いです。大人がやっていることを見せ、行なったことをたくさん褒めて、子ども自身が自分や周りの人の健康を守れるように関わっていきましょう。
A_haru
2012年から看護師として療養病棟、訪問看護、精神科病棟で勤務しています。子どもからお年寄りまでその人らしく生活することを応援中です。私生活では3児の母として、悩みながらも子どもたちとどう楽しく生活するかが目標です。