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園長の役割と仕事内容を解説|必要なスキルと資質・やりがい・年収

園長先生と保育士
保育園のリーダーを務める「園長」。キャリアアップを目指している方にとっては、目標とするポジションと言えるでしょう。しかし園長の仕事は、現場からは見えにくいものです。そこで今回は、園長の役割や仕事内容について解説します。

園長とは

保育園の園舎と園庭、すべり台
「園長」とは、保育園の最高責任者です。園の組織や、運営におけるリーダーであり、子どもたちの安全と発達を保証するための環境が整っているか監督する役割を果たします。保育園を取り巻く状況を広く把握し、適切な運営を維持する重要な役割を担っています。

園長として大きな責任を担う分、報酬も増えます。国の調べによると、令和元年(2019年)における常勤職員の年収は以下のようになっています。
職種 私立 公立
園長 6,790,740円 7,595,784円
保育士 3,621,876円 3,637,356円
出典:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査/内閣府

園長は保育園のリーダーとして、高い地位と報酬を得ることができます。

園長になるには?

キャリアアップしていくイメージ図
園長になるための要件は自治体や施設によって異なります。

東京都の保育所設置認可等事務取扱要綱には以下のように定められています。
公立保育所(公設民営を含む。)の施設長となる者は、児童福祉事業に2年以上従事した者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者であること。
出典:保育所設置認可等事務取扱要綱/東京都

公務員として働き始めて2年で園長の職に就く人は少なく、30年ほど経験を積んだ後に園長へとキャリアアップする人が多いようです。

私立保育園の場合、園長は「児童福祉事業に熱意があり、施設を適切に運営できる者」と定められています。保育士資格は必須ではありませんが、保育園を運営するためには、保育の知識と現場への理解が不可欠です。

また、保育士としてキャリアを重ね、10年ほどで園長職に就くケースも見られます。統計データ(※)を見ても、公立保育園よりも幅広い年代の人が園長として働いていると言えるでしょう。

※参考:全国の保育所実態調査(2008年・P36)/社会福祉法人 全国社会福祉協議会 全国保育協議会

園長の仕事

保育園の園長は、園の全体的な運営と管理に責任を持つ役職であり、幅広い仕事内容があります。以下に、園長の主な仕事内容を紹介します。

【施設の運営管理】
  • 設備の管理
  • 資金管理
  • 予算計画・事業計画の作成
  • 職場環境の改善
【保育の運営管理】
  • 職員の採用
  • シフト管理
  • 書類の最終チェック
  • 会議の総括
【保護者や地域との連携】
  • 保護者対応
  • 地域との交流
  • 行政とのやりとり
  • 行事での挨拶
一般的な仕事内容を挙げましたが、保育園によって園長が担う仕事は異なります。副園長や主任、事務などと役割を分担している場合もあります。

園長に求められる資質・スキル

保育園は子どもたちの命を守り、発達を促す場所であるため、園長は専門性と責任を持つ必要があります。​​以下に、園長に求められる主要な資質とスキルをご紹介します。

リーダーシップ

リーダーシップのイメージ図
園長は、園の理念を明確にし、共通意識を浸透させることで職員を統率するリーダーシップが必要です。保育園では、たくさんの保育士が働いています。子どもの発達を見据え、一丸となって保育を行うためにも、保育士をまとめるリーダーシップが園長には求められます。

マネジメントスキル

園長は、園の運営を円滑に行うためのマネジメントスキルが必要です。園の存続のため、現在だけではなく未来をも見据えた計画性のある財務管理、そして人材育成が求められます。

コミュニケーション能力

保育士とコミュニケーションをとる園長先生
園長は保育士や職員だけでなく、保護者や地域社会ともコミュニケーションをとる必要があります。円滑な関係を築くためにもコミュニケーション能力は必須で、傾聴する力や情報を明確に伝えられるスキルが求められます。

学習意欲

園長は、法制度や社会の変化をキャッチアップし、学び続ける意欲が求められます。常に最新情報を収集し、保育士や職員に伝達し、時代に合った形で保育園の運営を改善していくことが求められます。

問題解決能力

問題解決(PROBLEM・SOLUTION)を積み木で表現
園長は問題に対して解決をしていくためのスキルを持つ必要があります。また問題解決のためには、その過程で発生するストレスへの耐性も必要。保育園を運営する中でさまざまな課題や予期せぬ状況に直面した際に、ストレスをコントロールしつつ、問題を解決へと導く力が求められます。

園長のやりがい

保育園は、子どもや保護者、保育士など多くの人が関わり合う場となっています。園がポジティブな方向性へ向かっている時、園長は大きなやりがいを感じられることでしょう。以下に、園長が得られる主なやりがいについてご紹介します。

子どもたちの成長と発達への貢献

小さい赤ちゃんを抱っこする園長先生
子どもたちの成長と発達に貢献できていることにやりがいを感じられます。保育園で子どもたちは身体も心も日々成長していきます。できることが増えたり、自信に満ちた表情を見たりすることで、子どもが成長する場を築いていることが実感できます。

保護者の信頼と感謝

保護者から信頼や感謝の気持ちを受け取った時にやりがいを感じられます。保護者との信頼関係の構築や子育てのサポートは大きな課題であり、それが達成されたと感じる時に大きな充実感を得られます。

チームの育成

談笑する3人の保育士
保育士がチームとして育っていると感じられた時にやりがいを感じることができます。保育園はたくさんのスタッフによって成り立っています。スタッフ同士が信頼関係で結ばれ、チームとして共に成長している姿を見ることに喜びを感じられます。

地域への貢献

保育園は地域社会においても重要な役割を果たしています。子育て拠点として利用者が増えたり、子育ての悩みをサポートできたりすることは、地域に貢献している充実感をもたらします。

自らの成長

園長は日々さまざまな課題に直面し、解決策を見つけていく必要があります。問題解決能力やリーダーシップが高まり、自らが園長として成長していくことにやりがいを感じられます。

園長の悩み

保育園の玄関で考え事をする園長先生
大きなやりがいを感じる一方で、頭を悩ませることも少なくありません。園長が直面する悩みはさまざまですが、以下に一般的な悩みをご紹介します。

保育士の離職と採用

園を運営する上で保育士の存在は欠かせません。まだまだ保育士不足の現状の中で、離職率を低く保たなくてはいけません。また、採用募集を行った際には、求職者である保育士から選んでもらえる園になる必要もあります。園の魅力をどう伝えていくかは大きな悩みの一つです。

財務管理

財務や計画などさまざまなデータのイメージ
運営費の多くは、国や地方公共団体からの補助金で成り立っています。そのため予算の策定と管理を適切に行い、効果的に資金を使う必要があります。人件費や運営費、保育教材費など多方面での資金の使い方に頭を悩ませます。

規制と法令の遵守

保育園は、国や地方の法律や基準に従って運営しなければなりません。法令の変更や基準の通達に合わせて、その都度新たな対応を考えていくことが悩みの要因になることがあります。

個別ニーズへの対応

多様な保育ニーズのイメージ図
保育園ではアレルギーや障害、宗教など、個別のニーズに合わせた対応が求められます。また、保護者の生活や価値観も多様化しており、寄せられる意見にどう対応していくかも悩みの一因となります。

ストレス

園長には各部門から情報が集まり、それらの決定について大きな責任を伴うため、ストレスを抱えることがあります。部下に不安を与えないよう、感情をコントロールしながら問題と向き合うことが困難な場合もあります。

園長へのキャリアアップを考えてみよう

保育園の園長は責任を抱える一方で、園のリーダーとして大きなやりがいを感じられる役職でもあります。これまでの経験を踏まえて、未来を生きる子どもたちのために質の高い保育ができる園を増やしていきたいですね。園長へのキャリアアップを考えている方は参考にしてみてください。

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佐野きこ(さの きこ)

この記事を書いた人

佐野きこ(さの きこ)

現役保育士。
現在は子どもだけでなく、保育士や保護者など、子どもに関わる人をサポートする仕事がメイン。子どもも保護者も保育士も、みんなが笑顔になれる保育を目指している。
座右の銘は「保育士は、保育のプロである」
保育の専門家として、わかりやすく保育を語れるよう奮闘中。
家庭では、2人の息子のお母さん。

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