MENU

「遊び食べ」は子どもからのサイン|行動の理由と保育士の対応を解説

12
手づかみ食べをしている幼児
離乳食が始まった時期から2歳頃にかけて見られる「遊び食べ」。保育園における食事でも、0〜2歳児のクラスで見かけることが多いのではないでしょうか。今回は、遊び食べをする理由から実践的な対応まで、まとめてご紹介します。

遊び食べとは?

遊び食べをしている幼児の手元
遊び食べとは、食事の最中に食べ物をこねたり、投げたりする行動を指します。一見すると遊んでいるように見えますが、子どもの発達過程で見られる自然な姿です。

手づかみ食べができる頃になると、手で食べ物の感触を確かめたり、手指の動きを試したりするようになります。大人には遊んでいるように見える動きでも、子どもにとっては探索活動の一つで、世の中を知るために欠かせない行動だと言えます。

保育園では、遊び食べが見られる低年齢児クラスでの対応が求められます。複数の職員で連携しながら保育を行う場合は、子どもの発達過程を申し送りし、手づかみ食べを十分に経験させる、食欲が満たされた時には切り上げるなど、対応の仕方を共有しておくと良いでしょう。

また、保護者から遊び食べについての相談を受ける場合もあります。その際には、まずは悩みに共感し、園での対応について伝えましょう。その上で、食事環境の見直しや食への意欲を引き出す工夫などを一緒に考えていきたいですね。

遊び食べをする理由は?

まずは、なぜ子どもたちが遊び食べをするのか、その理由を見てみましょう。

食事に集中していない

手づかみ食べをしている女の子
お腹が空いていない時や別のことに意識が向いている時は、食事に集中できません。お腹がすくよう生活リズムを整えたり、日中の活動を工夫したりすることが大切です。

また、玩具などは片付け、食事に集中できる環境に整えましょう。

食材や食器への好奇心が芽生えている

「触ったらどんな感じかな?」「つるつるしていておもしろい」など、食材や食器への興味関心から遊び食べをすることもあります。

これも成長の一つなので、好奇心の芽を摘んでしまうことがないよう、子どもの気持ちを受け止めた上で、食事に向かう言葉かけを行いましょう。

保育士の気を引きたい

保育士の気を引きたくて、食具や食材を投げることがあります。怒ったり、落ちた物を拾い上げたりすると、その反応が楽しくなって繰り返すことも少なくありません。

「これをやれば、こっちを見てくれるんだ」という誤学習になるため、望ましくない行動に対しては過度に反応しないようにしましょう。「保育士に見てもらいたい」という欲求を満たすためにも、上手に食べている時に認める言葉がけをしていくと良いでしょう。

園での食事に慣れていない

重ねられた給食トレー
入園した直後は、給食の味付けや集団で食べる環境に慣れていないため、食事に集中できず、遊び出すこともあります。慣れるまでの期間には個人差がありますが、保育士や友だちと一緒に食事を楽しむ経験を重ねていくことで、少しずつ遊び食べは減少してくるでしょう。

遊び食べをするのには、その子なりの理由があります。まずはなぜそうしているのか、気持ちを探ってみることから始めてみましょう。​​
article_13

状況別の対応ポイント

このように、遊び食べにはさまざまな理由が考えられます。では、実際にどのような対応をすれば良いのでしょうか。ケース別に事例と対応ポイントを見ていきましょう。

食べ進まない時

給食の食べ残し
「とにかく食事が進まない」ということもありますよね。時間が気になり、焦ってイライラ…という経験がある先生方も多いかもしれません。このような場合、まずは「食事は楽しいこと」だと感じられるように意識してみましょう。

あくまで注意は食に向けておくことが重要です。食べ物の名前に興味を持ち始める2〜3歳児であれば、「スープには何が入っているの?」「どんな音がするかな?」など、食材のことを話題にして声かけをするのも良いでしょう。

また、気分によって食欲に差が見られる1歳児であれば、「電車が到着です~」と食材を子どもの好きな物に見立てて促すのもおすすめです。

食具を投げる時

乳幼児用の食具
2〜3歳児が食具を投げる場合は、「スプーンを投げるとお友だちに当たって危ないよ」と、投げてはいけない理由を説明しましょう。食具を渡す前に「スプーンは投げない」と繰り返し伝えることも大切です。

0〜1歳前半までは言葉の理解が難しく、繰り返し投げてしまうこともあります。手づかみ食べを存分に経験する時期でもあるため、一旦食具は片付けるのも一つの手です。後日、使い方を見せながら再チャレンジしてみましょう。

ぐちゃぐちゃにしてしまう時

ケーキを手でぐちゃぐちゃにしてしまった子ども
ご飯やスープを混ぜてぐちゃぐちゃに…というのも、よくある光景です。食への興味、楽しんでいる、そもそも食べたくないなど理由はさまざまです。

食材に対する探索欲求が強い0〜1歳半くらいまでは、子どもが自分で食べるためのお皿と大人が食べさせるためのお皿を別々にして、触りたい欲求を満たしながら食事を進めていきましょう。

2〜3歳で食材を混ぜている時は、お腹が満たされている場合が多いので、そのような時は食事を終わりにして、玩具で遊ぶよう促してみるのも良いでしょう。

伝え方の注意点とNG対応

手でバツを作っている保育士
遊び食べをしている姿を見ていると、苛立ちを感じることもあるかもしれませんが、保育士として冷静に対応することが大切です。ここからは、遊び食べの対応で避けるべき方法や注意点について見ていきましょう。

感情的に叱らない

遊び食べは子どもの発達過程における自然な姿であることを理解し、感情的に叱ることは避けましょう。叱られる経験が重なると、子どもにとって食事が楽しくない時間になってしまいます。

大人の反応を楽しんで食具を投げたりする時には、反応をしない方が効果的です。「フォークで食べる」という一見当たり前な行動をしている時にこそ、「わぁ!お兄さんみたいに食べてるね!」と褒めて、望ましい行動であることを伝えましょう。

無理やり口に入れない

給食の介助をする保育士と園児
遊び食べをして食事が進まないからといって、食べ物を無理やり口の中に入れることは絶対に避けましょう。食べる準備が整っていないのに口の中に食べ物が入ってくると、誤嚥に繋がりかねません。

食事の援助を行う際には、一口量を乗せたスプーンを口元へ持っていき、子どもが口を開けたら食べさせるようにします。頑なに口を開かない時は、「食べたくない」という意思の表れなので、食事は終わりにしても良いでしょう。

子どもの意思を確認して終わりにする

「食べ物で遊ぶなら、もう終わりね」と突然お皿を取り上げてしまうことが無いようにしましょう。「もう、食べるのはおしまい?」と子どもの意思を確認することが大切です。

1〜2歳児であれば、何回か口に運んで支援すれば、再び食べ始めることもあります。お腹がいっぱいで遊んでいるのか、それとも気持ちが逸れているだけなのか、子どもの様子を見ながらかける言葉を選んでいきたいですね。

遊び食べは成長過程の一つ

遊び食べは子どもの成長過程の一つであり、悪いことではありません。しかし、食事のマナーを身に付けていくことも大切です。その子のペースや気持ちに合わせて対応を変えながら、少しずつ遊び食べから卒業していけると良いですね。

【関連記事】
12
article_03
ほいくisメンバーに登録(無料)