保育士の手取り額の平均は?
内閣府が令和元年(2019年)に公表した資料によると、保育士の給与月額(賞与を含む)の平均は以下の通りです。認定こども園
【私立】- 主幹保育教諭・・・375,965円(平均勤続年数19.2年)
- 保育教諭・・・279,954円(平均勤続年数8.2年)
- 主幹保育教諭・・・514,214円(平均勤続年数23.1年)
- 保育教諭・・・287,181円(平均勤続年数9.9年)
保育所
【私立】- 主任保育士・・・422,966円(平均勤続年数21.7年)
- 保育士(常勤)・・・301,823円(平均勤続年数11.2年)
- 主任保育士・・・561,725円(平均勤続年数25.1年)
- 保育士(常勤)・・・303,113円(平均勤続年数11.0年)
事業所内保育事業
【A型適用】- 主任保育士・・・266,081円(平均勤続年数15.5年)
- 保育士・・・238,168円(平均勤続年数10.8年)
- 主任保育士・・・266,264円(平均勤続年数16.1年)
- 保育士・・・264,238円(平均勤続年数11.9年)
- 主任保育士・・・355,918円(15.0年)
- 保育士・・・269,782円(8.0年)
※事業所内保育事業は、20名以上の場合は認可園と同様の基準が、19名以下の場合は小規模保育事業A型、B型と同様の基準が適用されます。
※金額は、1人当たり給与月額(賞与込み)であり、平成31年3月分の月額給与。月額給与の他、平成30年度分の賞与の1/12を含みます。
参考:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果〈速報値〉【修正版】/内閣府
一人暮らしにかかる金額
実際に一人暮らしをすると、何にどれくらいのお金がかかるのでしょうか。実家暮らしと比較してのメリットやデメリットを検討するためにも、その実態は知っておきたいところです。今回は、現役保育士の女性3名に、「毎月必ずかかる費用」と、その内訳を聞いてみました。【手取り20万円】Mさんの場合
- 保育士歴3年/20代
- 東京都内で一人暮らし
- 認可保育園勤務
水道光熱費 7,000円
通信費 6,000円
定期代 6,500円
食費 20,000円
日用品費 5,000円
カード引き落とし代(買い物) 30,000円
貯金 20,000円
計159,500円
「手取り額はほぼなくなります。買い物はカードを使用することが多いので、その引き落とし額によっては前後しますが…。貯金は毎月20,000円と決めているのですが、自由費が4万円程度しか残らないので遊びに行ったりすると正直厳しい月も(笑)。」
家賃相場が全国的にも高い東京都内で一人暮らしをしているケースです。収入が手取り20万円でも生活することは可能ですが、余裕はあまり無さそうです。臨時の出費などもあると思うので人によっては厳しいと感じることがあるかもしれませんね。節約できるところはどこか見極めながら、いろいろ工夫していく必要がありそうです。
【手取り19万円】Sさん
- 保育士歴2年/20代
- 地方で一人暮らし
- 認可保育園勤務
光熱費 6,000円
食費 10,000円
通信費 7,700円
ガソリン代 10,000円
カード引き落とし代(買い物) 30,000円
貯金 30,000円
計148,700円
地方で勤務をしている場合、家賃は比較的低く抑えられますが、通勤のために車を所有している方も多いのではないでしょうか。毎月のガソリン代以外にも定期的に維持費がかかるので、この金額以上に車への出費は大きいかもしれません。ここでも生活費全体でのやりくりの工夫が必要ですね。
【手取り22万】Aさん
- 保育士1年目/20代
- 東京都内で社員寮暮らし(社宅)
- 認可保育園勤務
光熱費 3,000円(社員寮で毎月金額固定)
食費 10,000円(社員寮で朝夜食事付き)
日用品費 5,000円
通信費 10,000円
定期代 13,000円
カード引き落とし代(買い物) 30,000円
計:81,000円
こちらは、都内ですが社員寮で一人暮らしをしているケースです。勤務先によっては、社宅や社員寮に格安で住むことができる場合もあります。出費の大部分を占める家賃が抑えられるだけで、かなり余裕ができることが分かりますね。
このように、同じくらいの手取り額でも賃貸のマンション・アパートか、社宅・社員寮かによっても金銭面でかなりの差が出ることが分かります。入職先に利用できる社宅制度がある・なしの違いは、一人暮らしをしたい保育士さんにとっても大きいですね。
保育士さんにおすすめの貯金方法
一人暮らしをするには、無駄な出費を抑えつつ、きちんと貯えをしておくことが必要です。ここでは、保育士さんにおすすめの貯金方法・節約術をご紹介します。実践できるものから、ぜひ取り入れてみてくださいね。昼食は給食で
保育園の中には、1日数百円程度で給食を提供しているところもあります。給食は栄養面でしっかり考えられており、量も十分にあります。お腹いっぱいおいしいお昼ご飯が食べられるうえに節約にも繋がるのでおすすめです。自炊を心がける
コンビニ食や外食は、想像以上にお金がかかります。少し手間でも、「なるべく自炊を」と心がけるだけで、かなりの節約につながります。「毎日作るのは時間が無くて大変」という場合は、休日に1週間分の作り置きをしておくのもおすすめです。最近では、作り置きレシピの情報もインターネットや書籍でたくさん出ていますので、ぜひチェックして活用してみましょう。社宅・家賃補助制度を使う
月額数万円程度で住める社宅や社員寮を用意しているところ、住宅手当が支給されるところもあります。また現在、国の政策で保育士向けに「宿舎借り上げ支援事業」を実施しています(※)。国や地方自治体により、上限82,000円の家賃補助をしてくれる制度もあります。適用されるには条件があるため、当てはまるかどうかや運営主体の福利厚生でよく確認してみてください。※生涯約束された制度ではないため、なくなる可能性もあります。
参考:保育関係予算の概要【2019(令和元)年度補正予算案・2020(令和2)年度予算案】P34/厚生労働省
充実した一人暮らしを
一人暮らしはどうしてもお金がかかってしまうため、不安を感じることもあるかもしれません。しかし、しっかりと管理をすれば大丈夫。節約をしながら、充実した生活を楽しんでくださいね。【関連記事】