実技試験に向けた練習、気になることは?
今回は「保育士試験」対策! 前期は7月・後期は12月に実施される実技試験に向けて、一緒に準備をしていきましょう。「ほいくis」では実技試験で「音楽」を選択する予定の皆さんに、アンケートを実施。
そこで寄せられた「苦手なこと」「気になること」を克服するための方法を、保育士資格をもつミュージシャン・藤本ちかさんに聞いてみました。
Q、「弾きながら歌う」ことに慣れるには?
Q、練習しているけれど、ピアノを弾きながら歌うのがどうしても苦手。どうしたらいいでしょう?
ちかさんからアドバイス
私も苦手なものがたくさんあります。嫌な気持ちで向かい合うと、ミスタッチも増えて余計げんなりしがちです。試験ではありますが、保育試験のためだけにピアノに向かうのではなく長期的にみた時に「自分の人生を豊かにするアイテム」と思って向き合ってみてください。
コレが裏ワザ! 私が具体的にやっていることでちょっと恥ずかしいのですが… 「本番前のトレーニングとして、アンジェラアキさんなどになりきって練習」する方法があります! 弾き語りが上手な人=理想をイメージして、笑顔でスカッと開き直ってやってみる。 弾きながら「クスッと笑う」ことで、良い具合に肩の力が抜けると思います。そのことで、自分の可能性の幅が広がります。今の時代だと「Official髭男ディズム」さんなどをイメージするのも、おすすめです。 |
Q、人前で弾くときの緊張感、何か対策はできる?
Q、ピアノの実技のとき、絶対緊張すると今から思っています…。何か対策はないでしょうか?
ちかさんからアドバイス!
まず緊張すると体に起こる変化を、今のうちに冷静に分析しておきましょう! 緊張は「心拍数が上がる」「呼吸が乱れる」こういった体の変化が起こりがちです。呼吸の乱れから酸欠が起こってしまうと血流がうまく巡らず、手や頬が硬直したり冷たくなったり、普段の実力の妨げになります。
まずはしっかり深呼吸、それからぜひ直前まで手指のセルフマッサージをしてあげてください。緊張して汗をかきやすい方は、タオルハンカチをおまもり代わりに持っていてみてくださいね(ぎゅっと握っているだけでも安心しますよ)。
ピアノは指先だけで弾くのではなく全身を使って弾くので、本番前はできれば肩や腕などをまわしたり、肩を上げ下げするなど、可能な限りほぐすようにしましょう。
▼前日の夜や当日の朝は、こんなストレッチもおすすめです!
Q、緊張で歌声が震えるのは克服できる?
Q、練習のときでも、人前で歌い出したら「声がふるえてる!」と気づくことが…何か克服方法はありますか?
ちかさんからアドバイス!
「気づいた」ということは、まだ立て直して歌いきる可能性が残っています。大丈夫です!歌いながら息をお腹から吐き切り、体を緩めることで自然と空気が入ってきます。
腹式呼吸をおこない、20人ぐらいの子どもたちと一緒に大合唱をしている気持ちで、歌ってみてください。
ちなみに本番前の事前練習の時に、わざと声を震えさせて立て直す練習もしておくと、安心材料になりますね。
Q、試験当日が初めてのグランドピアノでも大丈夫?
Q、実はグランドピアノを一度も弾いたことがないのですが…大丈夫でしょうか?
ちかさんからアドバイス!
コロナ禍で自宅で練習する方も増え、グランドピアノに触れたことがない方は多いかと思います。ただ、可能であれば本番直前に1度は、自宅以外のピアノに触れておくことをおすすめしたいです。その理由は、大きく2つあります。
1.鍵盤のタッチ・重さの違いにビックリする
簡単に分かりやすく説明すると、鍵盤には重さがあり、スコンと軽いものから、重みを感じるものまであります。自宅で弾いていたピアノと同じ感覚ではない可能性もあります。
2.楽譜と手元の距離が違う!という衝撃がある
下記イラストのように、楽器によって譜面台の位置(楽譜を置く場所)が違います。手元と楽譜が同じ視界に入らない、ということがおきます。
例えば、可能であれば事情をお伝えして母校で弾かせていただいたり、今話題のストリートピアノやレンタルスタジオ を利用したり、という方法もあります。
いろんな鍵盤に触れて感覚の違いを知っておくと、本番中に焦らず安心して取り組めることと思います。
Q、もしも途中で演奏が途切れたら?
Q、もしも途中で演奏・歌が止まってしまった&とんでしまったら、どう切り抜けますか?
ちかさんからアドバイス!
私なら最初から弾きなおすのではなく、弾きなおせそうな場所から弾きなおします。子どもたちの歌は止まらずどんどん進むので、最初から戻って弾かずに立て直す必要が出てきます。
もちろんピアノが苦手で「最初からしか弾けない!」という人もいますよね。
その対策としては「今日は3小節目から弾こう」と、あらかじめ途中から弾きだす練習もしておくことをおすすめします。
指番号を守って弾いておくと、途中から立て直しやすくなります。練習の過程で、必要に応じて指番号をメモしておくと安心ですね。
Q、実技試験で緊張をほぐすコツは?
Q、実技前に緊張をほぐすコツはありますか?
ちかさんからアドバイス!
自分なりのルーティンを作ってみてはいかがでしょうか? イチロー選手の代打前ルーティン、五郎丸選手のキック前のルーティンなど、オリンピック選手がおこなっている手法です。ちなみに緊張した呼吸を整える方法として、私の中学時代の先生は「1点集中法」を伝授してくれました。
言葉の通り、1点だけを見つけて呼吸を整えます。鬼滅の刃の全集中・ヨガの呼吸法みたいですが、これは非常に効果的です。
呼吸をコントロールすることで集中力を高められ、良いコンディションで挑むことができますよ。
2022年(令和4年)の課題曲は?
今年の実技試験「音楽」の課題曲として、こちらの2曲が発表されました。・『小鳥のうた』
(作詞:与田凖一/作曲:芥川也寸志)
・『びわ』
(作詞:まど・みちお/作曲:磯部俶)
今年の実技試験の日程はこちら 【前期】令和4年7月3日(日) 【後期】令和4年12月11日(日) >>一般社団法人 全国保育士養成協議会「受験申請の手引き」 |
無料でダウンロードできる楽譜は、毎年ご好評をいただいています。今年の受験される皆さんも、是非チェックしてみてくださいね!
※動画配信&楽譜公開は2022年4月下旬です。「ほいくis」サイトとメルマガにてお知らせします。
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努力は人を裏切らないというように、日頃の努力と経験が身を助けます。あらゆることを想定して練習を重ねていきましょう!
▼対策動画の見本(2021年度保育士試験「ピアノ実技」)はこちら