今回のケースは「パニック」
今月は、加配保育士のお困りごとアンケートから「子どもが一度パニックになると、そこからなかなか平常に戻れない」ケースを取り上げます。パニックとは、混乱や不安などによって起こる「泣く、叫ぶ、暴れる」などの行動を言います。どこかへ行ってしまう、固まってしまうなどの形であることもあります。
パニックは、心身ともに子どもを消耗させます。また、パニックのときは脳が危機モードになるので、新しいことや人に興味関心が向きにくくなります。
パニックは、子どもの発達を妨げるのです。
また、パニックが重なると、周りから「うるさい子」「暴力をふるう子」と思われてしまい、他児や周囲との関係が損われる可能性もあります。
ですから、パニックを起こさせないようにする、起きてしまったパニックに適切に対応する、ことはとても大事なのです。
子どもがパニックを起こしたら?
まずパニックについては、- なぜパニックになるか、原因を明らかにする
- 原因に応じて対策を考え、パニックを起こさせないようにする
- それでもパニックになった時はどう対応するか考えておくようにします。
今回は、「1 パニックの原因」について、具体例とともにみていくことにします。
パニックの原因とは?
パニックの原因には、主に5つがあります。- 状況事象の影響
- 感覚過敏
- こだわり
- 予定の変更、予測がつかない状態
- 複数作業、過負担
パニックの原因1、状況事象の影響
<千春ちゃんのケース> 千春ちゃんは、最近は「おもちゃを貸してあげる」ことができるようになってきました。しかし、ここ数日は、おもちゃを目がけて他の子が近づいてきただけで、大声で泣き出します。 そのことを保護者に伝えると、ここ数日、近くの道路の夜間工事の音が気になって、眠れていないとのことでした。 |
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