待つことができることできない子の違いは?
集団の場面では、何かとよく出てくる言葉の一つに「待っててね」があります。待つことができる子と、待つことができない子、一体何がどう違うのでしょうか ?いくつかある理由の中から2つの理由を例にお話しします。
理由①待つことに必要なスキル
例えば、お友だちに「おもちゃ、かして。」と伝え、「待っててね」と言われた時に、なぜ待っていられるのでしょう。「待っててね」と言われて待っていられるのは、その後に実現するであろう、おもちゃを借りられた場面を予測、想像することができるからです。
ところが、待つことが難しいお子さんは、先の事をイメージすることが難しく、見通す力をもっていないために、「今」だけを考え、今すぐにおもちゃを使いたいと奪い取るような行動に繋がります。
「待つ」という事は、先を見通す力がついているからこそできるスキルなのです。
理由②待つこと自体が難しい
もう1つの理由として考えられるのは、感覚の偏りからくる、待つ(じっとしている)ことの難しさです。感覚統合の考え方では、私たちの感覚には五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)と二覚(前庭感覚、固有感覚)というものがあります。
五感は馴染みがあると思いますが、落ち着きがない、じっとしていられない、待てないという行動の理由には、この二覚の偏りが大きく関係していることがあります。
前庭感覚は、揺れや傾き、重力、スピード(加速)、回転など具体的に伝える感覚で、耳の奥の内耳という場所で受け取っています。固有感覚は、関節や筋肉で感じる感覚です。
どちらも、無意識に働いていることから、あまり意識することはありません。普段、人間は様々な感覚を働かせながら生活し、情動の安定にも繋げています。
待つ事(身体をその場に留めておくこと)が難しいのは、脳が動きの感覚刺激(前庭刺激や固有刺激)が足りないとキャッチし、必要な刺激を取り入れようと身体が動いてしまうのです。
これは、我慢させることができない生理的欲求(お腹が空いた、トイレに行きたい、眠りたい)と同レベルと言われています。
子どもたちの発達段階については、こちらの動画でも詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
待つことを支援するには?
では、どのように支援すればよいのでしょうか?
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