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世界各国の「子どもの日」事情
日本で「子どもの日」というと、端午の節句である5月5日を思い浮かべる人が多いかもしれません。それと同時に、3月3日のひな祭りも、ある意味「子どもの日」と言えるのではないでしょうか。そのため、ブラジルで「日本の子どもの日っていつなの?」と聞かれると、「3月3日は女の子の日、5月5日は男の子の日。でも、子どもの日として祝日になっているのは、5月5日なんだよ。」と答えています。それでは世界的に見てみると、どうでしょうか?
実は、6月1日を「子どもの日」と制定している国が多いことが分かります。なぜかというと、1925年にジュネーブの子どもの福祉世界会議で、6月1日が国際子どもの日(International Children's Day)と制定されたからのようです。しかしその後、1954年に国際連合は、「児童の権利に関する宣言」と「児童の権利に関する条約」が採択された11月20日を「世界こどもの日」と制定したことで、11月20日を「子どもの日」と定めている国もあるようです。
日本やブラジルは、子どもの権利条約を批准していますが、国としての「子どもの日」は別の日を設けています。というのも、制定されたよりも以前から「子どもの日」が国の祝日として広まっていた…という事実があるからかもしれませんね。
ブラジルの「子どもの日」は10月
さて、ブラジルの「子どもの日」は10月12日、別名「アパレシーダの聖母(ポルトガル語: Nossa Senhora da Conceição Aparecida)の日」と呼ばれています。以前は国民の80%がカトリック教を信仰していると言われていただけあって、宗教と深い関係のある祝日の一つであると言えるかもしれません。私が住むエステーヴァン村でも、年配の方の多くは、私たちが知る、10月12日を「子どもの日」とは呼ばず、「Nossa Senhora da Conceição Aparecidaの日」と呼ぶ人がほとんどです。そのため、「子どもの日」には、教会のミサに参加する人がたくさんいます。子どもたちはどう捉えている?
それでは肝心の子どもたちはというと、クリスマスと同じくらいプレゼントをもらえる日として認識しています。9月になると、市の中心街の洋服や玩具店では、「子どもの日セール!!」として、あちこちでにぎわっているのですから仕方がありませんよね。▼その他の関連記事