手作りおもちゃの隠れたメリットとは?

手作りの布おもちゃ
人気の布おもちゃ作家で元保育士の“ゆっこせんせい”によるコラム。今回は、「いま、おもちゃを作るとしたら」という視点で子どもたちを見ることによる効果のお話。おもちゃを手作りで作る、隠れたメリットについて語ってもらいました。

「おもちゃを作ってみよう」と思うのは、どんな時でしょう?

例えば…「おもちゃの数が足りないみたい」と感じた時。

それはなぜ?

誰かが使っていると、すぐに他の子も欲しくなる。無理やり引っ張ったりして、ケンカばかりで、ちっとも遊びに夢中になれない。

そう。

友だちのおもちゃが欲しくなるのは、友だちの遊びに興味を持ち始めた証拠。まだ、「かして」「ちょうだい」って言葉でうまく言えないから取り合いになってしまうけれど、「わがまま」なんかじゃない。友だちとの関わりが生まれる第一歩。でも、やっぱりケンカばかりじゃつまらないから、数を増やして「ここにもあるよ」と誘えたらいいですよね。
それから、例えば…「今あるおもちゃでは、物足りなくなってきているみたい」と感じた時。

お人形はあるけれど、持って歩くだけ。すぐにポイッと置いてきちゃう。お布団があったら、優しく寝かしてくれるかな? ミニタオルがあったら、口や手を拭いてくれるかな? おんぶひもはどうだろう?

今まで気に入っていたおもちゃに夢中なれなくなるのは、子どもが成長した証拠。何かちょっと足してあげることで、遊びの形が発展します。
それから、例えば…「こんな遊びを体験してほしい」と思う時。

いつも元気いっぱいな子どもたち。お部屋の中でも、ついつい走り回って、おおはしゃぎ。時には、落ち着いて座って、じっくり集中して遊んでほしいな。どんなおもちゃがあれば、夢中になってくれるかな? ままごとコーナーを充実させてみようかな? ひも通しやボタンはめのおもちゃはどうかな?

子どもは、今できることより、ほんのちょっとムズカシイことに夢中になります。今あるおもちゃを遊びこんで簡単になってしまうと、心ときめくものが少なくなり、ウロウロ落ち着かなくなったり、走り回ったりすることが増えてしまいます。

少し前までは難しかった遊びやおもちゃが、新鮮に感じられ、チャレンジ精神がムクムクと湧いてくるかもしれません。
こんな風に、「おもちゃを作ってみようかな」と思いを巡らせることで、子どもの成長を感じたり、日々の保育を見つめ直すきっかけになるのです。

今年度も残り約3カ月。

4月から子どもたちの心も体も、ずいぶん大きくなったことでしょう。保育室のレギュラーおもちゃを見直すのにも良い機会です。今、どんなおもちゃが必要でしょうか?

「今、作るとしたら…」という視点で、子どもたちの姿や保育を見つめ直してみませんか?
ゆっこせんせい

この記事を書いた人

ゆっこせんせい

布おもちゃ作家。一般社団法人 布育普及協会 代表理事。静岡市清水区在住。十数年の保育士勤務と育児経験を経て、小さな頃から大好きだった手芸を生かし創作活動を始める。作家歴15年。
「“おもちゃ”は、子どもにとって、単なる暇つぶしの道具ではなく、成長・発達にとってかけがえのないもの」という考えのもと、育児や保育に役立つ布おもちゃを提案している。
保育雑誌「ピコロ」「ひろば」「ポット」で連載。「ラポム」「幼児と保育」などで執筆。清水区の「ぬのいく協会アトリエ」にて「布おもちゃのお部屋」運営中。
<ぬのいく協会HP>
http://nunoiku.com
<ブログ>
http://ameblo.jp/yukkotoy

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