ログイン

甘えん坊のアンジェリーナ。カノア保育園の子どもたち

笑顔で砂浜に座るアンジェリーナ
ブラジル・カノア保育園の設立ストーリーと並行してお届けする新シリーズ「カノア保育園の子どもたち」。第1回目は、園ができるきっかけとなった子どもたちの一人、甘えん坊のアンジェリーナ編です。

カノア保育園ができる前、エヴァさんの家で集まっていたお母さんたちの中心にいたのは、「イレーニ(Irene)」でした。彼女には7人の子どもがいて、エヴァさんの家に来る時にはいつも、末っ子の「アンジェリーナ(Angelina)」を連れてきていました。

実は、エヴァさんが療養のためにとエステーヴァン村に来ることになったきっかけは、サンパウロのスラム街で働いていた時に助産院を営んでいた、ドイツ人助産師の「アンジェラ(Angela)」の話しを聞いたからでした。

アンジェラさんはカノアが観光地として名高くなる前からエステーヴァン村を訪れていました。そして村を気に入り、休みのたびに通うようになったのです。その時にいつも泊めてもらっていたのが、イレーニさんの家でした。そのため、エヴァさんが初めてこの村に来たときも、一番初めに友人となり、交流を持ったのがイレーニさんだったのです。





イレーニさんが子どもを連れてエヴァさん宅に毎日来るようになり、他のお母さんたちも集まってくるようになりました。カノア保育園のはじまりのきっかけはすべて、この時だったのです。

アンジェリーナは笑顔の可愛い、人懐っこい子どもでした。私がまだ言葉も分からず、他の子どもが遠巻きに私を見ていた時でさえ、アンジェリーナは私のそばに来て、一緒に遊ぼうと誘ってくれました。そんなアンジェリーナは当時すでに4歳。カノア保育園初めての子どもたちが3歳という中で、一番年上でした。

それでもアンジェリーナは他の子どもたちのお姉さんというよりも、一番の甘えん坊といった感じで、私たちにくっついていました。7人兄弟の末っ子。やはり甘え方がとても上手だったのでしょうね。

アンジェリーナが一番好きだったのは、人形遊びでした。思い返してみると、彼女はいつも人形を抱いて笑っている、その姿が目に浮かんできます。友だちとおままごとをするアンジェリーナ。彼女の家には両親がおり、親せきも一緒に住んでいる他の子どもたちとは異なる環境で育ったため、おままごとをしていると不思議に思うことがよくあったようでした。

「おじさん、この子を見ていてくださいね」

友だちがそう言って人形を他の友だちに手渡すのを見ると、

「えっ?おじさんじゃなくてお父さんでしょ?」とアンジェリーナ。

「違うよ。お父さんがいないから、お母さんが仕事に行くときはおじさんが見ててくれるんだよ」

そんな答えを聞くといつも私たちのところに来て、「変だよね?」と首をかしげていました。

そんな時にエヴァさんは、
「お父さんがいる家も、いない家もあるし、兄弟が小さな赤ちゃんの面倒を見ることもあるからね」と話しをするのでした。

2020年。そんなアンジェリーナも今では母親となり、現在3歳の男の子がいます。
 
笑顔で砂浜に座るアンジェリーナ

>>なぜ「母の日」から「家族の日」になったのか?カノア保育園決めた理由
>>みんなで作るカノア保育園<その5>本当に必要な保育とは?
鈴木真由美

この記事を書いた人

鈴木真由美

保育士。ブラジル・カノア保育園 園長。2000年にブラジル北東部にある漁村カノアに渡り保育園の運営を始める。2006年にカノアでの支援を目的にした「光の子どもたちの会」を設立(2015年にNPO法人となる)。現地の地域力向上を目指して活動中。2児の母。
<光の子どもたちの会HP>
http://criancasdeluz.org/quem_somos_nos/quem_somos_jp.html

関連タグ

シリーズ関連記事

おすすめ記事