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スウェーデンのプレスクールで必ず行われる冬の伝統行事「聖ルシア祭」

スウェーデンの家から見えるクリスマスツリー
スウェーデン在住で2児の母であり、プレスクールで保育士として働くよしざわたかこです。この連載ではスウェーデンの幼児教育を中心として、保護者の目線と働く目線とを織り交ぜながら、現地のリアルな情報をお伝えしていきます。
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プレスクールで必須の行事「聖ルシア祭」

今回はスウェーデンのプレスクールの行事についてお伝えします。スウェーデンのプレスクールでは、1年を秋学期・春学期の2学期に分けて運営していて、それぞれの学期に1~2回ほど保護者を招待して行う行事が計画されています。行事は各プレスクールによってさまざまですが、どの園でも必ず行う行事が秋学期にあります。それが12月13日に行う「聖ルシア祭」です。

聖ルシア祭はキリスト教の行事の一つで、北欧諸国と南ヨーロッパの国々で根づいた伝統的行事です。元々は各家庭の年長の女の子が参加するものだったようですが、現代では伝統行事の継承ということで、プレスクール、小・中学校、高校で子どもらが白いロングワンピースに赤いリボンを腰に巻いた衣装に身をつつみ、ルシアの歌を歌いながら行進します。日中は近くの企業や老人ホームに歌いに行き、15時から保護者を招待して歌を披露することが一般的です。
 
スウェーデンの聖ルシア祭のお祝いをする女の子
多くのプレスクールで、年長児クラス(3-5歳児)の子どもたちが12月になるとルシア祭で歌われる曲を練習し始めます。練習といってもサムリング(※)の時間に何曲かを1回ずつ一通り歌って終わりです。もっとうまく歌おうとか、当日の完成度は求めていません。あくまで伝統行事を楽しみ、体験することが目的なのです。




気温がマイナスでも屋外で開催

日本の幼稚園、保育園のようにホールがある園はほとんどないため、外で歌の披露となります。この時期は気温がマイナスになる日もありますが、極寒の中でも開催されます。そして当日は両親のみならず、祖父母の姿も多く見られます。子どもたちはスキーウエアのような防寒着の上にルシアやサンタクロース、ジンジャーマンの衣装をまとい、一列になり歌いながら入場してきます。

先生の指揮のもと、準備していた歌を一生懸命に歌ってくれる子どもたち。しかし、先生が「次はこの曲よ」と子どもたちにいうのですが、ピンとこない子もいて曲の始まりでなかなか声が出ないのは、毎年定番の光景です。その後は、園の方で「フィーカ」のおもてなしをします。フィーカとは、「お茶」を意味する言葉ですが、子どもたちは歌を終えると家族のもとに行き、一緒にフィーカを楽しんで1時間程度でお開きとなります。
部屋の中に飾られたクリスマス飾りの小物

2020年は子どもたちだけで開催

残念ながら2020年は新型コロナウイルスの影響で、行事の開催は園内で子どもたちだけで行うことになってしまいました。それでも保護者だけが見られるライブ配信を試みるなど、現代だからこそできる方法を模索している園もあります。

今回は、街中がクリスマスムードに包み始められたスウェーデンより行事についてお伝えしました!

※子どもたちが集まって輪になって座り、歌をうたったり、本の読みきかせをしたり、誕生日のお祝いをしたりする時間のこと。


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よしざわ たかこ

この記事を書いた人

よしざわ たかこ

スウェーデンの保育士。東京でOL(10年)→出産→退職→幼児教育を学ぶために再度大学生→2016年に家族でスウェーデン移住→スウェーデン語をゼロから学び、2019年5月からプレスクールに勤務中! 移住後は、スウェーデンの幼児教育事情をブログにて配信中。

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@swedenhoiku
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<ニュースレター スウェーデン保育通信>
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