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遠藤利彦先生に聞く、保育研修を実践に活かすポイント【インタビュー】

Cedepセンター長の遠藤利彦先生
近年、保育者向けの研修プログラムは、オンラインも含めて質・量共に充実してきています。学びの機会が増える一方、現場からは「日々の保育にどう生かせば良いか分からない」という課題感も聞こえてきます。せっかく得た知識を、保育の実践に繋げていくにはどうしたら良いのでしょうか? 今回は、研修の取り組み方と実践に活かすポイントについて、Cedep(※)センター長の遠藤利彦先生に伺いました。
※東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター

これからの保育研修の役割と取り組み方

保育者の研修について語る遠藤利彦先生

従来からあった各団体や民間の保育者向け研修に加えて、2017年(平成29年)に国が制度化した「保育士等キャリアアップ研修」も推進されています。また、コロナ禍をきっかけにオンライン形式が一気に普及したこともあり、ここ数年で研修プログラムの選択肢が大きく広がったように感じます。このような変化をどう捉えていらっしゃいますか?

研修の機会そのものが増えたこと自体は、ポジティブに捉えて良いと思っています。しかし、逆に言うと、選択肢が多くなっている分、先生方が自分自身で「何を学ぶべきか」を判断しなければならないので、そこがちょっと悩みの種になっているのではないかという気もします。

保育者一人ひとりには個性もありますし、学びの課題感もそれぞれ違っているはずです。本来は、施設長の先生などが、一人ひとりの保育者に合わせた研修を選んで機会を提供していくようにすれば、スキルアップが進むのではないかと思いますが、現時点ではまだそこまで至っていないかなと。そのあたりが今後の課題になりますね。

確かに選択肢が増える中で、園側でも一人ひとりの課題感を把握していないと「何を学べば良いのか?」ということになってしまいそうですね。

あれもこれもという感じで、「全部学ばなければいけない」みたいなことになると、負担感も大きくなりますね。やらされているという気持ちになると、逆効果なのかなという気がします。

どのように保育研修に取り組んでいけば良いでしょうか?

研修で新しいことを学んでいくということだけでなく、それを自分事として捉えることが必要になってくると思います。自分自身が実際に関わっている事例に、学んだことをどれくらい結び付けられるのかという点が重要です。

中には、実際に担当しているお子さんに当てはめて、いろいろ考察しながら取り組む先生方もいらっしゃいます。要するに、「保育の実践に変えていける」方ですね。ただし、そこまでに至るのは、かなり高度な取り組みになるのかなと思います。

研修で学んだことを自分事として実践に活かしていくという意味では、園内研修がすごく重要だと考えています。一人ひとりの子どもにどう結び付けていけるか? いろいろな人の意見を聞き、自分自身でどう深めていくか? という点が本来すごく重要にはなるんですが、残念ながら現状では、聞いてきたことを園内研修で落とし込むという機会が十分ではないように感じます。

実践に繋げていくには、園内研修がポイントということですね?

現状は、園内研修の持ち方自体が分からないという園が多いように思います。そういう意味では、施設長や主任の先生方を対象にということになりますが、恐らく「園内研修の持ち方に関する研修」みたいなものが大切になるかなと。これが徐々に浸透してくると、研修を現場に結び付けられる確率も高まってくるのではと思います。

最も現場に近い研修が園内研修だけど、どう活かしていくのが良いか分からないということですね?

そうですね。分かっていない部分がすごく多いと思いますね。

往還型研修

研修でメモを取る受講生

外部の研修を実践に繋げるという点では、「往還型研修」が最近注目されています。このことに関して、先生の捉え方を教えてください。また、ポイントになる部分についてはいかがでしょうか?

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ほいくis(ほいくいず)編集部

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ほいくis(ほいくいず)編集部

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