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映画『みんなの学校』の校長先生!木村泰子さんに聞く“ふつう”とは?【インタビューVol.1】

「みんなの学校」の木村泰子先生
大阪市住吉区にある『大阪市立大空小学校』の初代校長を務め「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」という理念のもと、多くの子どもたちを見守り続けた木村泰子さん。小学校の2012年度の1年間を追ったドキュメンタリー映画『みんなの学校』は大ヒットし、現在も全国各地で上映会が行われています。発達障害、虐待、不登校など、子どもたちを取り巻く多くの問題に真正面から向き合った木村さんに、保育者の視点からさまざまなお話を伺いました。第1回目のテーマは、「ふつう」。保育現場でもよく耳にする「グレーの子」とは? 「問題児」とは? そんな疑問を率直にぶつけてみました。

子どもたちは“カラフル”

保育現場では、発達障害の疑いがある子どもを「グレー」と表現することがあります。これは、自分の中の「ふつう」という概念ができているからだと思います。では、「ふつう」とは何でしょうか。

グレーというのは、白と黒があるから間のグレーが生まれるんですよね。現場の方々は、限りなく黒に近い子どもをグレーと言うことがあります。子どもを白黒で色分けしている。障害がない子は白で、障害がある子は黒。これは、ひとつの人権侵害でもあると、私は思います。

発達障害をあまり学ばず、深く考えずに「グレー」だと言っているのかもしれません。でも、子どもたちはそのような大人の前で安心して過ごすことはできへんのではないでしょうか。

もし、「ふつう」を色でたとえるなら、カラフルです。100人の子どもがいたら、100通りの色を持っています。100通りの色を持って、保育園や幼稚園、小学校に来るんですよ。

保育士が「あの子はグレーだから」と他の子どもたちと別扱いしていると、それを見て育つ子どもたちも自然とそうなってしまいますよね。

その通りです。大人たちが「あの子はグレーよね」と思うこと自体が、それを見ている周りの子どもたちを残念な状況にしてしまっているのではないかと、私は思います。

そのまま小学校にあがってきますよね。小学校の教育現場って、保育園や幼稚園の子ども同士の関係性がリアルに現れるんですよ。保育園や幼稚園で子どもたちまでもが「〇〇ちゃんは他の子とは違う」という意識を持ってしまうと、それは小学校にあがっても続きます。

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