企業内保育所・病院内保育所とは?
企業内保育所・病院内保育所は、企業や病院の中や会社の近隣施設に設置された保育施設をいいます。企業や働く従業員や病院で働く医師や看護師などが保育施設を利用することができます。従業員だけでなく、地域の子どもの受け入れも可能です。企業内保育所や病院内保育所は「企業主導型保育園」ともいい、内閣府が主体となった「企業主導型保育事業」として2016年に始まったもので、企業が従業員の仕事と育児を両立を支援することを目的に導入されました。
「企業主導型保育園」は厚生労働省が定める基準を満たしていない「認可外保育園」に分類されていますが、国から運営費や整備費の補助金を受けて運営しています。認可外保育園は保育料が高額になりますが、「企業主導型保育園」は平均的な認可保育園と同じくらいの保育料で利用することができます。
また、「企業主導型保育園」は休園日や開園時間を企業側が設定しています。従業員の働き方に合わせて日曜・祝日も開園していたり、24時間開園していたりする園もあります。「企業主導型保育園」の特徴をまとめると以下の通りです。
【企業主導型保育園の特徴】
- 認可外保育園に分類される
- 認可保育園とほぼ同等の助成金を受けている
- 運営している企業内または職場近くに設置
- 運営企業が開園時間や休園日を設定
- 保育料は事業者が設定している(水準額に応じて設定)
- 0~5歳の子どもが対象(0~2歳児を対象とする園が多い)
- 職員配置基準は事業所内保育園や小規模保育事業と同等(保育士の数が少ない)
企業内保育所・病院内保育所で働くメリット
企業内保育所・病院内保育所は、認可保育園やその他の認可外保育園と異なる特徴があります。保育士として働くときにメリットになる内容について紹介します。運営企業が給料や福利厚生を決めている
企業内保育所・病院内保育所の給料や福利厚生は、運営する企業が決めています。運営している企業が大企業などの場合、給料や福利厚生が充実していることも多いです。転職するときに条件面を重視している場合には、企業内保育所や病院内保育所の求人も検討してみてはいかがでしょうか。保護者の勤務先と保育所が近い
企業内保育所・病院内保育所は職場内や職場の近くに設置されていることが多く、保護者が保育所の近くで働いていることが多いのが特徴です。子どもが体調不良のときなどに連絡が取りやすい、保護者の仕事の状況が把握しやすいところは、保育士にとっても安心できる点ではないでしょうか。保護者同士が同じ職場で働いていることが多いため、アットホームな雰囲気の保育所も多いようです。保育士も保育施設を利用できる
企業内保育所・病院内保育所は運営する企業や病院の従業員が利用できるため、保育士も自分の子どもを預けることができます。保育士自身が自分の子どもを保育園に預けられない場合や、きょうだいが別々の保育園に通っていて送迎が大変という場合、自分も保育施設を利用できるのはうれしい点ではないでしょうか。企業内保育所・病院内保育所で働くメリット
続いて保育士が企業内保育所・病院内保育所で働くときのデメリットを紹介します。保育士の数が少ない
「企業主導型保育園」の職員配置基準は事業所内保育園や小規模保育事業と同等で設定されています。認可保育園が保育士資格を持った職員で保育しているのに対して、「企業主導型保育園」では保育士資格を持つ人の割合が半数となります。保育士資格を持っている人に業務が集中することも少なくありません。シフトが不規則になるケースがある
企業内保育所・病院内保育所は従業員の仕事内容に合わせて休園日や開園時間を柔軟に設定していることがあります。日曜・祝日がお休みではなかったり、24時間体制で子どもを受け入れていたりするケースも少なくありません。保育施設を利用する従業員にとってはうれしい点ですが、保育士として働くことを考えるとシフトが不規則になるというデメリットがあります。シフトについては運営企業に準ずることが多く、一律ではありません。大型連休や年末年始休暇が運営企業に準じて長期間休みがとれるなど、働きやすいシフトの職場もありますので、自分のライフスタイルに合った求人をじっくり探してください。まとめ
今回は、企業内保育所・病院内保育所で働くメリット・デメリットについてご紹介しました。特徴をふまえたうえで求人を比較検討し、自分に合った職場を見つけてくださいね。
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