鼻血が発生する場面
一言で鼻血と言っても、原因はさまざまです。ここでは、代表的なケースをご紹介します。
①鼻の中を触ってしまう


②鼻の中が乾燥している
風邪をひいて鼻をかんだりしていると、鼻の粘膜が傷つき鼻血を起こすことがあります。冬場は特に乾燥しているため、鼻の粘膜が傷つきやすくなっているので注意が必要です。③外気温が高い

④外傷
転んだ衝撃や、飛んできたボールが鼻にぶつかり鼻血を生じることがあります。また衝撃が大きい場合は、鼻の骨を折ってしまうことで太い血管を傷つけ、鼻血が起きることがあります。血液の管には、動脈(流れが速く太い血管)と静脈(ながれがゆるやかで細い血管)の2種類がありますが、動脈を傷つけてしまうと血液が止まりにくく、血圧の低下や意識障害など大きな容態の変化があるので注意が必要です。
鼻血の対応手順
ここでは、鼻血が起こってしまった場合の応急処置について見ていきましょう。まずは、子どもが不安にならないように「大丈夫だよ」と、安心できる声をかけながら対応することが大事。子どもが不安になると血圧が上昇し、鼻血が止まりにくくなることがあります。また、対応する時には感染予防策を講じることも必要です。ビニール手袋をつけ、直接血液に触れないよう注意しましょう。
①座らせる
前かがみになり、少し下を向くようにして椅子や床に座らせましょう。仰向けに寝かせたり、首の後ろをたたいたりしないよう注意してください。喉に血液が回り、吐き気をもよおすことがあります。乳児の場合は、保育者の膝の上に座らせて対応しましょう。
②圧迫止血をする
小鼻(鼻の膨らんでいるところ)をつまんで圧迫しましょう。つまんでいる時に血液が垂れることもあるので、ティッシュやガーゼなどを鼻の出口部分にあてがいましょう。
③ガーゼを詰める
基本的には圧迫止血で対応することが好ましいですが、子どもがじっとしていられない場合などは、一時的にガーゼを詰める対応もあります。必ず子どもの様子を見ながら対応しましょう。緊急時でガーゼが無い場合はティッシュを詰めることもありますが、ティッシュは繊維が荒いため、止血後に外した時に再出血を起こす可能性があります。応急処置が終わったらガーゼに取り換えるなど、状況に合わせて、できる対応をしましょう。
④安静にする
止血後は動き回ったりさせず、安静にしましょう。鼻を触ったり、鼻をかんだりして刺激しないよう注意することが必要です。
鼻血が止まらない時に考えられること
中には鼻血が止まりにくく、何度も起きてしまうことがあります。その場合は、血液の病気の可能性もあります。血液には、血液を固める「血小板」という成分が含まれています。血小板は、鼻血などの出血時に血液を固め、傷を塞ぎ、出血を防いでくれます。白血病や紫斑病(しはんびょう/血小板減少症)という血液の病気では、血小板の数値が基準値より下回るため、出血が起こると止まりにくい症状が出ます。圧迫止血をして数十分経っても止血しない場合は、医療機関への受診を検討しましょう。また、「顔色が悪い」「出血が多い」「声かけへの反応が鈍い」「鼻が変形している」といった場合も受診を検討して下さい。
保護者への連絡

慌てず対応できるようにしよう
「遊んでいる中でお友だちの手が不意に当たる」「転んで鼻をコンクリートにぶつけてしまう」など、鼻血が発生する状況はさまざまです。どんなケースでも慌てずに対応できるよう日頃から保護者との連絡体制を確認し、ケアの方法やその後の対応について保育者間で共有をしておきましょう。こちらを参考にして、子どもたちが安心して園での生活を送ることができるよう準備してみてくださいね。▼関連記事はこちら