保育者が語る被災体験
1月の能登半島地震の発災を受け、ほいくisでは、保育施設での震災体験と日頃からの対策に関する緊急アンケート調査を実施。保育者の皆さんから、実際に園で被災した際の生々しい体験談を始めとする、多くの回答が寄せられました。園の防災体制の見直しにも参考になる貴重なコメントとデータをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。保育者の災害体験と教訓
災害体験に関する保育者モニター調査に寄せられた結果は、なるべく多く紹介するために2本の記事に分けてご紹介させていただきました。特に東日本大震災に被災した保育者の体験談は、今後の防災体制を考える上でも貴重な証言とも言える内容ですので、できるだけ多くの保育関係者に共有いただければと思います。また震災だけでなく、台風や豪雨などの水害や火災、停電、豪雪といった災害の体験談をご紹介しています。ぜひ確認してみてください。
震災時の園の役割と防災対策
続いては、震災が発生した際の対応から、発災時の園の役割、日頃からの防災対策についてご紹介します。震災時の対応と発災後の役割を知る
「保育防災」の啓蒙活動に取り組む(一社)保育の寺子屋が提供するこちらの記事では、震災が発生した際の対応と、発災後の園の役割を解説しています。また、事前に準備しておきたいBCP(事業継続計画)についても解説。園で防災対策について話し合う機会がある際は、ぜひ参考にしてみてください。アンケート調査から分かる避難訓練のポイント
災害に関する保育者モニター調査では、園で毎月実施されている避難訓練についても多くの回答が寄せられました。結果からは、各園がさまざまな課題感を持ち、工夫をしながら避難訓練に取り組んでいる姿が見えてきます。避難訓練の進め方
毎月の園での定期避難訓練では、目的意識を持って、いざという時に実践できるような内容にする必要があります。こちらの記事では、避難訓練の基本的な進め方について解説しています。防災チェックリスト
こちらの記事は、毎年9月1日の「防災の日」に合わせて、園の防災対策を見直すためのチェックポイントについて解説しています。特別な訓練の実施や、園の総点検をしたいと考えている方は参考にしてみてください。防災グッズ・備蓄品
災害時に備えて用意しておきたい防災グッズや備蓄品。こちらの記事を参考にチェックしてみましょう。防災関連用語ピックアップ
保育に関する用語を解説する「保育用語集」コーナーから、防災関連のキーワードをピックアップ。基礎知識として押さえておきましょう。【BCP/事業継続計画】
「BCP」とは、Business Continuity Planning(事業継続計画)の頭文字を取った略語で、組織が自然災害やテロ、システム障害などの危機的な状況に遭遇した場合に備えて、中核となる業務を継続し早期復旧を図ることができる方法や手順を予め決めておくこと。企業や組織の危機管理体制を構成する要素の一つとされています。平成30年度(2018年度)には、東京都の第三者評価項目にBCP策定が求められるようになりました。また、2023年(令和5年)4月1日に施行された厚生労働省の省令改正により、保育園も含めた児童福祉施設でもBCPの作成が努力義務化されました。このように、重要な社会インフラである保育園についてもその必要性が年々高まってきています。
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【ハザードマップ】
「ハザードマップ」とは、自然災害による被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図のこと。「被害予測地図」とも言います。災害時の園からの避難経路を確認するためにも重要な資料となります。
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【おかしもち】
「おかしもち」とは、子どもたちに災害時の避難の対応を分かりやすく伝えるために作られた防災標語のこと。子どもたちに覚えてほしい災害時の対応である、「お(押さない)」「か(駆けない/走らない)」「し(しゃべらない)」「も(戻らない)」「ち(近寄らない)」の頭文字を繋げて覚えやすくしたものです。もともとは、1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神淡路大震災を機に消防庁が考案した避難訓練用の標語、「おはし(押さない・走らない・しゃべらない)」が元になっています。現在では、「おはしも」「おかしも」などに変化をしながら全国に広まり、園での避難訓練や指導でもよく使われています。
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【危機管理】
「危機管理」とは、自然災害や事故などが発生した際に、迅速に対応するための管理体制のこと。
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【避難訓練】
「避難訓練」とは、自然災害や、火災などの人為的な災害、不審者の侵入などの発生を想定した避難の訓練のこと。いざというときにパニック状態にならないよう、さまざまなケースに合わせた避難方法や役割分担、避難場所、避難経路、判断基準、関係先への連絡手順などを確認するために実施されます。保育園(保育所)に関しては、児童福祉法により毎月1回の災害に対する避難訓練の実施が義務付けられています(第六条の記述「避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月一回は、これを行わなければならない」より)。
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【避難確保計画】
「避難確保計画」とは、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設に作成が義務付けられた計画のこと。水害や土砂災害が発生する恐れのある場合において、利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な事項を定めたものです。要配慮者利用施設には、保育園などの児童福祉施設も含まれます。近年の度重なる水害への対応を強化するため2017年(平成29年)に施行された、「水防法等の一部を改正する法律(平成29年法律第31号)」により計画の作成が義務付けられましたが、児童福祉施設への浸透がなかなか進んでいないという状況もあります。
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災害・防災を子どもたちに伝える
ここからは、災害や防災について園で子どもたちに伝えていく活動についてご紹介していきます。災害時の注意を子どもに伝えるダウンロードキット
地震などの災害が起きたときに子どもたちが安全に避難できるよう呼びかけるときの合言葉「おかしもち」のイラストセットです。「おさない」「かけない」「しゃべらない」「もどらない」「ちかづかない」という5つのメッセージとイラストがセットになっています。防災訓練のときなどに印刷してご利用ください。災害・防災を伝える絵本
災害や防災について子どもたちにはどのように伝えていけば良いでしょうか? 方法の一つとしてオススメなのが絵本。こちらの記事では、子どもたちに自分で身を守ることの大切さを伝えられる絵本を4冊ご紹介します。防災対策を考えるきっかけに
近年発生している大規模地震や豪雨による水害の多発をきっかけに、年々園での防災意識は高まってきています。しかし、「これで万全」というゴールはありません。災害の発生事例や、対策に関する関連法規など、常に新しい情報もアップデートされています。それに伴い、園での防災対策も常に見直していく姿勢が求められています。今回ご紹介した記事をぜひ参考にしてみてください。【関連記事】