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シャボン玉を保育園で楽しもう!~作り方・遊び方・ねらい・注意点~

シャボン玉遊び
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをご紹介します。>>「外遊び・室内遊び」の連載一覧はこちら

シャボン玉遊びは何歳から楽しめる?

シャボン玉遊びは先生が伝えたお約束を理解して守りながら遊ぶことができる3歳頃から楽しめるでしょう。しかし、遊び方を工夫すれば、0~2歳の低年齢児クラスでも楽しむことができますよ。年齢別のシャボン玉遊びの楽しみ方をご紹介します。

0・1・2歳児クラスのシャボン玉遊びの楽しみ方

0~2歳の小さいうちは、誤ってシャボン玉液を飲んでしまったり、優しく吹くという動作が難しかったりするので、保育者がシャボン玉を作ってあげるといいでしょう。0~1歳頃は、風にふわふわと揺られているシャボン玉を観察して楽しみましょう。1歳半頃からは走ることができるようになってくるので、シャボン玉を追いかけたり、手で触って割ったりして遊ぶのもいいですね。

3・4・5歳児クラスのシャボン玉遊びの楽しみ方

3歳以上のクラスでは、自分たちでシャボン玉を作れるようになるでしょう。それでも初めは誤飲の危険があるので、初めてシャボン玉遊びを取り入れる際には、ストローなどの口に咥えるものではなく、モールやうちわ、針金ハンガーなど手で振ってできる道具を使うといいでしょう。4・5歳児クラスでは、道具の種類を増やしてさまざまな遊び方に展開できる環境を整えておけるといいですね。
 
療育の観点でも、シャボン玉はとても意義のある考え方だとされています。療育視点でのシャボン玉遊びの解説は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

▼詳しくはこちら

シャボン玉遊びのねらい

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。
  • 友だちと一緒にしゃぼん玉を作り、しゃぼん玉に興味をもつ 
  • シャボン玉の光や外の風を感じながら、遊ぶことを楽しむ 
  • 息の吹き方やシャボン玉液の量を変えるなど、遊びを工夫する楽しさを経験する

期待される子どもの姿

  • シャボン玉を吹くことで口の運動能力を高め、言葉の発達を促す
  • シャボン玉がもつ不思議さを体験することで、好奇心を養う
  • 自分なりの遊び方を積極的に考えることで、創造性を養う
 

シャボン玉遊びの配慮・注意点

シャボン玉遊びを行う際に保育者が配慮したいことや注意点をご紹介します。中には事前に準備が必要なものもあるので、活動を計画する前に確認しておけるといいでしょう。

汚れてもいい服装で行う

シャボン玉は子どもたちが夢中になる楽しい遊びですが、シャボン玉液で洋服が汚れがちです。シャボン玉遊びの活動を予定しているときには、保護者にあらかじめ汚れてもいい服装を用意してもらえるように依頼をしておくといいでしょう。

誤飲に注意して見守る

市販のシャボン玉液でSTマークを取得している商品であれば、多少口に入ってしまう程度では心配いりません。しかし大量に飲み込んでしまった場合や、保育園で手作りしたシャボン玉液を使っていて飲み込んでしまった場合は体調を崩してしまう可能性があります。「シャボン玉液は吸い込まないように」とあらかじめ伝えていても、間違って吸い込んでしまったり、ストローなどを使っていると口の中に流れてきてシャボン玉液を飲んでしまったりすることも。子どもたちがシャボン玉液を飲んでしまわないよう、まずは十分に注意して見守りましょう。
 
また、もしも誤飲をしてしまった場合のために園内で対応を確認しておきましょう。筆者の園では、まずはすぐにうがいをさせて、体調に変化がないか見守っていました。大量に飲んでしまった場合や、体調の悪化が見られる場合には、医療機関を必ず受診することになっていましたよ。

液が目に入った場合はすぐにすすぐ

誤飲以外にも、シャボン玉液が目に入ったときにもすぐに対応が必要です。誤飲のときと同様、流水ですぐにすすぐようにしましょう。また、目を擦らないようにしましょう。

全体を見渡せる位置で見守る

保育者は、子どもたちが遊んでいる間全体を見渡せる位置で見守るようにしましょう。子どもたちはシャボン玉に夢中になると周りが見えなくなりがちです。特に転倒や衝突には注意して見守るようにしましょう。

子どもたちに伝えるお約束

保育者の配慮・注意点を踏まえると、子どもたちに事前にお約束(ルール)を説明しておくことは必須です。以下では、シャボン玉遊びをするときのお約束の例をご紹介します。

シャボン玉液を吸わない、飲まない

お伝えした通り、シャボン玉液は飲み込んでしまうと危険な場合があります。「シャボン玉液は飲み物ではないので、飲み込まないようにしましょう」と伝えておきましょう。「吸わない」「飲まない」だけだと少し分かりにくい場合があるので、例えば「ストローを咥えたまま上を向かない」「シャボン玉液に付けた方は口に入れない」「ストローを咥えたまま息を吸わない」などと伝えると分かりやすいでしょう。

お友だちに向けて吹かない

シャボン玉は、お友だちに向けて吹かないように伝えましょう。手や服が汚れてしまって相手が嫌がったり、シャボン玉が割れたときに相手の目にシャボン玉液が入ってしまったりすることがあります。また、意図していなくてもシャボン玉を作った先にお友だちが居ることもあるので、「周りをよく見て遊ぼうね」と伝えるといいですね。

シャボン玉を追いかける時に何も持たない

ふわふわと飛んでいくシャボン玉に夢中になると、道具を持ったまま追いかけたり走ったりしてしまう子がいます。しかし道具を持ったまま走ると転んだ時にケガをしたり、周りの子にぶつかってケガをしたりすることが考えられます。「道具を持っている時は走らないようにしようね」と伝えるといいでしょう。

シャボン玉液の作り方

シャボン玉液は市販のものを買ってもいいですが、手作りをすることも可能です。代表的な材料や作り方を紹介するので、保育園・幼稚園で用意できる材料で作ってみてはいかがでしょうか。

固形石鹸・粉せっけんを使う

無添加の石鹸を使うと、子どもたちも安心して遊べるシャボン玉液を作ることができますよ。ガムシロップは無くても出来ますが、入れると割れにくいシャボン玉が出来上がります。
 
<材料・用意する物>
  • 固形石鹸または粉石鹸 お好みの量
  • ぬるま湯 100ml
  • ガムシロップ 石鹸と同量
  • (固形石鹸を使う場合はおろし金)
 
<作り方>
  1. 固形石鹸をおろし金で削ります。
  2. ぬるま湯に削った石鹸をゆっくりと入れ、溶かします。
  3. ガムシロップを加えて完成です!
 

台所用せっけんを使う

台所用せっけんを使っても、シャボン玉液を作れます。石鹸同様、原料が環境・身体にやさしいものを使うといいでしょう。
 
<材料・用意する物>
  • 台所用せっけん お好みの量
  • ぬるま湯 100ml
  • ガムシロップ 石鹸と同量
 
<作り方>
  1. ぬるま湯に台所用石鹸をゆっくりと入れ、混ぜ合わせます。
  2. ガムシロップを加えて完成です!

中性洗剤と洗濯のりを使う

中性洗剤も、シャボン玉液の材料としておすすめです。より粘度を上げて割れにくくするには、洗濯のりを使うといいでしょう。混ぜるときには、なるべく泡立たないように静かに混ぜるのがポイントですよ。
 
<材料・用意する物>
  • 中性洗剤 10ml程度(お好み)
  • ぬるま湯 100ml
  • 洗濯のり 洗剤と同量
 
<作り方>
  1. ぬるま湯に中性洗剤をゆっくりと入れ、混ぜ合わせます。
  2. 洗濯のりを加えて完成です!

シャボン玉遊びに使える道具

シャボン玉遊びに使える道具をご紹介します。いろいろな大きさ、数のシャボン玉が作れるように、さまざまな道具を用意しておくとより楽しめますよ。ここでは、保育園や幼稚園で揃えやすい、家庭によくあるものを中心にご紹介します。

ストロー

シャボン玉を吹く子どもたち
ストローの先端に、ハサミで切り込みを4~6か所入れます(※2~3センチ程度)。その切り込みを入れた部分を外側に広がるように折り、お花のような形になるようにします。ストローが長い場合は、子どもたちのちょうどいい長さに切って調節するといいですよ。
 
また、細目のストローを輪ゴムでいくつかまとめて吹くと、一度に大量のシャボン玉ができて楽しいですよ。

モール

大きなシャボン玉を作る子ども
モールを金魚すくいのポイのように丸く変形すると、優しく手を振ったり輪っかにふーっと息を吹きかけてシャボン玉を作ることができます。いくつかモールを繋げれば、大き目の輪っかをつくることもできますよ。ストローとは異なり直接口を付けないので、誤飲の心配が少なく初めてのシャボン玉遊びにもおすすめです。

うちわ

うちわの紙を全て剥がして骨組みだけの状態にします。これをシャボン玉液に浸して、骨組みと骨組みの間(穴)に向かってふーっと息を吹きかけると、たくさんのシャボン玉が作れます。手を優しく振ってもOKですよ。

ラップの芯・トイレットペーパーの芯

ラップの芯やトイレットペーパーの芯は、筒の片側をシャボン玉液につけてもう片方から息を吹きかければ、それだけでシャボン玉を作ることができる道具です。廃材なので、保育園・幼稚園でも用意しやすい材料ではないでしょうか。気軽に使い捨てができるところも、後片付けが楽で嬉しいですね。

牛乳パック

牛乳パックの上の注ぎ口と底を切って輪っか状の道具を作ります。その輪っかの片側にシャボン玉液を付けて、もう片方からふーっと吹くと、シャボン玉を作ることができますよ。簡単に作ることができる道具なので、ぜひ用意してみてくださいね。

針金ハンガー

針金ハンガーを変形して、輪っかを作ります。その輪っかの全面に、毛糸をくるくると巻き付けていきます。できた道具をシャボン玉液に浸けて、振り上げたり輪っかに息を吹きかけると、シャボン玉が作れます。シャボン玉液が毛糸によく染み込んで、大きなシャボン玉が作りやすい道具です。

魚の焼き網

魚の焼き網でシャボン玉を作る子ども
バーベキューなどで使う大きいものではなく、百円ショップなどで売っている子どもでも持ちやすい小さめの物を用意しましょう。前面にシャボン液をつけて振ってみると、網目から小さいシャボン玉が一気に沢山作れますよ。

料理用のザル

 料理に使うザルの網目をシャボン玉液に浸けて、息を吹きかけてみましょう。細かなシャボン玉(泡)がモコモコと出来上がります。泡をふわっと空中に浮かせたり、そのままおままごとに使ったりと、いろいろな展開ができそうですね。

2本の棒と紐

道具を使って大きなシャボン玉を作る保育士
細長い棒2本(園芸棒などがおすすめ)と、紐1.5~2メートル程度(凧糸など水をよく吸うものがおすすめ)を用意します。棒2本それぞれの片側の先端に紐をくくりつけて、大きな輪っかを作ります。輪っかにシャボン玉液を付けて、棒を持ち上げて振ると、大きなシャボン玉ができますよ。

この道具を使ったシャボン玉を作るのは少し難しいので、先生がやってみて子どもたちにできたシャボン玉を見せる用として使ったり、もう少し小さいサイズを作って5歳児さんが使える道具として用意するのがおすすめです。小さい子の前でこの道具を使うと、とっても盛り上がりますよ。

ペットボトルとストッキング 

ペットボトルと靴下を使って泡を作る子ども
ペットボトルの底を切り落として切り口にシャボン玉液を付けて吹くだけでも、シャボン玉を作ることが可能です。しかしその切り口にストッキング(靴下やガーゼでも可)を被せると、さらに面白いですよ。飲み口部分から息を吹きかけると、ストッキングの網目から、ぶわっと泡が出てきます。ザルを使った時と同様に細かいシャボン玉がたくさんできるので、小さめのシャボン玉を作りたいときにおすすめです。

シャボン玉を使ったアレンジ遊び

シャボン玉を使ったアレンジ遊びをご紹介します。通常のシャボン玉遊びに飽きてきたときや、遊びを展開させたいときに取り入れてみてくださいね。

色のついたシャボン玉液バブルアート(シャボン玉アート)

色のついた泡で画用紙に色付けをする子ども
シャボン玉は、製作活動に活かすこともできますよ。シャボン玉液に絵の具で色を付けて、画用紙に向かって吹けば色のついたシャボン玉が画用紙に当たって割れて、素敵な模様が出来上がります。吹きかける時に使う道具は、これまでに紹介した何本かを束ねたストローや、ペットボトルにストッキングを重ねたものなどを使うのがおすすめです。シャボン液をぶくぶくと泡立てて、そこに直接画用紙を付けるのもいいですよ。

軍手でシャボン玉にタッチ!

軍手でシャボン玉をキャッチする子ども
シャボン玉を手で触るとすぐに割れてしまいますが、軍手をはめるだけでなんとしばらく割れずに手にくっつけることができます。軍手の表面には細かい毛がたくさん浮きだっていて、その細かな毛がクッションとなって力を分散することで割れずにキャッチできるそうです。専門用語では「ロータス効果」というそうですよ。遊びが深まってきたころに取り出せば、「すごい!」「割れない!なんでー?」と、子どもたちも大盛り上がりです!

※掲載イラストや記事内容の 無断転載・二次利用、配布・加工は禁止とさせていただきます。 
杉本綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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