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野菜スタンプで遊ぼう!【作り方・ねらい・注意点・遊び方を解説】

野菜スタンプ
保育園や幼稚園、認定こども園で日々の活動に欠かせない“遊び”の時間。毎日「今日はどんな遊びを用意しよう…」と頭を悩ませる保育者の皆さんも多いのではないでしょうか。そんなときに役立つアイデアをご紹介します。
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野菜スタンプ

「野菜スタンプ」は、その名の通り本物の野菜を使ってスタンプをする遊びです。普段家庭や給食に出てくる野菜を使った遊びなので、食育の活動として取り入れる保育士さんも多いのではないでしょうか。日々の保育の中で野菜に興味を持ち始めた頃に取り入れると良いですね。

今回は、そんな野菜スタンプについて導入から注意点、ねらい、遊び方までご紹介します。ぜひ活動の参考にしてみてくださいね。

難易度 

★☆☆☆☆

対象年齢

1歳/2歳/3歳/4歳/5歳

※野菜の種類によって対象年齢が変わります。低年齢児クラスで遊ぶ場合は、持ちやすく大き目の野菜を使うと良いでしょう。  

導入におすすめのアイデア

活動の導入としておすすめのアイデアをいくつかご紹介します。

絵本を使って見せる

ぺったん! やさいスタンプ
作・絵: 三枝 三七子
出版社: あかね書房
あそびみつけた〈1〉ぺったん!―やさいスタンプ
[あそびみつけた〈1〉ぺったん!―やさいスタンプ (あそびみつけた (1)) ]

絵本を使って野菜の断面がどんな風になっているかを見せてみると、子どもたちも野菜に興味を持つことができるでしょう。ご紹介した絵本はクイズ形式になっているので、先にスタンプの形を見せて、「これは、だれでしょう?」と考えながら読み進めることができますよ。最後には野菜スタンプのやり方も載っているので、「やってみたい!」という気持ちを高めて活動に移れそうですね。


やさいの おなか 
きうち かつ 作・絵 
福音館書店 
やさいのおなか (幼児絵本シリーズ)
[やさいのおなか (幼児絵本シリーズ) ]
 
2冊目のおすすめは、福音館書店の「やさいの おなか」。モノクロの断面図の次にカラーの断面図、という繰り返しの絵本です。カラーのイラストが美しく、小さな子どもでも楽しみながら理解できる内容ですよ。 

本物の野菜と触れ合う

食育と繋げられるように、本物の野菜を用意して触れ合うのもいいでしょう。それぞれを観察し、触ってみて、匂いをかいでみて…と五感を存分に使って楽しめるといいですね。また、可能であれば野菜スタンプを作っているところ(野菜を切るところ)を子どもたちの前で見せられると良いでしょう。ただし包丁を使い大変危険なので、安全には十分に注意して行いましょう。

野菜について話してみる 

「この野菜はどんな料理に使われている?」「初めて見る野菜はあるかな?」など、 子どもたちと野菜について話合ってみましょう。産地や旬の野菜をクイズのように伝えると遊びながら学ぶチャンスにもなりますよ。 また、切る前、切った後の野菜についても、五感を使って会話を楽しみましょう。 「ずっしりしているね!」「でこぼこしているよ」「チクチクしているよ」なと、子どもが感じる感覚を言葉にしてみてください。低年齢の子どもたちには、自然と「これがでこぼこなんだ!」と感じ、感覚と言葉が合うことの繰り返しで自分の中に言葉が少しずつ入っていきます。語彙の獲得にも繋がっていきますよ。 

野菜スタンプ遊びの注意点・配慮

野菜スタンプをする際に注意するポイントをご紹介します。

アレルギーに注意をする

食品を扱うため、アレルギーには特に注意が必要です。クラスの子どもの中にアレルギー児がいる場合は、その野菜は使わないようにしましょう。

野菜の断面を平らにする

野菜スタンプのスタンプ面を切る時には、断面が平行になるように切りましょう。がたがたしていると、スタンプを押したときに断面が綺麗に映らなくなってしまいます。

スタンプの野菜は多めに用意しておく

遊んでいる間に野菜スタンプが潰れてきてしまったり、他の色を使いたい子が出てきたりする場合があるので、スタンプ用の野菜はなるべく多めに、かつ小さなものから大きなものまでいろいろな種類のものを用意しておくと良いでしょう。

汚れに注意する

野菜から出る水分や、スタンプをする際の絵の具で汚れる可能性があります。保護者の方には事前に活動の予定を伝え、汚れても構わない洋服を用意してもらいましょう。また、机や床など保育室も汚れる可能性があるため、ブルーシートを敷くなど事前の環境設定が重要です。

食べ物を大切にする

野菜スタンプは、野菜や食に興味を持つきっかけとしておすすめの活動ですが、同時に食べ物を大切にすること、無駄にしないことも子どもたちに伝えていけると良いでしょう。給食を園内で作っている場合には、なるべく切れ端の部分を貰ってきて無駄にならないようにしたり、子どもたちに「捨てちゃう部分を使っているんだよ」と伝えたりといった工夫ができそうですね。保護者の方にも、活動報告の際にそういったことを伝えられるといいでしょう。

野菜スタンプにおすすめの野菜

野菜スタンプをするのにおすすめな野菜の種類をご紹介します。
  • レンコン 
  • オクラ 
  • ピーマン、パプリカ 
  • 玉ねぎ 
  • チンゲン菜(バラのような形になります) 
  • ゴーヤ 
  • じゃがいも 
  • さつまいも 
  • ブロッコリー 
  • とうもろこし 


野菜スタンプの作り方

野菜スタンプの作り方をご紹介します。 

材料・用意する物

  • 野菜(いくつかの種類を用意すると良い) 
  • キッチンペーパー 
  • 包丁 
  • まな板 
  • 絵の具(水彩がおすすめです) 
  • バットまたはトレー 
  • 画用紙 

作り方

①用意した野菜を、断面が平行になるように切ります。(包丁を使うので、調理師さんにお願いするか、または保育士が事前に行うと良いです) 
②キッチンペーパーの上に野菜の切り口を下にして置き、乾燥させます。 
③トレーにキッチンペーパーを敷き、絵の具をのせます。 
④②で乾燥させた野菜を③に押し付けて絵の具を付け、画用紙にスタンプします。 
※トレーが用意できない場合は、筆を使って直接絵の具を野菜にのせてもいいです 
⑤自由にスタンプ表現を楽しみましょう♪

野菜スタンプを使った遊び

野菜スタンプを使った遊び方を、ご紹介します。

1~2歳児

野菜スタンプをする子どもと保育士
低年齢児クラスの子どもたちは、本物の野菜と触れ合うこと自体が初めての経験の場合もありますよね。まずはスタンプを始める前に、野菜を触ってもらったり、匂いを嗅いだりと、よく観察する時間を取るといいでしょう。「どんな形?」「匂いはどう?」と、子どもたちの興味や関心を引き出す声掛けがポイントです。
 
いざスタンプをする際には、まずは保育者がやり方を目の前で見せて、それから子どもたちが挑戦できるようにすると良いでしょう。初めは上手く持てなかったり、スタンプをする力が足りなかったりするので、保育者が一緒に野菜を持ってサポートしてあげるのもいいですね。

3歳児

うちわに野菜スタンプをしている子ども
3歳児頃になると、上手にスタンプをすることができるようになってきます。製作遊びに繋げて、スタンプを使って何か作品作りをするのがおすすめですよ。筆者の園では、七五三の千歳飴袋を作る際に野菜スタンプを使って飾り付けをしました。野菜の種類や絵の具の色をさまざま用意して、子どもたちが好きなように飾り付けができるようにしましょう。

4~5歳児

野菜スタンプで絵を描いている子ども
4~5歳頃になると、スタンプを使って綺麗な飾り付けをすることはもちろん、より幅広い表現ができるようになるでしょう。例えば、星型のようなシルエットが出来上がるオクラをお花に見立てて押してみたり、黄色の絵の具でスタンプをして夜空を表現したり...スタンプに加えてカラーペンやクレヨンを用意すれば、さらに想像力も膨らみそうですね。また、3歳児さん同様、スタンプを使ってうちわやメッセージカードなどの製作と組み合わせられるといいですね。

月庵例:遊びのねらい

保育園や幼稚園、認定こども園での遊びの活動では、ただ単に保育のひきだしの一つとして遊びを行うだけでなく、「ねらい」を意識して取り入れるようにしましょう。そうすることで、月案や指導案の作成にも役立ちますし、子どもたちの成長を促すことにもなります。 
  • さまざまな野菜の名前を知る  
  • 野菜の断面のおもしろさを感じながらスタンプ遊びを楽しむ  
  • 野菜の形やつくり、触った感触など楽しみながら興味を持つ 

期待される子どもの姿

  • さまざまな色や野菜の形を組み合わせて、自由に表現することで創造性を養う  
  • 野菜をつかんで押すことで、手や指先の感覚を育む 

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杉本綾子(すぎもと あやこ)

この記事を書いた人

杉本綾子(すぎもと あやこ)

特定非営利活動法人 芸術と遊び創造協会 所属
長年の保育現場勤務を活かし保育園の園長を経て、現在、現場で頑張っている人同士がともに学び、「心の栄養補給」ができる人材を育てるために講座などを企画・運営している。
『幼稚園教諭二種免許・保育士』『おもちゃコンサルタント』『絵画指導スペシャリスト』『保育ナチュラリスト』『保育 あそび発達サポーター』などの資格を取得。多様な視点から、園での遊びや保育に役立つヒントを届ける。

<芸術と遊びらぼ>
https://artplaylab.jp/
<芸術と遊び創造協会>
https://art-play.or.jp/

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