レッジョ・エミリア・アプローチとは?
レッジョ・エミリアは、イタリア北部にある小さな街の名前です。そこで行われていた教育方法が1991年にニューズウィークから発表された「世界で最も優れた10の学校」に選ばれ、「レッジョ・エミリア・アプローチ」として注目を集めるようになりました。まずは、この教育方法の誕生背景を見ていきましょう。誕生はイタリア

子どもの個性を尊重する
レッジョ・エミリア・アプローチでは、子ども一人ひとりの感性や意思、個性を大切にし、伸ばしていくことを目標としています。この教育方法のリーダー的存在であった教育学者のローリス・マラグッツィは『子供たちの100の言葉』という詩で「子どもには百とおりある」としています。
子どもにはそれぞれ個性があり、遊び方や話し方、好きな遊びや食べ物など一人ひとりが違いますよね。レッジョ・エミリア・アプローチを行う保育園や幼稚園では、そんな個性を大切にした保育を行います。
専門家がいる
レッジョ・エミリア・アプローチには、「アトリエリスタ」という美術の専門家、「ペダゴジスタ」という教育の専門家が、保育士や幼稚園教諭とともに子どもたちの活動を支援します。もちろん、レッジョに影響を受けて活動を行っている園全てに専門家が配置されているわけではありませんが、さまざまな面から子どもたちを専門家の視点で見ることが重視されます。3つの特徴

プロジェクト活動
プロジェクト活動では、ひとつのテーマに数か月~1年ほどかけて取り組みます。保育士や幼稚園教諭は指示をするのではなく、子どもたちと対等な立場でみんなで話し合います。活動を通して子どもたちが自分の考えを主張したり、目的を見つけ出していく探求心が育てられます。大人が決めた活動を子どもが行う、というスタイルが多い中で、子どもも大人と同等に話し合う場というのは、自主性が身につく機会になりそうですね。
アート活動
レッジョ・エミリア・アプローチの活動の中でも、特に印象が強いのがアート活動です。園内にはアトリエや共同広場(ピアッツァ)が用意され、子どもたちが自分の好きなように表現できる環境が整えられています。日本の園では、レッジョ・エミリア・アプローチの考えや理念を一部取り入れつつ保育を行うところが多く、アトリエや共同広場はなくともアートに触れる時間を設けて活動を行っている園もあります。
ドキュメンテーション

保育士や幼稚園教諭にとって普段の様子を振り返るきっかけになるだけでなく、園での様子を保護者とも共有でき、コミュニケーションのツールにもなりますね。