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保育実習中のゲーム遊び|立案ポイントと年齢別おすすめ遊び例【保育のヒント】

保育実習ゲームの立案
元保育士養成校講師&保育者の“あさこせんせい”による「保育のヒント」コラム。今回は、保育実習の日案にゲームを取り入れる際の立案ポイントや年齢別のおすすめ遊び例についてです。>>連載一覧はこちら  

保育実習にゲームを取り入れる

保育実習の日案として取り入れやすいゲーム遊び。子どもたちみんなで楽しめるゲーム遊びは部分・責任実習でもぜひチャレンジして欲しい遊びの1つです。定番のゲーム遊びも少しのアイデアや配慮を加えるとメリハリやまとまりが出て、計画や振り返りが行いやすくなります。ぜひ参考にしてみてくださいね。 

立案のポイント「“臨機応変”を具体的に」 

ゲーム中のハプニングや保育者の対応を「臨機応変に」と書くのは簡単ですが、ある程度の想定があってこそ臨機応変がいきてきます。一歩踏み込んで具体的に立案しましょう。 

1.分かりやすいルール説明 

箇条書きで5つ以内程度にまとめましょう。保育者が実際に行いながら伝えるのがおすすめです。  

2.盛り上げ方 

「よく見て」「素早く」など、ゲームを楽しむキーワードを準備しておきましょう。どんな場面で、どんな言葉で盛り上げるのかをイメージ出来るといいですね。 

3.まとめ方 

勝っても負けても「楽しかった」という気持ちを共有しましょう。最後は拍手でお互いを称え合うのも忘れずに行いたいですね。 

3歳児向けにおすすめのゲーム遊び 

室内で行えるものはルールが伝わりやすく、一体感ある雰囲気が作りやすくなります。 

 フルーツバスケット 

フルーツバスケットで遊ぶ子どもたちのイラスト

ねらい 

  • ルールあるあそびを友達と一緒に楽しむ。 
  • 言葉を聞いて、自分のイラストと見比べたり考えたりする。 

 遊び方 

  1. 果物や色などにグループ分けをする(3種類くらいから始めましょう) 
  2. イラストが描かれたメダルを首にかける 
  3. 椅子を円に並べて座る 
  4. 鬼は円の真ん中に立ち、イラストの1つを言う 
  5. 言われたイラストの人は席を移動する 
  6. 「フルーツバスケット」と言われたら全員が席を移動する 

注意と配慮 

  • メダルの紐が長すぎると危ないので、胸のあたりにくる様にする。 
  • 慣れてきたら運動会の種目や発表会の役など、その時の園生活に合わせて行うのもおすすめです。 

 盛り上げ方 

「そこが空いてるよ!」「こっちこっち」など先生が率先して声を出して応援し、みんなで一緒に楽しむ姿を示します。 

むっくりクマさん 

むっくりくまさんの歌を歌っている子どもたちのイラスト

ねらい 

  • 歌ったり手を繋いだりしながら、’みんなで’の一体感を楽しむ 
  • ゲーム中の自分の役割を体験する 

遊び方 

  1. 手をつないで輪になる 
  2. クマさん役の子が輪の中に入って座る 
  3. 「むっくりクマさん」の歌に合わせて歩きながら回る 
  4. ♪食べられちゃうよ〜の後に先生は「逃げろ!」と合図をだし、鬼ごっこ 
  5. 捕まった人がくまさん役となる 

 歌詞 

 むっくりクマさん むっくりクマさん あなの中 
 眠っているよ ぐーぐー 
 ねごとを言って むにゃむにゃ 
 目をさましたら 目をさましたら 
 食べられちゃうよ(逃げろー!) 

留意点と配慮 

  • 人数にあう広い場所で行いましょう。 
  • クマのお面を作ると役割を意識しやすくなります。 
  • 参加人数に合わせてくま役を複数人にするのも良いでしょう。 
  • 追いかけたり、追いかけられるのを好まない子もいます。無理強いはせず、お友達を応援したり、「〇〇君がくまさん役だね」など会話をしながら見ることも、本人なりの楽しみであることを理解しましょう。 

盛り上げ方 

歌ではホッと安心できるあたたかい雰囲気で、鬼ごっこでは元気に発散するようになど。それぞれの雰囲気にギャップをつけましょう。メリハリが出来て集中力が続きやすくなります。 
 

4歳児向けにおすすめのゲーム遊び 

勝敗を楽しめるようになってきます。勝者には、ヒーローインタビューで名前や今の気持ちなどを質問しましょう。勝った高揚感の中で少しドキドキしながら答えるインタビューはとても盛り上がり、ゲームの終わり方としておすすめです。 

 ジャンケン列車 

2列を作って先頭の子がじゃんけんしている子どもたちのイラスト

ねらい 

  • 勝敗の楽しさを体験する 
  • 仲間が増える楽しさや喜びを知る 

 遊びかた 

  1. ジャンケンのルールの確認をする 
  2. ジャンケンで負けた人は勝った人の後ろに繋がる 
  3. 繋がったまま音楽に合わせて歩き、音楽が止まったらじゃんけんの相手を探す 

 注意 

  • 人数にあう広い場所で行います。 
  • 押さない、走らない、引っ張らないことを事前に伝えます。 
  • トラブル回避のため、じゃんけんには先生が必ず立ち会います。 

配慮 

  • 列が長くなってきたら、「ゆっくり歩いて」と言葉だけの指示では意図がうまく伝わらない場合が多いです。先頭さんが適切な歩調を掴むまで、先生がそばにいて具体的にフォローしましょう。
  • BGMは歩くリズムのものを、可能であれば少し遅めにスピード調節をしましょう。
  •  肩を持たれるのを嫌がる子もいます。肩ではなく、腰を持つのもおすすめです。 

盛り上げ方 

ジャンケンのタイミングは先生が声を出して、みんなで同時に行いましょう。勝ち負けの気分を同じ瞬間に共有することで一体感が生まれます。 

まとめ方 

1列になったら先頭と最後尾が手をつなぎ輪になります。みんなで顔を合わせて歌を歌ったり、保育者とまねっこゲームなども良いでしょう。輪になることで、みんなで楽しんだ感覚が実感しやすくなります。 

色変えゲーム(カードめくり競争) 

赤チームと白チームで分かれている子どもたちのイラスト

ねらい 

  • ルールを理解し、みんなでルールを守るから楽しめることを体験する 
  • 応援したりされたりすることで、チームワークの楽しさを知る 

遊び方 

  1. 2色にチーム分けをする 
  2. 表裏がチームカラーのボードを用意し、均等に床に広げる 
  3. 笛の合図で自分のチームカラーにボードを裏返していく 
  4. 笛がなったら次の人に代わる 
  5. 最後に多く色があるチームの勝ち 

注意と配慮 

  • 人数に適した広い場所で行います。 
  • ボードは、安全で扱いやすい大きさと素材のものを用意します。 
  • 踏むと滑って危ないので、踏まないよう気をつけることを事前に伝えます。 

 盛り上げ方 

少しアップテンポなBGMがおすすめです。 人数が多い場合は応援チームとゲームチームに分かれ、数人ずつ同時に行うこともできます。応援チームには応援グッズ(ポンポンや旗など)を用意すると盛り上がります。 

まとめ方 

全員で各ボードを「1枚2枚〜」と数えながら集めます。結果発表は先生も気分を盛り上げて、大きな声で言いましょう。  

5才児向けにおすすめのゲーム遊び 

自分たちでルールを考えたり、正したり、間違えないように気をつけたりするのも楽しい年齢です。 ハンカチ落としや花いちもんめなどの伝承遊びも積極的に取り入れていきたいですね。 

椅子取りゲーム 

いすとりゲームで遊ぶ子どもたちのイラスト

ねらい 

  • 勝つ楽しさ、負ける悔しさ、応援する楽しさを体験する 
  • みんなで決めたルールをみんなで守る 

遊び方 

  1. 人数より少ない数の椅子を丸く並べる 
  2. 音楽に合わせて椅子の周りを歩く 
  3. 音楽が止まったら空いている椅子に座る 
  4. 座れなかった子は応援席へいく 
  5. 最後まで椅子に座れた人の勝ち 

 注意と配慮 

  • 何個ずつ椅子を減らしていくか、同時に座った場合はどうするかなど、細かいところは子どもたちと相談をして決めましょう。ねらいに沿った活動に繋がります。 
  • 最初の数回は椅子を減らさず、全員が座る楽しさを体験できるようにしましょう。 
  • 音楽はBGMよりも子どもも歌える曲がおすすめです。つい心の中で歌ってしまうことで、判断力や瞬発力への変化も楽しめます。 

 まとめ方 

応援席にはポンポンや鈴などの応援グッズを用意しましょう。座れなかった悔しさを応援する楽しさへ変えることができます。 勝者へのヒーローインタビュー、応援団長(最初に負けた子)を讃える拍手も盛り上がりますよ。 

伝言ゲーム 

伝言ゲーム

ねらい 

  • 言葉の音を正確に捉え、正確に伝えようする 
  • みんなで正解に辿り着こうとするチームワークの心を育む 

 遊び方 

  1. 数人のチームで各1列に並ぶ 
  2. 先頭の人は、先生から”秘密の言葉”を聞く 
  3. 周囲に聞かれないように小さな声で後ろの人に伝える 
  4. 最後の人まで正確に伝われば勝ち 

注意と配慮 

  • 列の人数を増やしたり、言葉を文にしたりしてレベルアップしていきましょう。 
  • 最後の人は大きな声で発表するのではなく、先生に直接言いにくるスタイルがおすすめです。間違えたチームのプライドを守ることができます。どのチームがどんな風に間違えたかに注目しないように配慮しましょう。 

 まとめ方 

正解発表を文字で見せ、みんなで読み上げるのも楽しいですよ。文字への興味のきっかけにもなります。 最後の言葉は「これでおしまい」など、終わりの言葉にするのも良いでしょう。 

<あさこ先生のベトナムだより> 
タイの仏像
夏休みにタイへ行ってきました。有名な涅槃像は圧巻でした!横になっているのはすべての教えを説き終わり、入滅(亡くなること)しようとする姿だそうです。足裏の指紋にはキラキラとして貝殻がはめ込まれとっても綺麗でした。 


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米田 麻子(よねだ あさこ)

この記事を書いた人

米田 麻子(よねだ あさこ)

幼稚園教諭、保育士養成校の講師、保育士を経て、現在はベトナムのホーチミンで子育て支援活動『Mama Kids SALON』を立ち上げて活動中。「#子育てはみんなでしよう」をテーマに、豊富な経験を生かして日々奮闘している。
週末はホーチミンの太陽の下でテニスを楽しむ。モットーは“人のため世のため”

<Instagram>
https://www.instagram.com/mama_kids_salon/?hl=ja

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